娘が誕生してからというもの、大好きだった映画を見る機会が極端に減りました。
ですが、今日は久しぶりに、姉の知り合いの監督が撮ったという「無知の知」と言う映画を見にポレポレ東中野へ出かけました。
この映画は、原発について何の知識もないと自称する監督(石井朝也監督)が、3・11の福島原発事故について、“素人(無知)”であるからこそきける素朴な疑問を、原発反対派、賛成派を問わずインタビュー形式でぶつけていくというものです。
原発をテーマにした映画を撮ったという時点で、当然、ある一定の立ち位置から撮られた映画なのだろう、つまり、反原発の主張に貫かれた映画なのだろう、ということが想像されてしまうわけですが、この映画は、いわゆる“原子力村の人びと”の意見も平等に聞いていて、比較的中立的な切り口で映画を撮ろうとしているなという感じを受けました。
それにしても、やはり事故当時、政府の中枢にいた、菅直人氏、福山哲郎氏、下村健一氏らのインタビューの生々しさは、今聞いても手に汗握るものがありました。
また、個人的には、お金や利権などと全く無関係に、「脱原発」は純粋に国益を損ねると本気で思っている人たちや、あるいは、首相官邸前で、反原発デモをやっている人たちを、日本をダメにする嘆かわしい連中だと真剣に思っている人たちが、世の中に実は相当数いるのだということを改めて再認識させられ、複雑な思いでした。
一方、原発推進派の一人として世間的に認知されている東工大の澤田哲生氏は、堂々と持論を展開しており、敵ながら天晴という感じでした。
上映会の最後に、菅直人氏と監督とのトークショーがあり、いろんな話題で盛り上がりました。 最初に監督が「こういう会に出てお話されるのってどうですか?」と聞くと、 菅さんが、何を血迷ったか 「いやー。僕は、こういう怪しい人たちと話すのは結構嫌いじゃないんですよ」と微妙な答え。 俺も怪しい人たちの一味にされた気分。
いろいろトークして、帰りに菅直人のサイン入り「原発ゼロの決意」という本を買って帰宅。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます