バスの車中から。
横浜市の滝頭(たきがしら)発横浜駅行きのバスの中で、滝頭で乗って直ぐの写真です。
写真の窓の右下の方に川の一部が見えますが、これは掘割川と言う川で、調べてみると明治時代に掘られた水路との事。
滝頭はと言う名から『滝』が有る場所とか『頭』で丘陵や山と予想し、内陸部を想像していました。
実際は
「川沿いにもう少し行くと海」
と言う場所で、道の先に見える高速道路の先は海なんだよね。
想像と違ったなぁ。
で、何で滝頭に行ったかと言うと、滝頭に行くつもりは無かったんです。
12日は母の1周忌で、ユキさんとお墓に行ったのだけれど、その際に行くつもりの無い滝頭に行ったと言う事…。
さて、その顛末を此処で述べるので、笑うもよし、反面教師にして戴くのもよし、まぁ、気楽に、読んでいただければよいかと・・・。
【1】最初の失敗
12日(土)、13日(日)は私もユキさんもお休み。
仏壇が有り、位牌が有る実家に行っても良いのだけれど、
「父は体調が悪いので、お墓には行かないだろう」
と言う事で、
「我々はお墓に行こう」
と前々から話し合っていました。
当日の朝に目が覚めると、ユキさんが洗濯機を回している音が。
「天気が良いから、出掛ける前に洗濯をして干していこう」
と言う事だろうな。
「でも、ユキさんが起きたのもそう早くはないみたいだな。もう直ぐ洗濯が終わると言うのなら問題無いけれど、始めたばかりだと、家を出るのが遅くなりそうだなぁ」
と思いながら、私は出掛ける為の準備を始めました。
その日は13時から三ツ沢で横浜FCのホーム最終戦が有ったので、
「12時頃迄に墓参りを終え、移動しないとなぁ」
と、思っていました。
「藤棚商店街で買い物や散策をしたいのなら、8時台には出発したいのになぁ」
でも、朝食を食べていないのに、既に8時半過ぎ。
9時半過ぎにユキさんが部屋にやって来て、出掛ける用意をしている私を見て一言。
「あれっ?何処かに出掛けるの?」
ユキさんは、今日は母の1周忌で墓に行く事を忘れていたとの事。
「あっそうだった!なら、もっと早く起きたかったのに」
と、言う事で、ドタバタと朝食の準備を食事を済ませて出発に。
前日に確認すればよかったのだけれど、私は体調が悪くてそうそうに就寝したのもこうなった原因の1つ。
【2】第2の失敗『記憶が曖昧なら充分な確認を!』
横浜駅に着き、何時もの地下街を通り抜けてバス停へ。
地下の通路にバスの出発時刻が表示されている電光掲示板が有り、「滝頭行き10時26分」と表示されていました。
「時間に余裕が有るから、それならトイレに寄ってからバス停に行こう」
と言う事で、2人ともトイレに寄り道。
トイレを済ませ、地上のバス停に行く為の階段へ向かう際、
ユキさん「この階段だっけ?もっと手前の階段じゃなかったっけ?」
よし「えっ?此処だよ」
と、階段へ行き、
よし「ほら、この階段で正しいでしょ!」
と、見慣れた古さが際立つ薄暗い階段を見てユキさんも納得。
ユキさん「地下街や通路は綺麗に工事がされているけれど、この階段は歴史が見て取れるね」
階段を登ってバス停が並ぶバス乗り場へ。
私が並ぼうとすると
ユキさん「もう一つ先(隣)の発着場じゃなかったっけ?」
よし「此処でしょ!」
ユキさん「そうだっけ?」
と言って、ユキさんはバス停所時刻表を見に行きました。
行先と時刻表を見て
ユキさん「この発着場だ」
「26分だから、未だ時間が有るな」
と思っていたら、「滝頭行き」のバスが後方から入って来ました。
乗るのは滝頭行きのバスで、途中で降車します。
「もう少し時間が有るけれど始発だから、此処で停まっているのかな?」
と思ったのですが、バスは1つ先の発着場に停まりました。
ユキさん「ほら、やっぱり、隣の発着場が正しかったんだよ!」
と言い、「あれっ?」と思いながら速足で移動を。
昨日同様に体調が悪かったので、バス停に記載されている行先や経由地、時刻の確認やバスの側面に記載されている経由の確認、バスの運転手に対しての確認をするのが億劫でやらなかったんだよね。
慌ててバスに乗りこみ、座席に座ったら、大著が悪いので、窓の外を見ながらボーッと上の空。
右に国道16号が現れ、十字路になる所で左折するのだけれど、記憶が曖昧だしボーッとしていたので、
「此処で左折しないか。もう少し先だったか」
と、直進するバスを認識しながらボーッと。
大分経ってからユキさんが
「真っ直ぐ行き過ぎているよね」と。
よし「確かに。矢張りそうか。経由地が違うんじゃないの?」
結果論で言えば、此処は国道1号なので、此処で降りて、結構頻繁に走っているタクシーを捕まえるのがベストだと思う。
でも、滝頭と言う地名のイメージから、
「普段降車する藤棚バス停の先に有る登り坂のちょっと先が滝頭なんじゃないの?」
「墓地のある丘の反対側を通って、丘を過ぎて合流するのではないかな?」
と予想して、もう少し様子を見る事に。
予想通り少しして左折し、バスの左手には丘陵地帯が見えました。
「この丘の向こう側が墓地だろうね」
と、話をし、バスはこの先左折して本来乗ろうとした路線の道に合流するんだろうなぁと。
でも・・・バスは左折ではなく右折してひたすら直進・・・。
「あれっ?」
その後やっと左折してさらに左折して戻っていくのかと思ったらそうでない。
住宅街の細い道に入りこんで、一般車両とすれ違う事が出来なくて道を譲ってもらったりと・・・
「此処は何処だ?何処に向かっているんだ?」
「こんな住宅街の道だと、降車してもタクシーを捕まえる事は出来ないよ」
「もう、終点まで行くしかないか・・・」
その後、入り組んだ山の麓をくねくねと、住宅街の細い道を右に行ったり左に行ったり。
もう横浜の何処に居るのかもどっちが横浜駅の方角なのかもさっぱり分からない。
今では珍しくなった、個人経営の八百屋さんが数軒見え、昔ながらの商店が点々と見える古い街並み。
聞いた事の無い名の遺跡と遺跡の博物館がこの先に有ると言う看板を見て、
「どんな遺跡なのだろうか?」
と思った。
電柱の地名表示を見て「聞いた事の有る地名が幾つか有ったが、何区なのか、どの辺りなのかはさっぱり分からない」。
食堂の横に手書き看板が有り「祝ゆず20周年」そして「何時までも応援しています」と言ったような内容の文面が記されていた。
2人組の音楽デュオ『ゆず』は、横浜出身で、横浜の駅前等で路上ライブをしていた事を知っている。
「この辺りが地元なのか?昔行きつけのお店だったのかな?」
昔ながらの個人経営のスポーツ用品店の前でバスが対向車とすれ違う為に停車した。
お店のショーウインドウの中には、マネキンが野球のユニフォームを着ている。
草野球のチームの様で、学校の名や企業、プロ野球のチーム名ではない。
日に焼けて大分色褪せて焼けてしまっている。
こう言うのも懐かしいなぁ。
昔ながらの商店街の個人商店だと、よく見る光景だよなぁ。
「玩具とか、日用品とか、本とか、箱や表紙が日に焼けてしまっているよなぁ。」
何て、思いながら外を見ていた。
帰宅後知ったのだが、ゆずの出身地はこの地区で、このスポーツ用品店は、2人の出身中学校のジャージが売られているお店との事。
前述の遺跡やこの付近の神社や途中で見たケーキ屋さん等が歌詞に登場するとの事。
この地区では、ゆずに因んだ地を廻る『ゆずマップやスタンプラリーの地図』を配布している事も知った。
それを知っていたら、もっと窓の外に注目していたのになぁ。
体調が悪いのは相変わらずで、「試合にも間に合わないのでは」と言う事で、イライラ。
バスに揺られて気持ち悪いのも有ったし、我々が乗ったバスの右側は、陽が射しこんで兎に角暑い。
グッタリした状態でやっと滝頭に到着。
「あれっ?滝頭って、バス会社の営業所(車庫)だったのか」
前の前には真っ直ぐな川で、滝が有る様な川や土地には見えない。
営業所から出て大通りの歩道に立つ。
下流の方には高速道路の高架が見える。
「あれって、磯子付近の線路と海の間に有る高速道路だよなぁ」
「と言う事は、あの先が海か」
「滝頭って、海迄ほぼ高低差の無い場所じゃないか」
と、想像とあまりにも違う場所で唖然。
此処から藤棚バス停を通る横浜行きのバスに乗りましたが、滝頭は、大桟橋や関内駅からの方が近いんですね。
【漸くお墓に】
藤棚に到着。
藤棚商店街では「フジリンピック」なる名の商店街のスポーツイベントが催されていました。
縄跳びやコマ回しとか、手作り感たっぷりの子供や親対象のイベントで、和やかな雰囲気でしたね。
墓参りをし、商店街に戻り、タクシーを捕まえて三ツ沢へ。
バス通りとそれ以外の道を通って三ツ沢へ行ったので、
「あの道は此処と繋がっていたのか」
「あの道の先にはこんな建物(区役所、神社、公園…等)が有ったのか」
「夫々のバス通りの並びはこうなっていたのか」
と、この辺りの地理が頭の中で繋がりました。
試合後、新横浜の駅ビルの本屋で地図を見て、今日バスで通った道を確認。
「こんなに遠回りしていたのか」
と、呆れました。
と、同時に途中で見た多くの物の中で気になった箇所を再度訪問したいなと。
滝頭やゆずの故郷に行く事、あの入り組んだ住宅街や昔ながらの商店を訪れる事は無いと思うけれど、弘明寺(ぐみょうじ)とか、幾つも気になった物が有ったなぁ。
体調も気分も機嫌も悪かったのだけれど、こんな長時間『乗る筈ではないバス』に乗る何て事は先ず無いので、
「貴重な体験をもっと楽しんでおけば良かったと」
ちょっと後悔しています・・・。
こんな事はそうそうあっても困るけれど、また、こんな楽しい事、楽しい物を見られる機会が有っても良いかな?
・・・と、チョットだけ、そんな気持ちも・・・
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