若いころ、パチンコ、パチスロをやっている時に気づいたことがある。まったく出ないときは、玉やコインを下に落としても拾う気にもならないのに、絶好調でどんどんドル箱を積み上げているときは、一個の玉、一枚のコインも見逃さない。その時は、妙に貪欲になり、他人が落としたものも、隙を見て?拾いたくなる。貯まれば貯まるほど、その維持に厳しくなるのだ。な~るほど、これがお金持ちの心理状態か!と、頷きながら、「でもパチンコをやっているようじゃ、俺も貧乏生活から抜け出せないな~」と、苦笑するしかなかった。
だいたい俺は、財布すら持っていない。いつもポケットにくしゃくしゃの札をねじ込んでいる。さすがにばらつくので小銭入れは持っているが、銀行カードなんかも裸で持っている場合が多い。昔、後輩にそのことを、「かっこいいですねえ」と言われたことがあるが、「かっこいい?そりゃきちんと財布に入れといた方がいいに決まっている!」と、叱ったことがあるのだが、お金を大切に扱わないこと自体が、貧乏一直線の表れだと思う。
今日、昼に図書館に行くために地下鉄に乗ったのだが、そこであることに気がついた。最寄りの駅で降りる時に、ほとんどの人が自分が座っていた席を振り返っている。もちろん、忘れ物の確認だろうが、俺はこれを一度もしたことがないのだ。うーん、そうか、皆さんはちゃんと確認してから降りるんやなあ、よし、これからは俺もそうしよう…と、念じていたら、さっそくビニール傘を忘れてしまった(足元に置いていた)。やめよう、慣れないことは。「人間は急には変われない…」(人生の標語である)。
でも、このままで人生が終わるなら、あまりに凹凸のない人生ではないか(金銭的に。女性面ではけっこうドラマがあった。いずれも大作ではなく、小作品だが)。そう思って、帰りにただいま発売中のジャンボ宝くじを買った。当然、当たるとは思っていない。友人の母親が33年間宝くじ売り場で働いていたが、100万円以上の当選を見たことがないそうである。まあ、小さな売り場ではあるが、確率的にはそうなのかも知れない。
ただ、抽選までに夢を見る。「もし当たったら、まず高層マンションを買って毎日ビヤガーデン。それからお袋に小遣いやって、世界1周豪華客船の旅…」と、寝る前に空想する。もちろん、分かっている。いざ当選番号を見ると、最初の1と、終わりの数字(通し番号)しか当たっていないことが。
でも、貧乏だから人生が楽しめるってことは、絶対にあると思う。
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