こんにちは。
鍋島恵(けい)です。
気づけば2月も残りわずか。
新型コロナウイルスの話題が出始めてから約1年が経過しようとしています。
医薬品に関わる仕事を渡り歩いて早数年。
現場でも働いていた経験もあり、友人からは「医療従事者」としての側面で、新型コロナのワクチンについて、たまに意見を求められます。
そこで今回は、新型コロナウイルスワクチンについて、そもそもワクチンの目的や海外・国内でのワクチンの状況、それを受けて個人的な意見をまとめてみました。
そもそもワクチン、予防接種とは?
新型コロナワクチンの意義について説明するには、そもそもワクチンや予防接種の目的について理解する必要があります。
厚生労働省ではワクチン・予防接種について次のように説明しています。
”一般に、感染症にかかると、原因となる病原体(ウイルスや細菌など)に対する「免疫」(抵抗力)ができます。免疫ができることで、その感染症に再びかかりにくくなったり、かかっても症状が軽くなったりするようになります。
予防接種とは、このような体の仕組みを使って病気に対する免疫をつけたり、免疫を強くするために、ワクチンを接種することをいいます。”
つまり、ワクチン接種のゴールは「感染症にかかりにくくする」「症状を軽くする」ことで「感染症にかからなくなることではない」ということですね。
さらに言うと「ウイルスを持たなくなる」ことでもないので、人に移す可能性はあります。
むしろ、自覚症状を感じにくくなる分、注意した方がいいかもしれませんね。
海外製薬メーカーの新型コロナワクチン開発状況
少し前に「新型コロナウイルスが海外で承認された」と話題になりましたが、現在はどのような状況なのでしょうか?
厚生労働省のHPには次のように発表されています。
最も早く承認販売が進んでいるのはファイザー社(米)のワクチンです。
そのあとにモデルナ社(米)とアストラゼネカ社が続いており、海外ではこの3社ですでに供給がスタートしています。
日本でも各製薬メーカーがこの3社と契約締結を進めており、国内でのワクチン接種は直近では、この3社のいずれかになりそうですね。
ファイザー社のワクチン投与の実態は?イギリスでの接種状況
承認販売のスピードを考えると、直近の国内で投与される可能性があるのはファイザー社のワクチンかと予想されます。
このファイザー社のワクチンは、昨年の12月からイギリスで予防接種がスタートしました。
接種開始から約2ヶ月。
イギリスでの接種状況やワクチン投与による実態はどのようなものなのでしょうか。
東洋経済にて、イギリスの投与実態についての記事がありました。
この記事によると、ワクチンの副反応はやはりあるとのこと。
3日間は倦怠感や頭痛などがあるものの、解熱鎮痛剤で症状は抑えることができるそうです。
またファイザー社のワクチンは原則2回接種。
保存は低温で行い、5日以内に使用する必要があるため、医療現場だけでなく、予防接種を受ける側もスピーディな対応を求められることになりそうです。
自分だけでなく周りの人へも配慮してワクチン接種を
ワクチン接種は「罹患しても重症化しないようにする」ことゴールとしています。
また新型コロナウイルスワクチンでは、副反応と呼ばれる症状が出る可能性も十分に考えられそうです。
予防接種しても感染する可能性があり、しかも副反応まで出るのであればワクチン接種をする必要があるのか?と言う疑問は出てくると思います。
これは私個人の意見になりますが、今回の新型コロナウイルスに関して言うと、「自分のため」「周囲の人のため」を考えるとワクチン接種はした方がいいと思います。
それは、一人ひとりが「罹患しても重症化しない」状態になれば、集団感染による弊害を回避することができるからです。
もちろん、国内全てにワクチンの供給がされるまでは、予防接種をより効果的なものにするために接種する人に優先順位をつける必要はあります。
感染リスクの高い医療従事者や、重症化した際に命の危険に晒される高齢者は、優先度高く実施すべきです。
反対に、私のように在宅勤務で人と接する機会もそこまでなく、呼吸器の基礎疾患もない、30代前後の健康人はすぐさま予防接種を考える必要はないケースもあるかと思います。
しかし「私の感染」が「誰かのせい」になり、その連鎖が続いてしまうのであれば、その連鎖を止めるのは「自分が重症化しない」ことでしょう。
一人ひとりが「自分のため」そして「周りの大事な人のため」にどのような選択をするのがベストなのか。
日本でも本格的なワクチン接種が始まる前に、考えておきたいテーマですね。
鍋島でした。