ジョーン・ジェット(元ザ・ランナウェイズ)が放ったスマッシュヒット「アイ・ラヴ・ロックンロール(I Love Rock 'n' Roll)」を初め聴いたのは、1982年のことだが、元々このロックアンセムとして知られる名曲は、アラン・メリル (Alan Merrill)が在籍したジ・アローズ (The Arrows)が1975年にリリースしたものだ。
ヘヴィ・メタに熱中していたギターキッズの僕には、当時シンプル過ぎて、夢中になった記憶はないが、この曲は色あせることなく時代を超えてロックファンに親しまれていることは間違いない。
そのアラン・メリルを初めて生で見たのが、今はなきマンハッタンのB.B.キングブルースクラブでのライブ。もちろん、同名曲を演奏してくれた。2015年9月19日のことだ。ライブ後は、友人を介して気さくに話をしてくれたが、その縁あって、2015年12月6日、2010年から共同プロデュースしていた東日本大震災支援イベント「j-Summit NY」に、なんとアラン・メリル・バンドが出演してくれた。
その後も、2017年8月6日にも同イベントが老舗ビターエンド(The Bitter End)で開催された際にも出演してくれた。
あのライブから、2年7ヶ月。つい昨日のことだが、現在、世界中で猛威を振るう新型コロナウィルスが彼の命を奪っていった。69歳という若さである。
3分のロックソング『I Love Rock 'n' Roll』。人間の一生に比べれば、一瞬の時間だが、この名曲によって数えきれないほどの人々に、喜びと希望、そして生命力を与えてくれたと思う。彼が愛したロックンロールを、彼と共に同じ時間と空間の中で共有できたことに心から感謝して止まない。
アラン・メリル氏のご冥福を心からお祈りいたします。