また人気ブログランキングが上がってしまった
口から心臓が出てくるかもしれない
ミラクルだ
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合鍵を持つ男 (3)
悲鳴をあげた奥谷が見たもの・・・・
それは、チェリーの等身大に引き伸ばした写真だった!!
全裸だ
クローゼットに貼られたチェリーの等身大の写真に奥谷は驚いた
クローゼットに等身大の写真が貼ってあるなんて誰が予想する
住んでる本人の写真だ
手の込む悪戯
『何なんだ?』
奥谷の低い悲鳴に駆け寄ったチェリー
自分と寸分違わぬ等身大の写真を見て
『何?これ?』
奥谷は『これ、チェリーさんですよね?』
『私だけど、合成だわ』
『何で分かるんですか?』
『私・・・・・・・こんなにグラマーじゃないもん』
チェリーの等身大の写真は首から下が他人だ
これを貼って行った誰かの欲望なのか理想なのかは判らないが
奥谷は、ストーカーに酷い目にあった キャバ嬢を見てきたが後を付け回すだとか、こっそり写真を撮って自分のコレクションに加える・・・
携帯や店に嫌がらせの電話をするだとか、そんなものだった。
しかし、チェリーには自分で撮った写真を等身大にして部屋に忍び込み、わざわざクローゼットの中に貼っている
こいつは普通じゃない
チェリーはやっかいな男に見初められたものだと奥谷は思った。
『チェリーさん、この部屋はヤバイですよ』
『どうしよう・・・・・。』
『明日、店長に相談しましょう』
今のチェリーは他に頼れる人は居ない
奥谷は写真を剥がしながら、このままの現場を警察に?
警察を呼んで事情を説明しようと思ったが過去に何度か他のキャバ嬢にストーカーしてたヤツを通報しても警察は危害を加えてないからの一点張りで進展がなかった。
店の客だろうか?
『チェリーさん、これ位の悪戯では警察もたいした事は出来ない、今日はしっかり玄関の鍵を掛けてチェーンロックして眠って下さい、チェリーさんが鍵を掛け忘れて外出した時の悪戯かもしれないし』
『そう言われると忘れた事があったかもしれない』
『とにかく今日は休んで明日は元気に出勤して下さい』
そう言って奥谷はチェリーの肩に軽く手を置き励まし帰って行った
チェリーの写真を片手に持って
その一部始終を見ていた合鍵を持つ男
合鍵を持つ男は、チェリーに触った奥谷に強い憎悪を抱いた
帰ってく奥谷の後ろ姿を目で追うチェリー
その日は奥谷が言った通りにチェーンロックし用心の為にテーブルでバリケードを作り眠りに就いた。
次の日、店長に相談した
店長にしてみれば良くある相談だ
『暫く様子をみてみたら?』
言葉少ない
所詮、他人事なのね・・・・・・・・・・。
そんな溜息も出たが何事もなく数日が過ぎた
あの日から帰宅したチェリーの部屋に異常はなくなった
帰宅して直ぐにゴミ箱チェック
クローゼットは24時間開けっ放しにしてある
あの事件があってからチェリーは多少だが奥谷と親しくなっていた
そんな二人に嫉妬で見ているキャバ嬢
チェリーはストーカーどころじゃなくなっていた
先輩、キャバ嬢の小さな虐めが始まったのだ
チェリーは虐めにも笑顔で耐えた
隠される化粧ポーチ
ドレスにはタバコの穴
これ位の事で奥谷に心配掛けてはいけない
強くなって自分を磨いて先輩キャバ嬢なんかより指名を取って
上になってやる
意地と欲が出てきたチェリー
ストーカーの事など忘れていった
合鍵を持つ男のはチェリーが安心して気を抜く頃を待っていたのだ
チェリーが仕事に出掛けた後、再び部屋に合鍵で侵入
1DKの小さな部屋を隅々まで念入りに見ては楽しむ
チェリーに気付かれる事もなく自分の部屋のようにくつろぐ男
そうとは知らずに安心しきってるチェリー
そんな、ある日
出勤途中だったチェリーは携帯電話を部屋に忘れた事に気付き
引き返し部屋のドアを開けた
部屋に合鍵を持つ男が侵入しているなんて夢にも思わない
ガチャッ
部屋にチェリーが戻ってくるなどと予想していなかった男
*:・'゜☆。.:*:・続く'゜★゜'・:*:.。.:*:・'゜:*
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