原口摩純(Masumi HARAGUCHI) ブログ

ピアニスト原口摩純のオフィシャルなブログです。プロフィール、コンサート情報、CD情報、レッスン、日記が掲示されています。

天才

2006-11-20 | 原口摩純日記
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モーツァルト・シリーズもついに終了しました。
このシリ-ズを振り返り、ソロ曲は変奏曲、ソナタ、ファンタジー、ロンドと彼の主だったほとんどのピアノ曲のスタイルを弾き、ヴァイオリン・ソナタを弾き、コンチェルトを弾きました。
今までこのようにモーツァルトをまとめて弾いたことがなかったのですが、終わってみて、私のなかに音楽のより純粋な姿、ありかた、ピアノにおける表現、音の表情、演奏解釈の意味・・様々なことで新しい『境地』を得ることができました。
モーツァルトは天才です。
そしてそれを演奏する人間は“天才”というものが理解でき再現できなければいけない。


おいでくださったお客様(本当に何度もおいでくださったお客様もいらっしゃって涙が出るほど嬉しかったです)、私の「応援会」の方、共演者の方々、私の要求を笑顔でこたえてくださりお客様に最高のおもてなしをしてくださったホテルのスタッフ、そしてサロン・コンサートを私に自由にさせてくださいましたホテルプリシードの白木総支配人に深く感謝いたします。

打鍵の速度

2006-11-15 | 原口摩純日記
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モーツァルトのコンチェルトを弾いていて、アシュケナージやブレンデルの演奏速度の速さに驚きました。大家だからこんなに早く弾けるのか。いや、速度だけの問題ならば芸術性とは関係ないはずだ。といろいろ研究。打鍵よりも離鍵(鍵盤から指を離す事)をより速くすること。つまり鍵盤での滞在時間をより短くすることが大切、とわかりきったことをもう一度やり直しました。そこで大切なのは響き。コンサート会場で聞くような響きを出そうと響かない部屋で弾くと本能的に鍵盤を奥まで長く押してしまう。しかし響きのある部屋だと0:03秒くらい短くしても粒がきちんとたってくる。長い間「わかっちゃいるけどできなかった」ことが解決していく。ヨーロッパにいるときはもっと響く部屋にいて無理なく弾いていたのに、帰国してから沼にはまりこんだように苦しんでいたことが、糸がほぐれるように間隔が戻ってくる。響きのあるピアノ室の大切さを再び実感しました。
そして演奏速度は・・・。
速度だけならばアシュケナージやブレンデルを越えられます。テクニックの練習を正しくすれば。
後の問題はたくさんありますけどネ・・・。

深夜のお仕事

2006-11-03 | 原口摩純日記
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子供の幼稚園選びもようやく終わり、ふと気づくとモーツァルト・シリーズ最終回まであと3週間。今回はコンチェルトの演奏だけでなくオーケストラの譜面を弦楽四重奏に編曲するという大変な仕事もあったのでした。普段コンチエルトを演奏する場合はピアノの楽譜は夢に出てくるくらい熟知するわけですが、オーケストラ譜はスコアを見るくらい。でも編曲となるとしっかりスコアを読み込んでいかないといけません。「お受験」騒ぎで飛んでいた頭が正気に戻り、また、モーツァルトに向き合い始めました。
睡眠時間4時間、夜中の3時くらいから編曲を始めます。
ピアノの練習と同じようにしーんとした中で編曲することがほとんどですが、全く関係のない音があった方が集中できる場合もあり、深夜番組をつけて作業を開始。めったにテレビを見ないので、深夜番組は結構おもしろい。テレビ・ショッピングで「へぇ~便利なものがあるんだなぁ」と関心したり、「苦労物語」みたいな番組を作業をしながら耳に入れ、モーツァルトが「苦労と涙の物語の曲」みたいに思えてきたり・・・。そして4時になればテレビアナウンサーから「おはようございます」の声が聞かれ、「ああ・・今日も始まる」と新鮮な気持ちになります。
さぁ、がんばらなくっちゃ。