春のそよ風夏の雨

嬉しいひととき。好きなこといろいろ書いています。

マルコ・バルツァーノ「この村にとどまる」

2024年03月24日 | 
マルコ・バルツァーノ「この村にとどまる」

1919年、オーストリア=ハンガリー帝国の一部がサン=ジェルマン条約によりイタリアの
領土になった。その一部が今は湖に沈むクロン村

ドイツ語を話す人たちが暮らしていたが、ドイツ語教育は封じられ、教師を目指していた
少女たちは夢を叶えることができなかった。
そんな少女の一人が語り手となって、その後の村の様子が描かれている作品です。

生まれ育った場所に暮らしているのに、戦争によって、権力によって翻弄されて、
家族や友達がバラバラになった人たちが描かれています。

この作品は小説だけど、この村は実際にあって、似たような村民たちはいたのですよね。

とても静かで悲しい物語ですが、魅力的な人物が何人もいました。
この著者の他の作品も読んでみたいです。




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