ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

想像を絶する最悪の事態だと思う(加害者家族の死)

2021-06-14 00:00:00 | 社会時評

先日「おいおい」と思った記事を。

>和歌山で死亡の少女 虐待の疑いも 母親は妹連れ自殺か
2021年6月11日 20時40分

 和歌山市内の集合住宅で9日に少女が死亡した事件で、和歌山県警は11日、死亡したのはこの住宅に住む鶴崎心桜(こころ)さん(16)で、死因は全身打撲による外傷性ショックだったと発表した。県警は家庭内で虐待があった疑いがあるとみて、同居の母親とその夫の関与について調べている。

 母親(37)と鶴崎さんの妹(4)は9日午後、大阪府南部の海上で浮いているのが見つかり、死亡が確認された。死因は母親が全身打撲による多発外傷、妹は水死だった。県警は母親が妹を道連れに、近くの関西空港連絡橋から飛び降りた可能性が高いとみている。

 県警などによると、9日午後2時20分ごろ、母親から「帰ってきたら娘の意識と呼吸がない。血みたいな黒いものを吐いている」と119番通報があった。鶴崎さんは搬送先の病院で死亡が確認された。当時、自宅には鶴崎さんと母、母の夫、妹がいた。夫は妹の実父で、鶴崎さんとは血縁がないという。病院には夫が同行したという。

 和歌山市消防局によると、9日午後11時10分ごろ、通行人からの通報で救急隊員が同市の和歌山港に駆けつけると、夫が路上に座り込んでいた。「精神的に嫌なことがあり、カフェインを服用して首をつろうとしたが、失敗した」と説明したといい、病院に搬送されたという。

 鶴崎さんに関しては、2013年6月、虐待を受けているとの通告が県の児童相談所にあった。児相による保護者らへの指導で改善がみられ、14年1月に対応を終了したという。県警に相談などはなかったという。

私がこの事件の関係の記事を読んだのは、関空連絡橋から飛び降りて母娘心中があったという関係の記事でした。何の記事を読んだかは定かでないですが、そのときの私の感想は「うわ、ひどい事件だなあ」というものでした。しかしその関係で、16歳の子ども(女子)がおそらく虐待によって死亡したということになると、これはまた最悪の事件だないわざるをえないですね。たぶんですが、母親とその娘(被害者の異父妹)の(おそらく)心中も、この女子の死亡と無関係ではないわけで、当然そうとう密接に関連しているはずであり、そうなるときわめてよろしくない事件ということになりそうです。

新聞が

県警は家庭内で虐待があった疑いがある

と書くのは、和歌山県警はそうであると確信しているということなのでしょう。すると、鶴崎さんの継父、心中した母娘の夫あるいは実父がそうとうよろしくないことをしたのか。まだめったなことはいえませんが、その可能性も高そうです。このあたりは、今後の取り調べでしょうか。ここは私も推移を見守りたいと思います。

・・・ということを考えていたのですが、どうも実際はそれどころでない背景があったようですね。

【独白】「長女と孫が亡くなった」和歌山カレー事件の林健治さん 16歳孫が変死後、長女が自殺か

> この事件から3日後の12日夜、健治さんの姿は、捜査している和歌山東署にあった。事情聴取の直後、健治さんは涙ぐみながら記者にこう語った。

「死んだBちゃんは長女Aの娘、ワシと眞須美の初孫やろ、居ても立っても居られずに警察に行った。捜査の担当者と話したが、まだ捜査中で、ハッキリとは言えない様子だったが、1時間近く話をした。自殺したのはうちの長女で一緒に亡くなったのはCちゃんであるのは間違いないようだ」

何があったかはつまびらかでありませんが、たぶん母親が(無罪を訴えているとはいえ)死刑囚でいつ執行されるかもしれないという状況にあって、そして娘さん自身もその件で相当過酷な目にあったかと推察されますので、その件とこの事件(娘さんの死と心中)は無関係ではないのでしょう。

それにしても継続的な虐待があったとなると、これもひどいですねえ。どうしてそうなったのか、事実かどうかもふくめて断言しかねる様々な問題があることは理解しますが、実に悲惨ですね。死んでしまった「Bちゃん(鶴崎心桜さん)」も「Aさん」も、たぶんAさんによって無理心中に巻き込まれたと思われる「Cちゃん」も。

なんらかの重大事件の犯人の身内が自ら命を絶つということは確かにあります。連合赤軍坂東國男の父親や、東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件宮崎勤の父親も自殺をしています。連合赤軍も宮崎の事件も、どちらも日本の犯罪史に残るきわめて重大な事件でありますが、確認されている限りでは、さすがに今回のようなひどいケースはほかにないのではないか。あったとしてもそう多くはないはず。

今回の事件が、坂東や宮崎の父親ほどの、身内の犯罪を起因とする因果関係があるのかどうかは定かでありませんが、これはやはり「加害者家族のケア」ということもある程度考えないといけないかなと思います。てめえいつも被害者家族を批判しているじゃないかとか、被害者(家族)のほうが対応は優先されるべきだとかいろいろなご意見はあるでしょうが(なお私が批判する被害者遺族というのは、相当ひどいことを発言しているから批判しているのであって、みんながみんなを批判しているわけではありません)、自殺や心中とまではいわずとも、相当苦しい目にあっている人々は少なくないはずです。ここは、この問題に取り組んでいる阿部恭子さんのご著書を紹介します。彼女はこの関係のNPOも運営しています。

加害者家族支援の理論と実践―家族の回復と加害者の更生に向けて

性犯罪加害者家族のケアと人権: 尊厳の回復と個人の幸福を目指して

息子が人を殺しました 加害者家族の真実 (幻冬舎新書)

家族という呪い (加害者と暮らし続けるということ)

加害者家族の子どもたちの現状と支援: 犯罪に巻き込まれた子どもたちへのアプローチ

交通事故加害者家族の現状と支援: 過失犯の家族へのアプローチ

加害者家族を支援する 支援の網の目からこぼれる人々 (岩波ブックレット)

少年事件加害者家族支援の理論と実践: 家族の回復と少年の更生に向けて

私もこの件についてそんなに勉強しているわけでもありませんが、私なりにいろいろと学んでいきたいと思います。最後に、お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りいたします。

コメント
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