飲みこまれてしまった

　近所に、巨大なドン・キホーテができました。
　もともと同じ場所に、大きなドン・キホーテはありました。
　そこに、敷地を広げた、さらにビッグなドン・キホーテがオープンしたのです。
　ドン・キホーテは、あまりに雑然としていて、ぼくはいつも何も買えません。
　宝探し気分と人は言いますが、ぼくには宝が見つかりません。
　そんな人間に、メガ・ドンキは楽しめるのでしょうか。
　いざ。
　大量商品のマジック、安売りのマジック。
　宝だ。

食べてばかり

　近所の公園には、除草をするヤギが2頭います。
　公園の一隅、柵に囲われた場所の草を食べています。
　近づいて呼んでみます。
　「さくら（名前です）」
　反応がありません。
　腰を下ろし、ゆっくり草を食んでいます。
　「どうだい、今日の草はうまいかい？」
　こちらを見ていますが、何も言いません。むしゃむしゃ草を食んでいます。
　（うめえ〜）
　心の中で自分で応えてみました。

幼い頃のことを思い出してしまう

　りんごをもらいました。
　幼かった頃、具合が悪いときに、母がりんごをすりおろしてくれた。
　そんな記憶がかすかにあります。
　大人になって食べれば、当時の記憶がよみがえるかもしれません。
　美味しそうなりんごです。
　半分に切って、四分の一にして、皮をむいて、ひとくちかじる。
　このまま食べよう。
　

　我慢して、二分の一だけ残してすりました。
　スプーンで食べます。
　あっ。
　子どもの頃が。
　まったく思い出しません。
　
　しょうがないね、この子は。

異常事態、異臭騒ぎ

　オムレツを作ります。
　フライパンにオリーブオイル。
　溶いた卵を流し入れます。
　あっ、換気扇。
　スイッチを入れます。
　卵を菜箸で軽くかき回しながら、形を整えていきます。
　なに？　この匂い。
　シンナーです。
　いま外壁の塗装をしていて、その匂いが換気扇からキッチンへ、なんてことだ、流れ込んできたのだ、換気扇を止めろ！

増えていくもの

　「600円以上お買い上げなので、粗品のプレゼントがあります」
　と言われて見ると、お皿でした。
　いらない。
　断捨離で真っ先に捨てるのは、皿などの食器です。
　無料でもらったものほど、その候補になりやすい。
　いやいや、頑張って食卓の中心になるんだ！
　いやいや、そんな気概のある皿など、無料で配られる奴にいない。
　いやいや、もしかしたら今回は違うかもしれない。
　一瞬の逡巡。
　もらいませんでした。