MY LIFE AS A DOG

ワイングラスの向こうに人生が見える

年末

2008年12月23日 10時12分26秒 | どうでもいい話
年末というのに、あいも変わらずバタバタと忙しい毎日です。

さて、ということで毎度のこと乍ら大したネタもないので、最近観た映画と読んだ本の話を書きます。

1.最近、内田樹さんの著書をよく読んでいます。この人はもともとエマニュエル・レヴィナスの研究者で、レヴィナスの翻訳などを手がけているひとですが、それだけにとどまらず最近は、教育問題、格差問題、フェミニズム問題などさまざまな分野での発言を続けている人です。

今「ためらいの倫理学」という本を読んでいます。
倫理学といっても、その内容はいわゆる「倫理学」の範疇を超え、身近にあるさまざまな話題をとりあげて、内田流の分析を加えています。

この本のまえがきにも書かれているように、この本の目指すところは、「『批評性の硬直』状態から抜け出すこと」です。

「私は戦争が嫌いで、戦争が怖い。しかしだからといってただ『戦争は嫌いです』と言って不戦の祈りを捧げているだけでは戦争推進派の論客の足を止めることはできない。私はナショナリズムとマルクス主義が苦手である。しかし、だからといって『ナショナリズムは嫌いだ』とか『マルクス主義はもうやめませんか』といってみても誰も相手にしてくれない。どこかで『こちらの言い分』と『そちらの言い分』が出会う局面を設定しなければ話は始まらない」

巷に氾濫する善悪二元論の膠着状態から脱し、思考のステージを一段高めるためには、内田氏のような、こうした俯瞰的な視野に立つことが大切ではないかと感じます。

2.今年映画館で見た映画で印象に残ったものを列挙。

・ここに幸あり ★★★★ 監督オタール・イオセリアーニ。恵比寿ガーデンシネマにて。

・実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 ★★★★ 監督若松孝二。4月14日、テアトル新宿にて。ちょっと長すぎ、だけどよかった。

・ パラノイドパーク ★★★★★ 監督ガス・ヴァン・サント。4月15日シネセゾン渋谷にて。

・愛おしき隣人 ★★★★ 監督ロイ・アンダーソン。5月10日恵比寿ガーデンシネマにて。

・パーク・アンド・ラブホテル ★★★★ 監督、熊坂出。5月11日渋谷ユーロスペースにて。

・イースタン・プロミス ★★★★ 監督デビッド・クローネンバーグ。6月25日。池袋シネ・リーブルにて。

・Once ダブリンの街角で ★★★★ 監督、ジョン・カーニー。7月8日。池袋新文芸坐にて。

・コロッサル・ユース ★★★★ 監督ペドロ・コスタ。7月21日、渋谷イメージフォーラムにて。寝た。けどよかった。

・トウキョウソナタ ★★★★★ 監督黒沢清。10月20日、恵比寿ガーデンシネマにて。

・チチカット・フォリーズ ★★★★ 監督フレデリック・ワイズマン。11月22日、池袋新文芸坐にて。

まだ、年末まで2週間あるので、ひょっとしたら何本かふえるかも。

ということで、また。
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2 コメント

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ソクーロフ (Maigret)
2008-12-23 12:31:26
相変わらずいっぱい映画観てますね。
忙しいはずなのに・・・さすがです。
そういえば、東京ではソクーロフの新作「チェチェンへ」の上映がはじまったんじゃないですか?きっと絶対観ますよね!?気になるなぁ。
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Maigretさま (kazu-n)
2008-12-23 23:54:30
コメントありがとうございます。

はい、現在ユーロスペースで『チェチェンへ』が公開中です。
今日、本当は時間があれば行こうかなと思いましたが無理でした。今年中にはなんとか見に行きたいですね。

ちなみに、ホウシャオシェンのレッドバルーンはDVD買っちゃいました。TSUTAYAでレンタルもしてたんですけどねー。
それと、エリセのDVDボックス。いつになったら届くんでしょうか・
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