黒部五郎岳2017.9.1~3 2日目
9月2日(土)
太郎平小屋 → 北ノ俣岳 → 赤木岳 →
中俣乗越 → 黒部五郎岳 → 黒部五郎小舎
4:30起床
山の人達はぼちぼち起きる時間なので、普通に寝床で着替えして、日焼け止め塗ったり荷物の整理。コンタクト着けに洗面所へ行ったら、玄関ホールには準備を済ませた人々がすでに騒々しかった。そういえば名鉄のツアーで来た人たちは薬師岳へ向けて4時出発といってたな~。よくやるわ~。(み~も翌日は4時出発ですが)
朝食前に準備を済ませて、荷物も玄関の外へスタンバイ。曇ってはいるけれど、風はなくちょうど良い気候。良かった。
5:30朝食。雲の平や五郎岳をぐるっと回ってきて、今日下山という人が幾人かいて、うらやましかった。
6:06太郎平小屋出発
北ノ俣岳まで湿原のような穏やかな道。もちろん登りはキツイ。しばらくすると雲は下りてきて雲海になり、空は青くなっていった。その途中の光景は、本当に幻想的で、感動的。これは今日、この時にしか見られない風景。写真にたくさん収めた。
稜線にでたからか、電波復活。ふとケータイを見たら、の~たんからは実家へ連絡しろとメールが昨日来てて、実家からも電話をくれと早朝6:20からメール。
も~、よりによってこんな時になに~?こっちから電話・メールしようにも電波が不安定でつながらない。なんか緊急事態っぽいから電話できるところまで下山するべきか。小屋で電話借りれるかな。どぅしよう。でもすぐには帰れないし。
実家の親は、切羽詰まった声で家の留守電に「電話ください」とメッセージを残すことがあった。緊急事態かと思ってドキドキしながら電話してみると、大した用事じゃなかった、ということが以前にもあった。電話が通じないならメールで要件入れといてくれればこっちもそんなに慌てることもないのに。取るもの取らずに対応しても、あ~ぁそんなこと~、って何回か驚かされた。今回もそれであって欲しい。かと言って対応が遅れたら最悪なことになるかも知れない。生きた心地がしなかった。
7:40北ノ俣岳にたどり着いたところで電波また復活。
素晴らしい景色の元、他の登山者さんが写真撮ってあげるよと言ってきてくれてるのを、すみません、ちょっと用事あるんで、と断って、家に電話。
父親がでて元気そうな声で「あぁお母さんに代わるわ~!」どっちも元気なんかい!話を聞いてみたら、全く大した用事じゃなかった。発端は、昔からの付き合いの証券会社の営業マンさんからの電話で、去年の山旅の時も同じような用事で電話があった。
も~、タイミング悪い人って、いるんだよね。
しかもうちの母親、自分の用事を吐き出し終わったら、「明日は市民会館にサカナくんの講演聴きにいくの!」とウキウキだった。はいはい、こっちがぎょぎょぎょだよ。
旅を続行できることが分かって、ようやくこの景色をゆっくり楽しめることになった。
ゆっくり楽しんでる様子はツイートしたので どうじょ。
#北ノ俣岳は逃げなかったよ20170902
遥かそびえる黒部五郎岳、笠ヶ岳、乗鞍岳、御嶽山のカルテット、あんなとこまで上がれるのかな~。そして、富山側の雲海。薬師岳、水晶岳、黒部源流の谷、雲の平、遠くに槍ヶ岳、なんて素晴らしいんだ。少しだけでも見られたらいいなと思っていたけれど、もぅ、丸見え。雲の作り出す光景は今日今しか見られない。
8:00北ノ俣岳を出発し、アップダウンののち赤木岳8:34頃、アップダウンののち中俣乗越9:06
ここは低めなので、徐々に上がってきた雲の流れる溝になっており、一時的に雲の中。
その後も、アップダウンがあるかとげんなりしていたが、ここから黒部五郎まではアップのみ。遠くから眺めている時にあんなとこ上がれるかな~と心配していた上り坂に、いよいよ到達しているようです。キツイのでゆっくり上がりたいところですが、雲が徐々に上がってきているので、出来たら雲より先にてっぺんにたどり着きたいな~。中俣乗越から約2時間、間に合うだろうか。振り返ると、先ほどの中俣乗越、赤木岳の稜線上に雲が流れる様子はもう、本当にステキだった。すれ違った女性にもうすぐですよと言われるが、下ってきた人のもうすぐですよ詐欺にはもう引っかかりません。しかし、もうすぐではないにしても、だいぶ近づいてきていることは信じてよさそうだった。
黒部五郎岳の斜面から振り返る
そして10:36黒部五郎岳の肩に着いた。
おぉ~~。カールが見える~。その底はるか向こうに黒部五郎小舎が見えた。2007年7月にカベッケが原の底から見上げた黒部五郎岳の壁は本当に美しくて、いつかあの山へも行ってみたいとずっと願い続けて、挑戦3度目にしてやっとここまで来れた。定年後になっちゃうかもとも思っていたので、今来れて本当に良かった。山頂までは10分くらいらしいが、本当にそれだけで着くのか疑問だった。肩にリュックを下し、水と防寒具とちょっとだけお菓子を持って、山頂へ出発。
山頂10:47。
稜線ルートを下りる人は、荷物を背負ったままやってくる。山頂では3人くらい会ったけど、ほとんど景色独り占めだった。去年の水晶岳山頂に引き続き、憧れの山頂で、よい気候で、のんびり…はぁ~この世に天国があるんだね~。電波が通じたのでの~たんへメールして、WEBで台風がようやく北上し始めたという記事を見た。
雲が上がる前に着けた。
カールを囲う斜面の美しさったら。
10年振りの再会というか、やっと会えたというか。
稜線ルートを下る人はこちらへ。
なんだ、この天気予報は。詐欺だな。諦めた人だって絶対いた。
山頂を11:30出発、11:45肩に到着。
リュックを回収して、今度はカールの中を激下り。すぐに五郎岳岩壁を見上げるようになり、カールの中の小川のせせらぎが聞こえてきた。は~ここも天国だ。山頂に登らなくても、ここでお弁当食べて昼寝するのも良さそうだ。小川で足を冷やしたかったけど、のんびりするのは小舎に着いてからにしましょ。
天国でのツイートもどうじょ。
#黒部五郎岳カールは逃げなかったよ20170902
小川を離れると低い樹木の中を通る道になり、展望がなくなった。それと同時に雲が流れてきて、白い景色の中に入った。
この辺から、ちょっと疲れがきて、靴が新しいのであちこち痛い部分が出てきて、長いな~、まだかな~、と思うようになった。
真っ白な中、13:10突然現れた黒部五郎小舎。びっくりした。でも着いてよかった。疲れた~。
小屋前広場で休んでいた2人組男性は、北ノ俣岳から抜きつ抜かれつでしたが、稜線ルートで下りてきて、これから三俣のテント場まで行くそうな。はぁ~すごいな~。
み~も、計画段階では、状況によっては今日双六へ行く可能性も探っていたけれど、疲れてしまって無理だな~。黒部五郎小舎に泊まるというのも今回の楽しみの一つでもあるので、そこは迷わなかった。早く休んで 明日の英気を養いましょう。
宿泊手続きして、荷物を部屋に下ろす。旅館のような、噂通りのキレイな小舎。指定された寝床が部屋の一番奥だったので、明朝早出するので、廊下側の寝床に変えてもらった。
昼食にうどんを注文、そしてコーヒー無料券をもらっていたのでホットコーヒー。談話室か玄関ホールのテーブルか、外のテーブルかどこで食べますか、コーヒーはうどんと一緒にしますか食後にしますかと、なんか、町のレストランみたいな対応、すご~い。せっかく寒くない気候なので、外のテーブルで食べました。うどんになぜかお味噌汁がついてきて、びっくり。お腹たぽたぽになりながらどちらも飲み干した。
時間が早いので、お客さんが少ない。着替えして、荷物整理して、歯磨きして、空いた小舎内をのんびり過ごす。は~いいね~こういうひと時は。明朝暗いうちに出発するので、三俣方面へ向かう道の入り口を下見しておきましょう。小屋の裏に回ると外トイレがある。外トイレは、靴をはいた後に入れるので、あると便利。ここも下見。登山道は、スタートは木道なので、迷うことはないだろう。大丈夫そうだ。
小屋の人に台風がどうなったか聞いてみたら、東へ行ってしまったので、影響ありませんと言われた。あんなににらめっこしていた台風が、停滞後、北上するのを見届けることなく、どこかへ行ってしまったなんて、うれしのか寂しいのか、変な気分になった。
この後ずっとガスの中で、小舎の周りは白いままだった。小舎からの黒部五郎岳や、テント場からは笠ヶ岳や薬師岳が見えるらしいから、様子を見たかったな~。
しばらくして部屋にお客さんが入ってきた。東京の女性2人組ですが、折立から同じルートを歩いている。昨日は直接話さなかったけど、近くでお2人が話していたのを聞いていた。部屋に入ってきたあとの会話を聞いていたら、どうやらこのお2人も明日新穂高へ下りるらしい。み~にとってはここ数年で一番タイヘンな行程を組み、ずっと心配だったので、み~独りじゃないという事が分かり、少し気が楽になった。お2人とはいろいろと楽しい話ができた。
昨日の埼玉のソロ女性も小舎に到着。別部屋だったが。たぶん、明朝早出組と、そうでない組とで部屋を分けてくれたようだった。
17:00夕食。
宿泊者はあまり多くなく、ちょっと大人数の家族って感じ。ここでもいろいろな話が聞けてとても楽しかった。話に夢中でご飯食べるのに時間がかかってしまい、ご飯のおかわりができなかった。
明日の準備を終えて18:30頃には眠る体勢になったけど、なかなか眠れなかった。昨日たくさん寝たからでしょうか、ご飯おかわりできなくてお腹が空いていたせいでしょうか、明朝4時出発に緊張していたからでしょうか。寝付けなくても、とりあえず目を閉じて、じっとしていた。