不器用な時

　手前のレジは2人並んでいて、隣は1人しかいないけれどカゴの中はたくさんの商品。
　その奥は弁当だけの人。
　その後ろに並ぼう向かいましたが、別の人に先を越されました。
　さっきの2人いたレジが1人になっている。
　そこへ行こうとすると、あ、また先を越された。
　振り返って奥を見ると、おじいさんが1人、いま会計をしている。
　その後ろに並びました。
　「7円？　ちょっと待ってね」
　ショルダーバッグから財布を取り出して、小銭を探すおじいさん。
　もたもたしているおじいさんが悪いんじゃなくて、ぼくの決断力が鈍かっただけで、本当ならもう家に向かって歩いていたかもしれません。