Drマサ非公認ブログ

フェイクニュース?武漢研究所発のウィルス

 今回のウィルスの出所が中国武漢のウィルス研究所だとの噂が広がっている。トランプ大統領も調査が必要だとして、なおかつ中国側が調査に協力しないと発言している。ニュアンスとしては当然非難している。

 中国が協力しないのは当然だ。ましてやアメリカに研究所の調査をさせるわけがない。中国は主権国家である。繰り返すが、当然だ。

 これまでアメリカこそが中東の主権国家を踏みにじり、何をしでかしてきたのか忘れてはいけない。どこかでアメリカ中心主義が巣食っているようなら、是非考えてほしい。日本人は無意識的にアメリカを善としてしまうとの精神性を抱えているのではないかと僕は訝しく思う。

 ところで、主権国家としての日本を踏みにじる国はどこだろうか!?

 14世紀、ペストがヨーロッパ全体を席巻したとき、あらぬ噂が立った。戦争やパンデミック、あるいは大規模な自然災害の時は、流言飛語が乱れ飛ぶ。メディアが発達した現在なら、流言飛語はフェイクニュースに成り上がる。

 災厄から起こる不安や動揺を利用したり、その矛先を誰かに向けたり、スケープゴートをでっち上げることは社会心理学でよく取り上げられるテーマである。

 ペストの時、スケープゴートになったのは当時反感や蔑視を受けていた者たちであった。ユダヤ人である。キリスト教徒は彼らの敵、異教徒がペストを起こしたと考えたのだ。ユダヤ人が毒物を撒き散らしたのだと。日本でも関東大震災の時、似たような流言飛語が生み出されたのを思い出す。

 今でもそうだが、ユダヤ人は金儲けがうまいとされる。これは反感を高じさせてもいた。この陰湿なユダヤ感情が流言飛語を信じさせ、ユダヤ人は捉えられ、拷問にかけられ、焼き殺される。中には自白を強要される者もいた。自白したのだから、彼らユダヤ人こそ犯人だと。見事な冤罪図式だ。

 ユダヤ人の集団殺戮。ユダヤ人に味方したキリスト教徒が処刑されたりもしている。なんとも悲惨な歴史的事実であろうか。ナチスのホロコーストに匹敵したとも言われるほどだ。疫病は深刻な民族問題、宗教問題へと接合される。今コロナウィルスの時、そういうことがないかを反省していかなければならない。そして、そういう差別や偏見という異常な状態に対して、それを異常とも思わなくてなってしまうこと、そもそもある差別や偏見がいつの間にか強化されてしまうことに注意しなければならない。

 ちなみに武漢の研究所からウィルスが流出したというエビデンスはない。

 ただワシントンポストが、SARSの時の中国の対応から、米国政府が中国の施設の安全性や管理に疑問があるとして、パンデミックを引き起こすのではないのかと、その場合支援する方がいいとして記事を書いている。

 これは武漢の研究所からウィルスが流出したという記事ではない。WHOはそういう事実はないし、エビデンスもないとしている。WHOは中国に操作されていると最近指摘される。そのため、WHOが隠しているとでも印象づくかもしれない。しかしながら、日本がWHOにいくら金を出しているのか見てもらいたい。

 さて、この武漢の研究所からウィルスが流出していると強く打ち出しているのがFOXニュースである。米国の保守系の大メディアであるが、「FOXニュースをメディアとして認めるべきか?」とされるメディアである。政治版の東京スポーツの未確認飛行物体記事のようなものと言ったら、怒られるだろうか(笑)右寄りのメディアは陰謀論がお好みなのだろうか。

 中国への反感、中国への脅威がこのような言説を補強しているとすれば、冷静な態度が求められる。そのような見方が中国への見方を決めてしまうなら、中国の真のありようを見誤るに違いない。

 現代のペスト、新型コロナウィルス が人々の不安や偏見、差別を感染させるようなことがないことを願う。

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