おじさん山伏です

修験道の修行から見た心の散歩です。
アイヌのアシリ・レラさんからの命名です。
「キムン・マタギ」になりました。

国宝仮面の土偶に逢いました。

2017-08-02 | 日記

尖石縄文考古館の宝物で国宝の仮面の土偶と縄文のビ-ナスは

同じ部屋に展示さrています。

展示では、四方から眺めることが出来ます。

驚きました!どこから見てもバランスのとれた美しさを持っています。

 

後ろ姿です。背中に書かれた文様を見てください。

作者のこの土偶にかけた情熱が伝わってきます。

僕が、清水義久さんの言われた手かざしをしてみました。

1分もしないうちに指に第二関節から先がじんじんしてきました。

土偶は、僕に何かを語りかけています。

何だか知れませんが胸が熱くなりました。

 

 

 

 

 

歴史発掘3 縄文の土偶(藤沼邦彦)には次のように書かれています。

また、後期の長野県辰野町や山梨県後田遺跡で出土した土偶も、

仮面をかぶったものといわれている。

二つとも中空土偶で、やや上向きの平板な顔面を

前に突き出している格好は、いかにも仮面をつけたように見える。

しかし、これらの土偶は、平板な顔を前方に突き出した

ハート形土偶の系譜をひいているために、

こうした表現方法をとったのだろう。

もし、こうした土偶を仮面をつけた土偶とするなら、

ハート形土偶の仲間は、すべて仮面をかぶっていることになる。

しかし、ハート形土偶の平板な顔面は、中期の土偶のうち、

顎の輪郭を強調した顔面が、どんどん前方に突き出る方向をたどった

結果生まれたものであり、仮面をかぶった土偶ということはできない。

 また、仮面をつけた土偶は、祭りのときに仮面をか

ぶったシャーマンを表現したものだといわれる。

しかし、仮面をかぶったシャーマンが、なぜ土偶と。

いう形で登場しなければならないのだろうか。

その必然性について説明されたことは、あまりない。」と。

同じ展示室にお皿の土器が展示されている。

これらはすべて国宝。

大分前ですが、古代の地震のことを調べていたとき

横浜の釜利谷遺跡でお椀を伏せて祈った土器のことを思い出しました。

それと同じことが書かれていました。

 

両側2つ、中央4つの丸い穴。突起の姿。

これだけで縄文人の美的感覚が伝わってきませんか。

理屈なんかどうでも良いのではと思わづにいられません。

素敵ではないですか。

心に響いてくるものがあります。

他の展示室に似たような詳細な部分の作品が沢山あります。

それらを見ていると縄文人が何を考えているのかが伝わってきます。

 

 

 

 

人の顔に見えてきます。

 

 

こんな突起を付けたらどんなにか使いずらいか。

縄文人の心豊かさを感じさせてくれます。

大島直行先生の「月と蛇と縄文人」のp245につぎにのように書かれています。

月は、その運行周期の同一性から女性と同格に位置づけられ、子宮あるいは女性器になぞらえられました。そして、人間だけでなく、生きるもののすべてが月の水によって生かされるのでありその水を月からもたらすのが蛇だと考えられました。そして蛇は、形などから男根になぞらえられたのです。月孚言と蛇(男根)は、「死なないもの=再生」の象徴の中核に置かれ、それにまつわるさまざまな事象とも関連づけられています。一つの体系をなしているのです。

 象徴の体系  これまでに私か明らかにしてきた縄文人の「死と再生」にまつわるさまざまなシンボル(象徴)は、第Ⅱ章で図(104頁「縄文の神話的世界観」)に示したとおりです。月と蛇につながるシンボル体系は、蛙、猪、鮫、貝、扇、熊、鯨です。いずれも脱皮や冬眠(蛇・蛙・熊)、息継ぎ(鯨)、交換歯列(鮫)、三日月状の牙(猪)が再生・甦りを象徴する根拠と考えられてきました。

 また、色や数も象徴的に扱われます。これもすでに第Ⅱ章で述べましたが、石斧や石棒が単に蛇を象徴しているだけではなく、それらの石材に緑色の石が使われるのは「緑」という色が樹木の再生の象徴だからです。漆塗りの櫛に赤色が使われるのは「赤」が血の色として再生・甦りを象徴しているのだと思います。また、ナウマンやヘンツェが指摘するように、数字の「三」は月の相(三日月と新月前後の闇の日数)を象徴しています。つまりシンボライズはものだけでなく、色や数にも及んでいるのです。

興味をそそられる論文です。

前に書きましたが葉の上の露に月からもたらせれていると感じました。

そう思うと楽しくなりませんか。

 

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

コメント
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