今回の旅もいよいよ終盤。
今までミッシェル夫妻のところに何度も泊まり、それもほかのかぞくのどこよりも一番長く滞在してきた。
にもかかわらず、彼らとともに散策をしたり、出かけたりというのは、一回の旅行で、一日中一緒というのは1日で、もう1日行動が全く同じ時間があったとしたら、夕食にミッシェル夫妻の友人を呼んだパーティーへの参加ぐらいだった。
今回は、短い滞在ながら、パリでもあまり他の友人に連絡せず、ミッシェル夫妻と行動を共にすることを優先した。
と言っても6泊で、中身5日しかなく、そのうち3日ということになる。
残り2日はパリ散策。
今日は、ジャンヌクロードがいろいろ予定を立ててくれていたが、昨日「シャルティエ」でランチをしたと言ったら、たいそうがっかりされた。
「私たちも今日シャルティエに行くはずだったのに、あなたがぶっ潰したのよ。」というような言い方だった。と言っても直訳ほどはきついものではない。
「同じ店が続いてもいいよ」と言ったが、別の店を考えてくれたようだ。
まずは日本へのお土産を買うため、ギャラリーラファイエットに一緒に行った。
彼らはデパートはここがお気に入りの様で、ボンマルシェは「店の名前だけが安いという意味で、実際は安くないよ」と言っていた。
飾りがいつもとてもきれいなので、それを見るだけでもラファイエットは素晴らしい。
そして、お腹が空いてきた。お昼は,中華のようなお店でビュッフェだった。つまりバイキングスタイルで自分でとってきて食べる。つい食べ過ぎてしまうので注意が必要だ。なぜかお寿司もある。
実は秋のフランスは初めてなので、楽しみにしていたことがあった。それは栗を食べることだった。
秋の風物詩、焼き栗だ。しかし、それは少し早かったようで、食べることができなかった。
それならと、マロングラッセを買おうと思った。
マロングラッセも通年販売しているところもあるが、シーズンにならないと販売しないお店も多いようで、なかなか見つからないのだ。年中イチゴのケーキが食べられる日本に驚くフランス人が多いことでもわかるように、果物はその季節に味わうものなのだ。
結局フランスのお菓子屋さんにはなく、仕方なくベルギーのチョコレート屋さんの物を少しだけ買うことにした。もちろん今頃あるということは、去年のものには違いなかったが、ミッシェル夫妻にあちこち同行してもらったので、お礼の意味も込めて買ったのだ。でもジャンヌクロードは「いいのよ。私たちは何時でも食べられるから、持って帰りなさい」と言った。
それから装飾美術館へ向かう。ここも初めてだった。パリには本当にたくさんの美術館があるので、まだまだ知らないところはあるのだろう。
建物がやっぱり美しい。モードの国、フランスだけあって、数々の美しい衣装が展示されていた。
そのあと、エッフェル塔がよく見えるシャイヨー宮へいき、お茶を飲むことに。
とてもシックでいい感じのところだった。ミッシャルさんは背が高くダンディーなムッシューだし、ジャンヌクロードはとてもエレガントなマダムだから、ミッシェル夫妻と一緒なら気後れすることもなく、安心してこういうところを楽しめる。
また、どこでもジャンヌクロードが交渉すると、よほどのことがない限り「ウイ、マダム」という返事が返ってくる。
私が、フランスで一番「ガウンの似合う夫婦」と思っている二人だ。
さて、明日もまた二人と一緒に出掛けることになっている。