「ジャージー契約」をめぐって
シアター・クリエで観たのは、かなり前の話になるんですが(笑)…ここも途中になってしまっていました。
さて、前の記事では「次回はジャージー契約をめぐって」だと「告知」していますが…
はてさて…何を書くつもりだったのか(汗)……
んん~…
ああ~、何とか思い出しましたよ(笑)
三連続ヒットの後、ボブ・ゴーディオは、フランキーに、グループを離れてパートナーシップを組もうと提案します。ここは非常に重要なシーンで、ここでも何度も取り上げています。
このときのボブの思いというのは…フォーシーズンズは音楽シーンに輝かしい足跡を残すことに成功はしたものの、彼らそのもののうちには、「ニュー・ジャージー」という独特の世界のルールをまだ引きずっているようなところがあって、そこをきっちり断ち切って、本当の意味での成功を手にしたかったということと、彼は10代で全米2位のヒット曲を生み出したものの、それは一発屋に終わってしまった…という苦い経験があり、今度はもっと将来を見据えていきたいと強く思っていたのでもあると思います。
BW版では、このシーンはドラムセットの前で演じられます。個々が非常に重要なわけですが…
映画版では、リビングルームになっていて、まぁ、スクリーンに持ってくるには、これはこういう解釈もありだったのかもしれませんが、日本版が映画と同じような感じだったのは、ちょっと残念でした。
とにかく、日本では「ジャージー・ボーイズ」と言えば、やはり映画版から入った人の方が多いのは事実なのでしょうが…日本版を観ていると、「映画をベースにしていますか??」と思えてしまうような部分も見受けられて…まぁ、ちょっと複雑でしたね(苦笑)
さて、BW版は、この重要なシーンがドラムセットの前でこのシーンが演じられるということについてですが…
思えば、オリジナルのフォーシーズンズのメンバーには「ドラム担当」という人はいないのです。ですから、ドラムセットからは、誰か特定のメンバーを想起されるということはありません。ただ、ドラムというのは、サウンドの土台を作り上げるものでありますし、非常に重要なものの象徴であるには違いありません。
前の記事でも書いていますが、BW演出は舞台演出そのものに「全知の視点」が仕込まれているのですが、特にここはそれが如実に表れていると言えるでしょう。
このシーンは、ドラムセットが「見ている」のです。そこで彼らは、二人の夢につながるだけでなく、もしかしたらグループの分裂を生みかねないような契約を結んでしまいます。
このシーンも、BWでは様式に則って、一つの儀式のように淡々と演じられます。BWではアドリブ/ハプニングの類は一切ないので、日本版におけるアドリブがちょっと違和感だった…ということも先に書いていますが…実際、日本版では、このシーンにおいても、フランキー役とボブ役の小気味よい掛け合いを楽しんだ…いう声をいくつも目にしました。
いずれにしても、BW演出のこのシーンは、深い業を背負って生きねばならない人間の姿が示され、やがて彼らは人間の力が及ばないような大きな渦の中に投げ込まれるであろう…という予感を観客に投げかけるものです。
「日本版は日本独自の解釈で上演されているのだから」
まぁ、そう言われてしまうと何も言えないんですが(笑)
再演でも、このシーンは、やはり初演での解釈と同じになるのかな…
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Elaine's
はる
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