郷原信郎×宮台真司×神保哲生:「原賠法」という原発政策の根本的な欠陥を放置したままの原発回帰はあり得ない【ダイジェスト】
https://www.videonews.com/ マル激トーク・オン・ディマンド 第1138回(2023年1月28日) ゲスト:郷原信郎氏(弁護士) 司会:神保哲生 宮台真司 岸田政権が暴走している。国会や国民に諮ることなく戦後の防衛政策を大転換させたかと思えば、12年前の福島原発事故であれだけ痛い思いをしておきながら、今再び原発回帰を模索しているという。 原発政策の転換について、その中身は今のところ休眠中の原発の再稼働を推し進める一方で、原子炉の60年超の運転を認めるとともに、廃炉になる原発では新たな原子炉の増設や新型炉の開発を進めていこうというもののようだ。さらに計画には「核融合」などという夢のような言葉まで登場するのを見るにつけ、どこまで岸田政権が本気で原発政策を転換するつもりなのか怪しくも思えてくるが、いずれにしても岸田政権では福島の原発事故の苦い教訓は忘却の彼方に追いやられてしまったことだけは間違いないようだ。 12年前に歴史に残る重大な原発事故を経験した日本は、民主党政権下で一旦は原発ゼロを目指す方針を打ち出したものの、その後、安倍政権の下で安全基準を満たした原発は再稼働していく方針に転じた。しかし、事故の恐怖を目の当たりにした世論の風当たりは強く、ここまで原発の再稼働は限定的なものにとどまっていた。結果的に日本は足りなくなった電力を調達する手段として、長期的には再生可能エネルギーを推進しつつも、短期的には石炭や天然ガスを使った火力発電で埋めるという政策を実施してきた。 しかし、エネルギー全体に対する再生可能エネルギーのシェアで、日本は他の先進国に大きく後れを取り、事故から12年経った今も、日本の化石燃料への依存度は高いままだ。そうした中でウクライナ戦争などによって化石燃料の価格が高騰したため、日本はエネルギー政策を根本的に見直さなければならなくなったというのが、此度の原発回帰の理由として説明されている内容だ。 そもそもなぜ日本が再生可能エネルギーのシェアを増やすことができなかったのかについては別途厳しい検証が必要だが、いずれにしても再エネのシェアがなかなか増えず、化石燃料価格の高騰で化石燃料依存も続けられなくなったため、岸田政権は本気で原発回帰を推し進めようとしている。しかし、弁護士で九州電力やらせメール事件で第三者委員会の委員長として電力会社と密に関係した経験を持つ郷原信郎氏は、原発行政の根本的な欠陥となっている原子力損害賠償法(原賠法)の問題を放置したまま原発回帰を図ることはとんでもない愚策だと指摘する。 その問題とは、日本の原賠法が原子力行政の根本的な矛盾点を覆い隠す隠れ蓑として使われてきたため、結果的に日本の原発行政は万が一事故が起きた時、電力会社も国も責任を取らない総無責任体制になっていることだと郷原氏は言う。そして、その総無責任体制がもろに電力会社のガバナンス不在の経営体質にもつながり、それが一向に後を絶たない電力会社の不祥事という形で顕在化していると郷原氏は言うのだ。 2022年7月、東電の株主48人が旧経営陣に対して起こした「株主代表訴訟」で、勝俣恒久元会長ら4人の経営陣に13兆3,210億円という前代未聞の賠償の支払いが命じられているが、郷原氏はこの法外な金額こそ、原賠法の内包する矛盾を露わにするものだという。 原子力損害が生じた際に損害賠償の所在を明らかにするために1961年に制定された原賠法は、電力会社による「無過失責任」と「無限責任」を定めている。事故の全責任を民間企業である電力会社が無限に負うことになっているということだ。同時に原賠法は電力会社に対して政府保証のついた賠償保険への加入も義務づけているが、保険でカバーされるのは最大で1,200億円までだ。いざ事故が起きた際の損害額はその何百倍から何千倍にも及ぶことは政府自身が試算を出している。ところが原賠法では保険で賄いきれない賠償部分については、政府が「必要に応じて援助をする」としか書かれておらず、政府は事実上賠償の義務を負っていない。結果的に万が一事故が起きた場合、被害者は泣き寝入りをするしかないことが前提になっているというとんでもない法律が現在の原賠法であり、その法制度に沿って日本の原発は運転されてきた。 郷原氏は、電力会社は自身の補償能力を遙かに超えた賠償責任を負わされているため、破綻処理の是非を含め、結局最後は政府に頼るしかない。しかし、その一方で政府は賠償義務を負ってないため、いざ事故が起きれば、賠償責任は宙に浮いてしまう。同時に電力会社は完全に当事者能力を失い、政府のまな板の上の鯉となる以外に選択肢がない。企業ガバナンスの専門家でもある郷原氏は、そのような脆弱な基盤の上に乗って経営されている電力会社の経営幹部に、正常なガバナンスを求めることなどできるはずがないと指摘する。 しかし、原賠法の矛盾は、一旦事故が起きれば想像を絶する甚大な被害が出てしまうことが必至である日本のように狭い国土で、原発を運転することが事実上不可能であることを露わにしている。今政府は原賠法という時限爆弾を抱えたまま、いざ事故が起きた時に誰が責任を負うのかという原発の根本的問題を棚上げしたまま原発回帰を図ろうとしているのだ。 原賠法とはどんな法律で、どのような欠陥や矛盾を内包しているのか。この法律がなぜ電力会社のガバナンス喪失を生むのか、このまま原発回帰を図るとどのような問題が起きるのかなどについて、弁護士の郷原信郎氏と、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。 【プロフィール】 郷原 信郎 (ごうはら のぶお) 弁護士 1955年島根県生まれ。77年東京大学理学部卒業。民間企業勤務を経て80年司法試験合格。83年検事任官。東京地検、広島地検、長崎地検、東京高検などを経て2006年退官。08年郷原総合法律事務所(現郷原総合コンプライアンス法律事務所)を設立。10年法務省「検察の在り方検討会議」委員。11年九州電力やらせメール事件第三者委員会委員長などを務める。著書に『「深層」カルロス・ゴーンとの対話:起訴されれば99%超が有罪となる国で』、『検察崩壊 失われた正義』など。 宮台 真司 (みやだい しんじ) 東京都立大学教授/社会学者 1959年宮城県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。社会学博士。東京都立大学助教授、首都大学東京准教授を経て現職。専門は社会システム論。(博士論文は『権力の予期理論』。)著書に『日本の難点』、『14歳からの社会学』、『正義から享楽へ-映画は近代の幻を暴く-』、『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』、共著に『民主主義が一度もなかった国・日本』など。 神保 哲生 (じんぼう てつお) ジャーナリスト/ビデオニュース・ドットコム代表 ・編集主幹 1961年東京都生まれ。87年コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。クリスチャン・サイエンス・モニター、AP通信など米国報道機関の記者を経て99年ニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を開局し代表に就任。著書に『地雷リポート』、『ツバル 地球温暖化に沈む国』、『PC遠隔操作事件』、訳書に『食の終焉』、『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』など。 【ビデオニュース・ドットコムについて】 ビデオニュース・ドットコムは真に公共的な報道のためには広告に依存しない経営基盤が不可欠との考えから、会員の皆様よりいただく視聴料(月額500円+消費税)によって運営されているニュース専門インターネット放送局です。(www.videonews.com) (本記事はインターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』の番組紹介です。詳しくは当該番組をご覧ください。) #マル激 #株主代表訴訟 #郷原信郎 氏 #神保哲生 #宮台真司
激動する世界 沈みゆく日本 WeN20230128
【今週のテーマ】 ・激動する世界 ・沈みゆく日本 【出演】 斎藤 貴男さん (ジャーナリスト) 雨宮 処凛さん (作家、反貧困活動家) 木村 元彦さん (ジャーナリスト、ノンフィクション作家) 荻原 博子さん (経済ジャーナリスト) 司会は 鈴木 耕 2023年1月28日ライブ配信 .............................. ◆デモクラシータイムスへの寄付のお願い◆ ・三菱UFJ銀行 【支店】神楽坂支店 (店番号052) 【番号】普通 0462813 【口座名義】一般社団法人 デモクラシータイムス ・ゆうちょ口座/郵便局から 【記号】10130 【番号】94188041 【口座名義】シヤ) デモクラシータイムス なお、恐縮ですが、ご支援いただいた皆様に領収書をお送りしておりません。 お手元の振込控え等でご確認いただきたくお願い致します。 ★クレジットカードでの寄付はこちらから https://democracytimes17.jp/?page_id=67 .............................. 【YouTubeチャンネルと併せて、こちらもぜひ登録/フォローお願いします】 ホームページ:https://democracytimes17.jp twitter: https://twitter.com/dtimes17 Facebook: https://www.facebook.com/dtimes17 メルマガ:https://www.mag2.com/m/0001687521
20230127 UPLAN 辺野古の海を埋めるな!政府は沖縄の民意を尊重しろ!1・27「建白書」10年 日比谷野音集会 & 銀座デモ
【「止めよう!辺野古埋め立て」国会包囲実行委員会】 辺野古の海を埋めるな!政府は沖縄の民意を尊重しろ! オール沖縄会議呼びかけの「辺野古新基地建設断念を求める国会請願署名」を取り組もう! 2023年の1月27日は歴史的な日です。 10年前のこの日、沖縄県の41全市町村長・市長村議会長が署名・捺印した「オスプレイの配備撤回・普天間飛行場の閉鎖・撤去と県内移設断念」を求める「建白書」を携え、日比谷野音集会&銀座デモを行いました。 翌日には安倍首相(当時)に「建白書」を手交しました。 その後、県民は3回の県知事選挙と県民投票(2019年)で辺野古新基地建設に反対する民意を示し続けてきました。 しかし、政府は県民の民意を踏みにじり、埋め立て工事を強行し続けています。 県民は「勝つ方法はあきらめないこと」を合言葉に3000日以上のゲート前非暴力座り込み行動、さらに安和・塩川・海上での抗議行動で工事の進行を止めています。 また、知事は行政の権限を行使して県民と共に闘っており、埋め立て承認の取り消し、埋め立て承認の撤回、さらに工事が技術的に不可能な軟弱地盤の改良工事を不承認にしました。 知事の決定に対して、防衛省は国民の権利救済の法律である行政不服審査法を悪用し、国土交通相に県の取り消しを求め、国土交通相は県の決定を取り消しました。 さらに裁判所も政府の違法行為を容認する判決を下しています。 政府と司法が一体となり、知事の決定を覆して、基地建設を強行することは法治国家にあるまじき暴挙であり許せません。 辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議は、もう一度県民の声を政府に届けるために「辺野古新基地建設の断念を求める国会請願署名」を全国に呼びかけています。 この署名は辺野古新基地建設反対が全国の民意であることを政府に示すものです。 1・27集会で沖縄と全国の力をひとつにして辺野古新基地建設を許さない大きな声を上げていきましょう。 内容 沖縄からの訴え 福元勇司さん(オール沖縄会議事務局長) 著名人からのアピール
岸田さん、何が防衛政策の「大転換」なんですか? /ゲスト・田中均さん(元外務審議官、日本総研国際戦略研究所特別顧問)司会 尾形聡彦✖️望月衣塑子 ● TheNews1/24 スピンオフ ●
ゲストの田中均さんは、防衛費43兆円というのはたんにおカネの話ではなく「国の姿を変えること」だとして、それほどの話をきちんと議論せずに決めたことに疑問を呈します。岸田文雄首相は「防衛政策の歴史的大転換」だと言うが、いったい何を「大転換」したのか説明されていない、と指摘します。 1月24日配信の本編 ○The News ● 軍拡一辺倒のいまこそ外交の力を【田中均、望月衣塑子、尾形聡彦】 https://youtu.be/tyjdGhaW2S8 も合わせてぜひご覧ください! チャンネル登録もお願いいたします!
【古賀茂明】日本は本当に戦争をするのか、しないのか…防衛増税より何より「本質に関わる議論がない!」【ONEPOINT日刊ゲンダイ】
防衛費増額、異次元の少子化対策、そして賃上げ――岸田首相が掲げる政策に、野党からは「防衛増税するなら解散すべき」という声も上がり、「増税」に焦点が当たっているが、元経産官僚の古賀茂明氏は「議論のピントがズレている」「日本は戦争をするのか、しないのかという本質に関わる議論がない!」と指摘する。【チャンネル登録、よろしくお願いします!】※2023年1月26日収録 ◆古賀茂明氏の日刊ゲンダイ掲載コラムはこちらで https://www.nikkan-gendai.com/article... ◆「古賀茂明の時事・政策リテラシー向上ゼミ」はこちらで https://lounge.dmm.com/detail/1504/ #日刊ゲンダイ #古賀茂明 #防衛費増額
女たちはすべての軍事行動に反対します! 2023.1.28
#倉林明子 副委員長・参院議員スピーチ 「税金は軍事費ではなく暮らしに! 女たちはすべての軍事行動に反対します 憲法9条改憲NO!ウィメンズアクション」 #憲法9条改憲NO #ウィメンズアクション 主催:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会 性差別撤廃Project Team #大軍拡反対 #ジェンダー平等