4 プリン
「答えよ、そちは大きく育ちすぎた小人か」
「ち、違います。女王様、僕は男の子です。」
「男の子とな、ではアダムの息子か、」
女のひとは席を立ってぴたりとエドマンドを見据えました。その目はかっと燃えました。そして同時に杖を振りました。エドマンドは何かおそろしいことが起こると思って身動きもできません。もうこれまでと観念した瞬間、女のひとは気持ちを変えたようでした。
「おお、かわいそうに!」と女の人はがらりとちがう声音で、「まあ寒そうだこと!こちらへ来てそこにお座り。そうすれば、そちの体にこのマントをかけてとらそう。すこし話をしようではないか。」
まあ、おいしいものでも食べながら話そうではないか、と言いながら、女王は小瓶をとりだしました。
それを傾けて、一滴を雪の上にたらすと、雪はシューと煙を噴き上げて、なかからどっさりとプリンが現れました。
エドマンドは一口食べると、今までに無いぐらい甘くておいしいので、二口食べるともっとおいしくかんじました。それで次々に夢中で食べました。
そうしてる間に女王は矢継ぎ早に質問しました。
エドマンドは食べることであたまがいっぱいで、聞かれるままに答えました。
空き部屋のたんすを通ってここに来たこと、
自分には兄と姉と妹がいること、
妹のルーシィがここに来たことがあること、
そしてタムナスというフォーンに会ったらしいこと・・・
女王は4人兄弟というところに特に気がひかれたようで、何度もエドマンドに念を押しました。
エドマンドはプリンを全部食べてしまって、物欲しげな顔で女王を見ています。
女王は、今度そちの兄と姉と妹をつれてまいれ、そうすれば、もっと多くのプリンをやろう、それどころか、わが王子にして、ゆくゆくは王にしてやろう、と言いました。
「わが館はあの二つの山のあいだじゃ。ではこんどきたら、あの街灯を見つけ、二つの山をさがしもとめて、森をつきぬけてくるがよい。そうすれば、わが館にいたるぞ。だが、こころせよ、かならず兄弟と一緒でなければならぬ。一人でくれば、わがきつい怒りをまねくこと、うたがいないぞ。」
「つれてこられます。」
「ついでにもうすと、わらわのこと、兄弟たちに話す出ないぞ。そちとわらわの秘密にしておいたほうが、おもしろくないか?おどろかしてやろうぞ。あの二つの山へつれてくるだけのこと、そちのようにいこうな子ならたやすく口実がつくれるだろう。」
そういうと、女王は小人に合図して、トナカイを走らせ、去っていきました。
エドマンドはなばねばの口と赤くほてった目で去った方向をぼうっと見ていると、後ろから「あら、エドマンド」と呼ぶ声がしました。
ルーシィはうきうきした様子で、わたしはタムナスさんのところへお呼ばれしてたの、あなたも来てくれて嬉しいわ、と言いました。
二人は衣装だんすから屋敷に戻ってきました。
「それじゃ、あっちへ行ってみんなをさがしましょう。お話することがやまほどあるわ。それにこれからみんなして、どんな不思議な冒険をすることになるんでしょうね。」
「答えよ、そちは大きく育ちすぎた小人か」
「ち、違います。女王様、僕は男の子です。」
「男の子とな、ではアダムの息子か、」
女のひとは席を立ってぴたりとエドマンドを見据えました。その目はかっと燃えました。そして同時に杖を振りました。エドマンドは何かおそろしいことが起こると思って身動きもできません。もうこれまでと観念した瞬間、女のひとは気持ちを変えたようでした。
「おお、かわいそうに!」と女の人はがらりとちがう声音で、「まあ寒そうだこと!こちらへ来てそこにお座り。そうすれば、そちの体にこのマントをかけてとらそう。すこし話をしようではないか。」
まあ、おいしいものでも食べながら話そうではないか、と言いながら、女王は小瓶をとりだしました。
それを傾けて、一滴を雪の上にたらすと、雪はシューと煙を噴き上げて、なかからどっさりとプリンが現れました。
エドマンドは一口食べると、今までに無いぐらい甘くておいしいので、二口食べるともっとおいしくかんじました。それで次々に夢中で食べました。
そうしてる間に女王は矢継ぎ早に質問しました。
エドマンドは食べることであたまがいっぱいで、聞かれるままに答えました。
空き部屋のたんすを通ってここに来たこと、
自分には兄と姉と妹がいること、
妹のルーシィがここに来たことがあること、
そしてタムナスというフォーンに会ったらしいこと・・・
女王は4人兄弟というところに特に気がひかれたようで、何度もエドマンドに念を押しました。
エドマンドはプリンを全部食べてしまって、物欲しげな顔で女王を見ています。
女王は、今度そちの兄と姉と妹をつれてまいれ、そうすれば、もっと多くのプリンをやろう、それどころか、わが王子にして、ゆくゆくは王にしてやろう、と言いました。
「わが館はあの二つの山のあいだじゃ。ではこんどきたら、あの街灯を見つけ、二つの山をさがしもとめて、森をつきぬけてくるがよい。そうすれば、わが館にいたるぞ。だが、こころせよ、かならず兄弟と一緒でなければならぬ。一人でくれば、わがきつい怒りをまねくこと、うたがいないぞ。」
「つれてこられます。」
「ついでにもうすと、わらわのこと、兄弟たちに話す出ないぞ。そちとわらわの秘密にしておいたほうが、おもしろくないか?おどろかしてやろうぞ。あの二つの山へつれてくるだけのこと、そちのようにいこうな子ならたやすく口実がつくれるだろう。」
そういうと、女王は小人に合図して、トナカイを走らせ、去っていきました。
エドマンドはなばねばの口と赤くほてった目で去った方向をぼうっと見ていると、後ろから「あら、エドマンド」と呼ぶ声がしました。
ルーシィはうきうきした様子で、わたしはタムナスさんのところへお呼ばれしてたの、あなたも来てくれて嬉しいわ、と言いました。
二人は衣装だんすから屋敷に戻ってきました。
「それじゃ、あっちへ行ってみんなをさがしましょう。お話することがやまほどあるわ。それにこれからみんなして、どんな不思議な冒険をすることになるんでしょうね。」
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