いつもブログを読んでくださり、誠にありがとうございます。起業した方から、どの税金をいつ、いくら払うのかというご相談を受けることがあります。そこで、会社設立後に納める税金の概要と、節税のしかたをご紹介したいと思います。
会社設立後に納める税金
・消費税
会社設立後しばらくの間、もっともはらうことになる税金かと思います。会社設立後、多くの会社は、2年間は免税ですが、3年目になると、計算方式が2つに分かれます。消費税の計算方式を選択するには、所定の手続きが必要です。提出書類が出されていないと不利な計算がなされることもあります。消費税に関しては、2年間の免税期間がある場合、決算が訪れるごとに税理士と相談するのが、よいと思います。会社が赤字でも消費税は納める場合もありますので、消費税がかかることが分かり次第、税額の試算をし、定期積金を新たに積み立てることも有効です。
・法人税
法人の所得に課される税金です。法人税率は、資本金1億円以下の中小法人の場合、年800万円以下の所得と、800万円超の所得で税率が異なります。法人税税率と比較してほしいのは、役員報酬をとった場合の所得税率です。所得税率が法人税率より高い場合、役員報酬を抑えると、税率の差に応じて、会社にお金を残すこともできます。逆に所得税率が法人税率より低い場合、役員報酬をあげることを検討してもよいかもしれません。
・地方法人税、地方法人特別税
どちらも自治体の財政力の格差を是正するためのものです。名称が紛らわしいですが、実務でも気に留める人はほとんどいません。
・都道府県民税(法人税割、均等割、事業税)市町村民税(法人税割、均等割)
法人税割や事業税は法人の所得に対応しますが、均等割は、資本金や従業員など会社の規模に対応し、赤字でも納めることになります。
・固定資産税
土地や家屋にかかる税金です。不動産を賃貸している会社の場合、消費税よりも固定資産税のほうが、資金繰りにあたえる影響は多いです。
・印紙税
税務調査の際、法人税や消費税の申告漏れとセットで指摘されることがあります。税務調査の盲点となりがちですので、印紙が貼っていない契約書は注意です。
・自動車税
実務上、個人で乗っている車の自動車税を会社の経費としている会社もありました。金額は大きくないと思いますが、節度は保ちたいところです。
・源泉所得税、特別徴収による個人住民税
従業員10人未満なら1月~6月は7/10、7月~12月は1/20、といった半年ごとの納期の特例があります。特別徴収による個人住民税とともに、経理上は、会社から預かったことになりますが、預かっているという実感をもっている人はいません。これらの税金の納付は、社会保険料の納付とともに、結構、煩雑な思いをさせるようです。
節税のしかた
倒産防止共済をはじめ、各種保険商品を購入したり、30万円未満のパソコン等を買って一発で経費にしたり、法人の利益を役員報酬に付け替えたり、といろいろなことはできますが、一番いいのは、帳簿をしっかり管理することです。起業したばかりのかたのなかには、現金出納帳をつけておらず、現金管理ができていないかたもいます。現金管理をしっかりして、領収書もそろえて、計画的に税金の支払いをすれば、延滞税といった無駄な税金を納めなくてよくなりますし、経費の拾いもれも少なくなります。
そうはいっても
そうはいっても、現場で忙しくて現金の管理などするゆとりがないかたもいると思います。そうしたかたは、まずは会計事務所に、税金のシュミレーションをしてもらい、納税予定表を作成してもらうといいでしょう。まずは、その予定表をもとに、お金の流れを会計事務所とともに整理するのが、節税の近道です。
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