釣りネタから入った地下足袋の話も2足目でサッカーネタとなりいよいよ3足目です。
地下足袋は足袋にゴム底を縫い付けることでそのまま外履きとして使えるように改良されたものです。
足袋はその形状から鼻緒のある履物、下駄や草履を履くことを前提に作られているのですが、なぜ日本では鼻緒のある履物が普及したのでしょうか?
単に足を守るだけであれば先丸状のほうが簡単に作成できるわけだし足全体が覆われるので安全度が高いはずで、アイヌの人たちが履いていた鮭の皮で作った靴も先丸ですし雪国で使われていた深靴も先丸です。
足を保護するには何かでくるまなければなりません。その素材で最も身近なのは狩猟や漁で捕った獲物の皮だったでしょう。これで足をくるんで足首あたりで紐でくくれば足を保護できます。これが靴の起源です。
そして素材や形状を変えながら閉塞的な靴と開放的なサンダルへと分化していきます。
閉塞的な靴は足をすっぽりと覆うようになっているため簡単には脱げませんし、足がしっかりと保護されますが、靴の内部は蒸れに悩まされます。これは湿潤な気候の日本では都合が悪かったのかもしれません。
一方開放的なサンダルは簡単に脱げてしまうという欠点はあるものの、足が蒸れないという利点があります。
どうやったら開放感を保ちつつ脱げ難い物となるかを考え抜いた末に行き着いたのが鼻緒という構造を持った開放的なサンダルだったのでしょう。
鼻緒は日本の季候と風土によって生み出された大発明だったのです。
そして足全体の保護と鼻緒の付いた履物を履くことを両立させるべく考え出されたのが足袋です。
しかしこう考えていくと、鼻緒の付いた履物を履くわけでもない地下足袋がなぜ先割れなのか疑問が残ります。
おそらく地下足袋といえどもオプションで草鞋を重ね履きする場合も有るでしょうし、経験的に足袋の内部を親指と人差し指で挟みこむことで足袋と足のずれが防がれて都合がいいというのがあったんでしょうね。
アユ足袋にいたっては、草鞋を重ねるなどのオプション不要のフェルト底となった現在でも未だに先割れ型が圧倒的に支持されています。
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