今年の4月、映画Brokeback Mountainに感動して、ネットでいろいろ情報を集めているときに出会ったのが「腐女子」ということばでした。んん…私もこれなのか???…なんて、ちょっと慌てふためきましたね(笑)
ただ、この本は腐女子と呼ばれる人たちの精神構造を分析してあるものではなく、腐女子と呼ばれる人たちをひとつの「象徴」と捉えているにすぎず、そういう人たちから見える現代の社会(格差社会と女性)を考察してみようとするもの。だから、あんまり生々しい(?)腐女子の生態(…ってものがあるとすれば、ですが)は描かれていない。
ま、私としては、分かるような分からないような…。
ちょっと肩透かしだったかも。
自分について言えば、私は典型的な「オタク体質」だと思うし(このblogを見ていただければ分かると思いますが…苦笑)、腐女子傾向もあるんでは…なんて自覚しているのですよね。
オタク体質とは「自分自身にあまり興味がなく、その時の趣味に一喜一憂して暮らす」人たちなのだそうで(香山リカ氏の著書から)、今の時代は、社会の変化の中で「自分探し」に疲れた女性たちがオタク化しているのだという。
自分のことで思い出すのは、私は両親とも兄弟姉妹が多く、従って叔父さん・叔母さんが多かった。年に数回の親戚の集まりに行くと、数十人の親族がそれぞれの近況報告や、それに付随する世間話に忙しい。私はそういう集まりは嫌いではなかったけれど、なんか居心地も悪かった。ま、自慢できるような話題もなかったしね。
それで、そういう集まりに行くと、周囲の「世間話」と「自分」との間にバリアを作ってしまって、その時々で夢中になっていた小説、映画、音楽、TVなどのことばかり考えて過ごしていましたね。コテコテの田舎の親戚の集まりにいても、自分だけが現実と乖離した世界で遊んでいるのがちょっと快感でした。
そういう傾向は成人してからも続いていたかも。苦手な町内会とかPTAとかの集まりでも同様でしたね。(ちょっとアブナイ)
ただ、腐女子というのは「男性同士の恋愛」に萌える女子を指す意味が大きいので、このあたりはどうなんでしょ?現実逃避をしたがる人がすべてここへ到達するわけじゃないと思うんですけどね。でもまぁ、同性愛モノのほうがより多くの「妄想の余地」を与えてくれるだろうとは思う。
BLというジャンルの小説やコミックは読んだこともないので、どういうものなのかは分からないんですが、私に関して言えば、例えば、宝塚などもまあまあ好きだったし、24年組と言われる漫画家の作品も結構読んだ。(でも、T宮K子氏やA池Y子氏はついていけそうになかったので読んでません。萩尾モト氏、大島ユミコ氏、池田理代子氏ぐらいです。)ちょっとした倒錯の世界は面白く感じましたよ。でも、人によっては、「そういうのはとっても苦手!」と宣言していた人もいました。
大島ユミコの「バナナブレッドのプディング」という漫画の中で、ちょっと変わった主人公の女の子が「理想の男性像」は「世間に後ろめたさを感じながら生きている男色家。私はその人の力になりたい。」と言っていた。これって、完全に「女性性の拒否」みたいなものですよね。腐女子っていうのもそういうイメージがあったんですけど、本書ではそれは全面的に否定されているんです。腐女子を自認するBL系のファンの女性は「美しく」「女性としての魅力に溢れていて」「男性からの誘いも多い」人たちであることが必要以上に強調されている。(そうなんですか)
私が、自分は「腐女子傾向があるかも…」と思うのは、まぁ、女性だけの集団にいた期間が長かったことも影響しているかもしれないけれど(昔の話です)、過剰な男性性はちょっと苦手なところがあると認めてるからです~。
例えば、シンガーでも渋く男性的な声で歌われるものには食指が動かなくて、どっちかというと声の高い男が好き(笑)。男性に圧倒的な人気があるY沢E吉氏やN渕T氏は、今ひとつどこが魅力なのかわかりません(スイマセン)。現在、お祭り中のBilly Joelも10年ぐらい前は、いくら髪の毛があっても(笑)、なんか脂ぎってて(?)ちょっと引いていた。今みたいに年を重ねて「枯れた」感じになったら、再び愛情が湧きましたね。ハハハ。(私は「枯れた」男性が好きなのか??いや、あの人は娘ほどの女性と再婚したから枯れてるわけがないですね…すいません、ハイ)
(なんか、メチャクチャな話になってますな。)
いずれにしても、本書はそういう腐女子的心理の内面にはまったくタッチしていません。
あとは、本書で言及されている社会格差についてですが、この本はあくまでも都市部の30代ぐらいまでの女性を調査対象にしてあるので、ちょっと現実問題として感じられない部分が大きかったです。
腐女子化は格差社会を生き抜く女性の知恵なのだと述べられているんですがね…どうなんでしょう?確かに、「私たちは腐ってるんでーす!」なんて自嘲的に言えるのも、ある程度覚醒しているからだと思うけれど。
だいたい、田舎にいたら「格差」なんて感じることもない。何らかの不満があったとしても、それは格差社会のせい…なんて自覚することもないんじゃないかな?大多数の女性は、むしろこういう環境にいるのではないでしょうか。
これからの高齢化社会の中では、厳しい割には報酬が少なく社会的地位も低い職種に多くの従順な人材が必要になる。本書の中では、小学校の産休代替教諭の例を挙げて、少子化対策は就労格差のうえで成立しているに過ぎないことに言及してありましたが。私は、ずっと昔から、社会サービスの拡充というのは就労格差がないと成立しないのではないかと感じています。それしか方法がないのか?それが果たして正しい事なのか、そのあたりは分かりませんが。
本の中でも触れられていたけれど、特に女性は所属すべき世界にあたりまえに所属させられいるだけ。何の疑問も持たずにね。というか、疑問を持たないようにさせられて…。そういう仕組みが社会には存在していると思う。特に選択肢の少ない田舎では。「格差なんてないんだよ~」と目隠しをされても、本人たちは気付いてもいない。
田舎のオバサンは「腐女子化」する必要もないんじゃない?
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