昔の人を想う

　雪が降るかもしれないという予報です。
　クローゼットからダウンジャケットを出し、ムシューダの覆いを外します。
　あともう少し頑張れば、今季はダウンを出さずに済んだかもしれません。
　でもこれからが寒いのです。
　密閉性のいいジャケットで、腕を通すと少しきつく感じられます。
　少し太ったかな？
　いや、そんなことはない。
　伸縮性のある素材なので、腕を回しても窮屈ではありません。
　チャックを喉元まで上げます。
　上半身に鎧をつけたような気分です。
　でも羽毛なので軽い。
　戦国武将の鎧がこのくらい軽かったら、歴史は違っていたのでしょうか。

ただ保湿のために

　乾燥。
　著しく乾燥しています。
　無言でいても喉が痛くなってくるので、マスクをします。
　家の中だから手作りの布マスクで十分です。
　もらったり買ったりしているうちに、引き出しには布マスクが溢れてきました。
　耳が痛くなるものや、心持ち息苦しいものは自然と使わなくなって、常時使っているマスクは限られてきます。
　布なので、洗って繰り返し使います。
　今日の気分は家紋柄。

すべてが夢の中であれば

　あっという間の一週間でした。
　歳を取ると時間が経つのが早く感じられますが、それが加速しているようです。
　元日ははるか彼方に過ぎ去ってしまいました。
　初詣に行ったのはいつだったろう。
　なるべく混まない時間を考えて神社へ行ったら、あまりに人が少なくて寂しかったことを覚えています。
　その日はどこへも寄らず、まっすぐ家に帰ってきました。
　あれからほとんど外出をしていません。
　緊急事態宣言が出たのはいつだったろう。
　ぼんやりしている間に春がやってこないでしょうか。
　今日はあまりに寒いです。

私の選ぶ道

　新しいお茶の袋をハサミで切って開けました。
　茶筒に入れ、袋を捨てようと素材を確認しました。
　てっきり紙だと思っていたらプラスチックの表示があります。
　表面の手触りは紙のようです。
　紙のようなプラスチック。
　シルクのようなレーヨン。
　和紙のような洋紙。
　肉のような大豆。
　カニのようなカニカマ。
　リアルのようなバーチャル。
　ランチのような朝食。
　セーフなようなアウト。
　その思い込みは本当に正しいのか。
　今年は慎重に生きていきたいと思うのです。

新年会はどこに

　今年最初の燃えるゴミの日。
　いつもより大きな袋の口をぎゅっとしばり、いつもの朝より少し早くゴミ捨て場に持って行きました。
　ネットの中には、すでに大きな山ができています。
　いつもなら近くの塀にカラスが一羽止まっているのですが。
　あたりにカラスの鳴き声さえ聞こえません。
　ここよりも、もっとたくさん出ていて、管理のゆるい場所があるのかもしれません。
　ネットでは覆いきれなくてはみ出した袋を、争って漁っているのだろうか。
　ここがそんなパーティー会場にならなくてよかった。