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毎年2、3回訪れていたが今年は初めて、和歌山県那智勝浦の「ホテル浦島」に行った。
ここは一番のお気に入り温泉ホテルで、もう20回ぐらい訪れている。それなのに、
ホテルで夕食を食べたのは初回だけで、その他はすべて朝食プランである。それはこ
この食事がまずいからということではなく、街に魅力的な居酒屋が沢山あるからで、
自由気まま、自分の好きな食材を食べている。それに、この地方で造り酒屋は一軒だけ
という尾崎酒造の地酒がとても気に入っているからでもある。
しかし、最大の魅力はその温泉力で、「忘帰洞」を含む館内六ヶ所の個性的浴槽がすべ
て源泉掛け流し。泉質も関西ではここしかない白濁の硫黄泉が訪れたすべてのお客さん
を魅了している。どのサイトでも、温泉評価は限りなく満点の5評価に近いのだ。難点は
、あまり温泉に浸かり過ぎると、体が硫黄臭くなることだが、これは苦笑するしかない。
今回は二泊三日の旅程だったが、温泉旅行は行ったことがないと言う会社の後輩が一緒だ
った。温泉に入り、火照った体で連夜馴染みの居酒屋に行った。勝浦のメインは「生ま
ぐろ…水揚げ量日本一」で、この時期から旨くなると言う。「今日は凄くいいのが手に入
ったから自信があるよ」と店主が言うので、お薦めのまぐろの刺身を食べたら、なるほど、
ねっとりとして、重量感があり、旨みが強かった。その他、まぐろの心臓や、胃のたたき
など珍しい部位も出してくれて、日本酒がぐいぐい進む。二日間で、ビール、日本酒、
ハイボールと、浴びるように飲み、帰りの電車は二人とも青菜に塩、ぐったりして眠りこ
け、赤い顔をしてため息ばかりついていた(笑)
その後輩が目を輝かせたのが、二日目の那智神社、那智の滝巡りだった。大門坂から那智神
社までの熊野古道を嬉々として歩き続け(この時点ではまだ体力があった)、那智の滝でたっ
ぷりのマイナスイオンを吸収して、「たまにはこういう旅をしなくてはいけませんね」と、
自分自身を鼓舞していた。「もっと熊野古道を歩きたいです」と、本当に気にいったみたい
で、良い旅だったと思う。
勝浦駅前からの那智山行きのバスはほぼ満員だったが、半数が外国からの旅行者で、小柄で
かわいい白人女性の三人連れや、中国人の観光ファミリー、そして北欧風の彫りの深い顔をし
た大柄な白人夫婦と、色々な国の言葉が車内から聞こえてきた。そう言えばホテル浦島でも朝
食バイキングでは同じような光景で、今年は約2400万人超の観光客が日本を訪れる…というニ
ュースも実感できた。那智勝浦は日本人でさえ「遠い観光地」というイメージがあるのに、そ
れを問題にしない彼らのパワーは凄いと思う。
ただ、一方で身につまされた話もあった。これは他人事ではない…という内容の話で、家に帰っ
た今も考えさせられている…(次回)
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