SLEDGE HAMMER

いやいや…
先日、何気なくミステリーチャンネルを見ていたら、懐かしい『俺がハマーだ！』が放送されているではありませんか！

これ、20年近く前に（こちらでは）深夜に放送されていましたよ。一見、「普通の刑事ドラマ」かと思ったら、とんでもないおバカな展開になって、めちゃくちゃツボでした。ま、このドラマとの出会いがその後の人生を変えてしまったと言ってもいいくらいです（？）

これは30分の刑事ものコメディで、主役のハマーを演じるのはデヴィッド・ラッシュ。調べてみると、最近も映画やTVドラマに頻繁に出演しておられるんですね。とにかく、南部出身のラッシュ氏は金髪で透き通るような青い目、なんとなくNFL（全米銃協会）の理事であってもいいような風貌（こういう表現は、ホントは、不適切なんですが、そこんところはお許しを）毎晩寝る前にはアメリカ国歌を聴く。そして、何より愛しているマギーと名付けた銃とベッドイン。もうマギーちゃんがいないと何もできない。銃依存症と呼んでもいいキャラなんですわ。

それでもって、ホントは女性差別主義者でもあり、レイシストでもあるんでしょうけど…その辺はあまり露骨には描かれていない。おそらく、そういう素質もありそう…でとどめられている感じ。

それでもって、捜査も200パーセント銃頼み（！）もうハチャメチャなんですよ。
ビルの屋上にテロリストが立てこもっているって？…よし、一般市民を全てビルから避難させろ！…で、最後はバズーカ砲でビルごとぶち壊す、みたいな～

ハマーのあまりに暴力的な仕事ぶりに上司も同僚も頭を痛めているんですが、ハマーは全く空気が読めてない。
「ねぇ、ハマー。ロンドンでは銃は禁止されているのよ」
「そりゃ、霧で標的が霞むからだろ」みたいな…

でも、暴力描写に厳しいアメリカのTV番組だから、ハマーの発砲で死ぬ人は、基本的には、いないんですよ。ただ、発砲を見てびっくりした人がショック死したとか、近くのビルの窓ふきをしていた人が銃声に驚いて落ちたとか…そういうエピソードが挟まれたりするわけで…

ただ、ドラマとしては、しっかり低予算のB級テイストだし、ギャグも可笑しいけど「一ひねり」しかないし（笑）

それと、これ…今の時代に見るとちょっと笑えないですよ。「まずいでしょ、コレ」みたいな…一人の変人刑事をネタにしながら、アメリカの暴力性を徹底的に皮肉っていますし。
湾岸戦争前だったから良かったようなもの～

あと、『俺がハマーだ！』で忘れてはならないのは、羽佐間道夫さんの名調子！そう「名調子」と呼ぶのがぴったりな吹き替え。放送当時はまだ2カ国語放送じゃなかったし（少なくともうちのTVは）今、チェックしてみると、オリジナルは普通の話し方をしているんだけど、もう吹き替え版は最初っから「コメディでございま～すっ！」って感じで飛ばすわ、飛ばすわ!!

翻訳台本もあんまりオリジナルに忠実ではなかったらしい。まぁ、それが許されたってことなのでしょう。で、オリジナル以上に面白くなって、日本で「大化け」してしまったのでした。

今も、日本のお笑い芸人が「ビバリーヒルズ」のキャラのパロディで人気を博したりしているようなもので、海外ドラマ吹き替えの、ちょっと度の過ぎた部分を徹底的にデフォルメして面白がるのというのは、今も昔も一つのコミックのカテゴリーとして存在していたんですよね。ですから、これはこれで「アリ」だと思います。

で、『俺がハマーだ！』DVD Boxセットが出ているらしい。
でも値段高い…

レンタルにしようっと