学びスタジオ®︎ブログ

塾での出来事や教育について書きたいと思います。

知性の土台には、秩序感

2022-02-20 07:51:00 | 日記



こんにちは、学びスタジオ®︎東大阪瓢箪山教室の奧川えつひろです。
ご訪問いただき、ありがとうございます。

今回は、知性と秩序について書きます。

❤︎知性の始まり

子どもは、
同じ形を集めたり、
並べたり、
合わせたりすることが大好きです。

子どもは、
いろいろなものを、
まず"区別"します。

そして、
同じもの同士を"集める"とか、
"比べる"とか、
"合わせる"とかします。
この子どもの行動が知性の働きです。

知性の働きとは、
"分類"ことです。

そして、
区別して分けたものを
"集合"、
"比較"、
"対応"
することです。

この単純なことが、
子どもの大事な知性の始まりです。

❤︎活動の持続性か、知的好奇心の原動力に

この"区別する・集める・比べる・合わせる"
を組み合わせると、
子どもの活動が"持続性"を持ちます。
子どもの活動は"自発的"に続きます。

そして、
この活動が宇宙の果てまで知りたいエネルギー、
知的な好奇心の原動力になっているのです。

❤︎この知性を引き出す秩序

0歳〜3歳の子どもは、
秩序への特別敏感な時期です。

そしてその秩序感が、
やがて知性の働きに繋がって行きます。

いつもある場所に置く、
必ずあった所に戻す
"場所の秩序"

一日の流れを同じ順序にする
"順序の秩序"

お母さんのものや自分のものと
持ち主をはっきりさせる
"所有の秩序"

いつものやり方で行う
"習慣の秩序"

❤︎3歳までの子育てに大切なのは"秩序感"

"秩序感"とは、
生まれて間もない小さな子どもが
自分の周りの環境を理解するための
羅針盤のようなものです。

自分の位置を知ろうとしている時に、
周りの場所・順序・所有物などが
いつも同じであることが、
とても大切なことです。

日々の秩序を大事にすることで、
子どもが安心して
自由に動くことができるようになり、
それが、
自発的に知性を働かせていく
土台となっていきます。

❤︎まとめ。知性の土台は秩序感

0歳〜3歳の子どもは、
秩序への特別敏感な時期です。
同じところに置く場所の秩序
同じ順序でする順序の秩序
持ち主をはっきりさせる所有の秩序
同じやり方てする習慣の秩序
この秩序感が、
やがて知性の働きに繋がって行きます。

つまり、
この鋭い秩序感が、
周囲の状況を把握する羅針盤のような役割を果たし、
やがて、
知性の働きと重なり、
その土台となります。
そして、
知性の分野である
分類・集合・比較・対応への
自発的な活動の原動力になります。

2つの"じりつ"で自分らしく

2022-02-19 05:15:00 | 日記



こんにちは、学びスタジオ®︎東大阪瓢箪山教室の奧川えつひろです。

今回は、2つの"じりつ"について書きます。

❤︎自分らしく生きるための力

自分らしく生きていくための力の源は、
❶探求力
❷計画力
❸実行力
の3つの力です。

それらの力を持つためには、
2つの"じりつ"が欠かせません。

❤︎2つの"じりつ"

2つの"じりつ"が育つことで、
社会の中で"一人前"として生活できるようになります。

それは、
"自律"と"自立"

❤︎自律とは

“自律”は、
自分で自分をコントロールし、
自分の意志によって行動することです。

人から命令されたり、
決められたことを実行するだけでなく、
自分自身で進むべき道を決め、
信念をもってその道を進むことです。

心の自給自足です。

❤︎自立とは

"自立"は、
人の助けを借りずに、
自分で生きることを指します。

生活するために必要な“衣食住”を、
自分で管理できるようになることも自立の一つです。

社会の自給自足です。

この自立と自律は学校や社会で必須の要素です。

❤︎自立が育っていないと、
”自分のことが自分でできない子”になる

自立が育っていないと、
小学校の生活で深刻なことになっていきます。

持ち物を管理する、
先生の指示や説明を聞く、
授業の準備をする……
ほかの子が難なくこなしていることができずに、
注意される、
叱られることが増えるかもしれません。

そして、
学年が上がるごとに状況は厳しくなっていきます。

子ども本人は、
「なぜ自分だけできないのか」
を理解できずに苦しみ、
結果として学校が嫌いになってしまったり、
不登校となってしまうケースもあります。

❤︎自律は人間形成に欠かせないもの

物事の善悪の判断や気持ちのコントロール、
他者の気持ちを理解する、
人のために尽力する、
自分の目標を決めてそれに向けて努力する…
こういった自己決定のすべては自律の心から生まれます。

法律や決められたルールを守るのはもちろんですが、

「やって良いこと」
「やってはいけないこと」
「やったほうが良いこと」
「やらないほうが良いこと」
を自分で判断して、
行動に結びつけるのが自律の心です。

❤︎自立と自律がなければ人生が人任せに

自律の心が育っていないと、
「人と同じ」であることに
重きをおいた生き方をするようになります。

「みんなが持っているから」
「友達がやっているから」という表現は、
自律と正反対にある言葉です。

人と同じであることが良いと思い込んでしまうと、
「自分はこう思う」
と主張できないばかりか、
自分の価値観を見失ってしまうことにもなります。

❤︎「どうてもいい」という言葉

自分の考えを持てない子が、
最近、
増えてきており、
「何をやりたい?」
「どれが好き?」
と子どもたちに尋ねたときに
「どれでもいい」
と答える子が目立つようになってきました。

自律の心が育たず、
人任せ、
自分の意見がない、
人に流されるが当たり前になってしまうと、
上の人間や大多数に従順でいることが
“楽”に感じるようになります。

そうなると、
周りに言われるがまま、
いじめに加担してしまったり、
非行グループの手伝いをしてしまったり、
違法薬物に手を出してしたったりなど、
気づいたときには自分では止めることのできない悪い立場にいることもあります。

自分がされて嫌なことはしない、
必要に思えたことは人の目を気にせず実行する……

これは、
自律の心の育ちに関係しています。

❤︎自立と自律を邪魔しない子育て

“押しつけ”と“先回り”は、
子どものやる気を奪います。

子どもの意思に関係なく、
親の方針で、
習い事や塾に通わせることは、
“押しつけ”になります。

習い事や塾は、
子どもの可能性を大きく拡げますが、
ほかの子がやっているから、
周囲で流行っているから
よい指導者がいるから……
親の意向だけで通わせてしまうと、
子どもにとっては、
“親の言うことをきく”ことの一つにしかなりません。

もし中学受験で、
塾に通わせたいなら、
子どもに何回か授業を体験させて、
それで「やってみたい」と子どもが意思表示をしたら、
子どもの感性で「どこが良いのか」を聞き、
話し合って選ばせてあげましょう。

そして、
「自分で選んだ場所なのだから、
最低でも3年は頑張ろうね」
と約束させるようにします。

❤︎自分で選んだ中学受験が自立と自律を育てる

この“自分で選んだ”というところがポイントです。

どんなことでも、
どんな場面でも、
子どもに選択権を与え、
それを尊重する。

それが、
自立と自律を育てることにつながります。

中学受験の大切さを話し合い、
実際にどんな勉強をするか授業を何回か体験したうえで、
「やってみる!」と子どもが思えば、
”じりつ”した中学受験のスタートです。

❤︎まとめ。2つの"じりつ"で自分らしく

まず、
自分を律する"自律"を育て、
そして、
自分で立つ"自立"を育てましょう。

それは、
早く大人になるということではなく、
子どもらしく、自分らしく、
周りと協調して、
伸び伸びと力強く生きるということです。


褒め過ぎて、うぬぼれてもいい

2022-02-18 06:56:00 | 日記



こんにちは、学びスタジオ®︎東大阪瓢箪山教室の奧川えつひろです。

ご訪問いただき、ありがとうございます。

今回は、褒めることについて書きます。

❤︎“褒めて育てる”子育ての不安

「偉いね」
「立派だね」
「すごいね」
と子どもを褒めすぎると、

“天狗になる”
“いい気になる”
“うぬぼれる”
“思い上がる”
“調子に乗る”

どれもこれも響きの悪い言葉です。

将来、
なんだか嫌な人になってしまいそうですね。

❤︎うぬぼれる

"うぬぼれる”は、
“他人がどう思おうと、自分で自分をすばらしいと思う”ことです。

漢字では、
“自分に惚れる”と書きます。
良くない意味に使われる言葉です。

❤︎うぬぼれもいい

しかし、
良い結果を得られて褒められ、
"うぬぼれて"
“天狗になる”
“いい気になる”
気分がよくなると
自信がつきます。

反対に
ダメ出しばかりされていたら
「ああ、僕はやっぱりダメなんだ」
と気力をなくします。

❤︎思い上がる

“思い上がる”は
"自分の能力を実力以上だと過信する"ことです。

❤︎思い上がってもいい

でも、
人は過信することで
実力以上の力を発揮します。

「どうせ失敗するに違いない」
と思って行動すると
本当にうまくいかなかったりしますが、

「きっと成功する」と思うと
120%の力が出たりします。

だから、
思い上がって過信することは
悪いことではないのです。

❤︎褒めすぎてもいい、褒め方が問題

天狗になる、
いい気なる、
思い上がる、
うぬぼれることは、
決して悪いことではありません。

❤︎他人と比較して褒めると

けれども、
他人と比較して褒めると、
悪い意味で
うぬぼれる人、
思い上がる人に育つリスクが大きいです。

例えば…
「あなたは周りに比べて一番偉いね。」
「周りのお友達はお行儀が悪いけれど、あなたはいつもマナーが出来ていていい子ね。」

親が子どもを褒めるとき、
心の中で「周りと比べてうちの子は出来る」
と思うのは自然な感情ですが、
それを口に出して子どもに伝えていけません。

❤︎ダメ人間と思うようになる

周りと比較して褒めていると、
自分が二番手、三番手、また最下位になったとき
「自分は価値がないダメ人間だ」
と思うようになってしまいます。

人との比較は、
結局、
“もろく崩れやすい見せかけの自己肯定感"です。

❤︎自分一人でやったと考える

さらに幼いころに
「周りと比べて偉い」
という褒め方をして育つと、

"自分の成功は自分一人の力でやった"考えるようになり、
傲慢な人間に育ってしまう可能性があります。

大人になったとき
「あいつは自信過剰で不愉快だ」
と周りから疎まれてしまうかもしれません。

❤︎ 好かれる人になるかならないかは、褒め方次第

周りと比べて評価することなく、
その子自身のことを評価しましょう。

本人の過去と今を比べて褒めてあげましょう。

「一週間前は一人で出来なかったけれども、少しだけ出来るようになった」

「一ヶ月前は『おはよう』と言われてから挨拶をしていたけれども、今は自分から挨拶が出来るようになったね」……

❤︎自分は自分でいい

子ども自身にも、
自分の成長を感じることができる褒め方が大切です。

周りに関係なく、
「自分は自分でいい、価値がある」
と思えることは、
人生を切り開く上で大きな力になります。

また、
自分を必要以上に主張することなく、
「自分の成功はみんなのサポートがあったお陰だ」
と素直に考えることができるようになります。
そして、
周りから信頼を得ることが出来るようになります。

❤︎まとめ。褒めすぎて天狗になってもいい

人と比べて褒めていると
自信を失ったり、
傲慢になったり、
見せかけの自己肯定感になってしまいます。

子ども自身の成長を褒めると、
自分の成長を感じ、
自分は価値があると感じ、
他人の価値も認められることができるようになります。

そして、
褒めすぎて、
天狗になっても、
自己肯定感と他人からの信頼性を
高めることができます。


勉強に意味を与える中学受験の問題

2022-02-16 11:44:00 | 日記



こんにちは、学びスタジオ®︎東大阪瓢箪山教室の奧川えつひろです。
ご訪問いただき、ありがとうございます。

今回は、中学受験で、要求されている勉強について書いてみます。

❤︎ケーキを4等分

先日、家内のお誕生日のお祝いに、ホールのケーキを買いました。

家族4人で、同じ大きさに4つに分けます。
そこで、不公正なく4等分するにはどうするか。

"真ん中"を通るように、
縦と横に切り分けることです。

この真ん中が、"円の中心"です。
.
「このケーキの中心がここ」とわかったら、
そこを通ることだけを考えて縦にまっすぐに切ります。

次は横ですね。
これも中心を通ることだけを考えて横に切ります。

❤︎円のポイントは中心

そうです。
"円の命は中心"です。
そもそも円は中心があるから存在します。

円の問題で補助線を引く時には、
中心を意識することが大切です。

❤︎やみくもに線を引いても答はでない

絶対ではありませんが、
やみくもに線をひくのではなく、
"円は中心"という考え方を知っておくことは重要です。

人生と同じですね。
答えが見えないような世の中で、
ものごとの本質を見ないで、
公式をあてはまるだけでいい
なんてことはないのですね。

❤︎円とは何?

「丸」や「真ん丸」では、
円を説明したことになりません。

コンパスを使って
円を描く様子をイメージしてみるとよいでしょう。

円とは、
"ある点から等しい距離にある点の集合"
のことです。

"ある点"のことを円の"中心"と言い、
"等しい距離"のことを円の"半径"と言います。

半径が等しいということは、
円やおうぎ形の問題を考えていく上で
とても大切な要素となります。

半径が等しいなんて当たり前
と思うかもしれませんが、
難しい問題ほど、
大事になってきます。

❤︎円周率とは?

円周率といえば、
"3.14"と機械的に覚えていますね、

厳密には、"22/7"、
小数では、"3.14159265358979…"とどこまでも続いていきます。

これは、計算した結果です。

❤︎大切なのは、結果ではなく意味

大切なのは、その意味です。

円周率の意味は、
"円周が直径の何倍なのか"
を表したものです。

この意味を知っていることで、
いろいろな問題を解く知恵が生まれます。

❤︎中学受験の問題

円を例に取り上げましたが、

中学受験の問題は難しです。
難しいゆえに、
公式の丸暗記、パターンでは解けません。

"なぜ"その公式になるのか
"なぜ"そんなパターンになるのか
その意味がわからないと解けません。

❤︎物事の本質を教えてくれる

逆に言えば、
中学受験の問題は、
"なぜ"を考えさせられます。

つまり、
物事の本質を考える機会を与えてくれるんですね。

これは、中学からの数学の抽象的な内容の理解に
とっても役に立ちます。

❤︎まとめ。勉強に意味を与える中学受験

中学受験の入試問題は、難しいです。

公式を丸暗記するだけの表面的な勉強では、
不十分です。

その公式の意味をしっかり理解しないといけません。

言い換えれば、
中学受験の問題を解くということは、
"暗記という無味乾燥になりがちな勉強から、
それに彩り(意味)を与え、
勉強がおもしろいと感じることができる"
というところまで深く考えさせてくれる機会を与えてくれる
と言えると思います。

難関中学の入試は、なぜ難しい?

2022-02-15 10:49:00 | 日記



こんにちは、学びスタジオ®︎東大阪瓢箪山教室の奧川えつひろです。
ご訪問いただき、ありがとうございます。

今回は、難関中学の入試が何故難しいかについて書きます。

❤︎「さすが有名校」

灘中学校などの”有名進学校”の入試問題は、

「さすが有名な学校だなぁ」
と感心させられます。

一方で、
「なぜ、こんな難しい問題を小学生に解かせるのか」とも思います。

❤︎入試問題、なぜこんなに難しい

有名進学校は、
別に小学生を苦しめるために、
難しい問題を出題するわけではありません。

どういう生徒に来て欲しいか、
という明確なイメージを持っています。

❤︎灘中学校の場合

灘中学校の入試試験は、
2日間行われます。

算数は、
1日目と2日目の両日それぞれにあります。
.
1日目は13題前後の1問1答式、
2日目は逆に大問5問の記述式、

全く違う2種類の算数のテストが実施されます。

❤︎センスと粘り強さ

1日目は、
短時間で勘所を見抜くセンスを問われ、

2日目は、
じっくり丁寧に考える思考力や遂行力が問われます。

要するに灘中は、
センスもあって、
粘り強い思考もできる子ども
つまり、
"理系のエキスパート“を求めています。

子どもたちは、
その”最強”感に憧れて灘中を目指すんですね、

❤︎入学後のカリキュラムに耐えられるために

中学校が
なぜそういう子どもたちを求めるか、

一つは、
進学実績を出すためです。

しかしそれより、
入学後のカリキュラムに大きく関係しています。

これは
灘中学に限った話ではありません。

❤︎中学3年分を、1年間で

いわゆる有名進学校では、
中学1年生の間に
中学の範囲の数学を終わらせてしまいます。

そして、
高校の範囲の学習を4年かけておこないます。
.
つまり、
中学3年間の内容を1年間で駆け足で終らます。

それによって、
高校内容をじっくり学習するために、
時間の余裕を作ります。

❤︎「高校の数学は3年間では理解できない」

中学の数学は得意だったけど、
高校に入ったら数学が全くわからなくなった、
という人は多いと思います。

それは当然の話で、
高校内容の数学はそもそもとても難しいからです。

「3年間学校で習ったくらいで理解できるものではない」
と灘中では考えています。

だからこそ、
有名進学校では可能な限り多くの時間を
高校の数学の学習のために確保します。

❤︎複雑な問題を解き切るか

そして、
そういうカリキュラムを組むために、
中学内容の数学くらいまでは、
すでにある程度身につけていたり、
または、
身につけることができる子どもを求めています。

しかし、
ただ単に”中学内容を先取りしている子ども”がほしいわけではありません。

例えば
1/17ー□/2006=(2/17+17/59)×1/22

この問題は、
左側だけでなく、
右側にも式があります。

この形は、
"方程式"を想定しているわけです。

ただ方程式の解けると言っても、
単純に"x"や"y"が使えるかではなく、
"複雑な方程式を解ききる技術"を持っているか、
を見ています。

❤︎中学受験の目的

小学校の間の勉強は、
子どもにとっては、
「やらされている」
という目的のない勉強になりがちです。

中学受験をすることは、
子どもに、
「〇〇中学に合格したいから頑張るんだ」
という"目標を持って勉強"をさせることになります。

さらに、
実は、
学力の土台を身に着ける最適な時期である
小学生の間に、
しっかりと"学力の土台"を身につけることになるんです。

❤︎まとめ。難関中学の入試は、なぜ難しい?

有名進学私立中学の入試問題が難しいのは、
入学後の学習カリキュラムに耐えることができるか、
ということを試すためです。

だから、
有名進学校の受験は、
合格することだけがではなく、
入学後その学校で行われる授業が理解できる土台を身につけるということです。