ゼロからのレコードレーベル

アメリカで日本人がゼロからスタートしたインディー・レーベル。純粋に音楽の楽しさを追求するレーベルの将来はいかに!?

ok|ok

2009-03-14 15:09:26 | 音楽
1月に日本でジョージペティトのアルバムを
リリースする際に、他社レーベルのアルバムを
初めての試みで紹介させてもらう機会を得た。

NYを拠点に活動している「ok|ok」が2008年に発表した
「Eating Mantis」である。(写真の一番上のアルバム)
ちなみに、レーベルは故ジョン・コルトレーンの息子の
ラヴィ・コルトレーンが運営するRKMミュージック

音楽は即興ジャズなのだが、この「即興」が良い感じで
アルバムに瑞々しさを与え、何度聞いても飽きさせない。
もちろん全てが即興演奏ではなく、前もって準備された
テーマやリフがあり、その上でのものなのだが
これはメンバーの優れた演奏力なくしてはできないこと。

特にトニー・モレノのドラミングは躍動感溢れ素晴らしいの一言。
さらに、特筆すべきは北村京子のボーカルである。
以前はフジテレビの報道記者、今は自称「ママさん即興ボーカリスト」と
いうユニークな経歴、肩書きを持つ彼女だが、
英語と日本語を完璧に操る確かな言語力も手伝って
言語が持つ特有なサウンドをフル活用した
広がりや深みのあるボーカル世界を披露している。

そんな彼女の魅力が如実に現われているのが、
アルバムの3曲目に収録されている「kocchiisthis」だろう。
「こっち is this、あっち is that...」。
二カ国語の簡単な言葉を組み合わせ
音符の長さ、リズムを自由奔放に操っては
スリリングな緊張感を生み出している。
ok|okの真骨頂とも言える圧巻のトラックである。

個人的には、近未来のポップソングの正しい在り方とでも言えそうな
9曲目の「Blazen」が非常に興味深いが、
地獄絵図を見ているかのような5曲目の「Underworld」も
イマジネーションを掻き立ててくれる秀逸のナンバーである。

ok|okの音楽は、誰もが気軽に聞けるものとは決して言えないが
音楽ファンには、是非とも聞いて欲しいアルバム。
(J-WAVEの”Radio Sakamoto”では、坂本龍一氏も絶賛)

最後になったが、北村京子さんは、ボーカリストとしての素晴らしさに加え、
人間的にもとても素敵な方である。彼女のような個性的なアーティストは
自社、他社レーベル云々抜きで応援していきたい。

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