
かわいく描けなーい!
だけど 我が家の評価は「くろの感じがでているね。」 笑っていた。
猫って、見ているだけで 笑ってしまう。 なんだろう。
スタイルが悪い、目つきが悪い、無様、ふてぶてしい、そんなことを言われながら…、なぜかそんなところがまたかわいい。
何が魅力なんだかわからないんだけど
「くろ」は我が家の人気者です。
猫の絵を描くとき、
まず、形をとるところから始めます。
ああでもない、こうでもない、何本も線を引く。形を捜す作業です。
絵を描くときの、半分ぐらいの時間がかかる。
足の長さ、目の大きさ、角度、全体のバランス。
昔、美大受験の時、何回も繰り返した、クロッキーや、石膏デッサンがなつかしく思い出されます。
今は、写真をトレースするという、便利なものがあるけれど、
あえて、一から手と目を使う。 私にとっては、一番大切な作業だから。
当然、写真とは完全に重ならない。 失敗も多い。
特に表情は、目の大きさや角度がちょっと違うと、もう別の猫になっちゃう。
こういう作業が、難しいけど結構楽しい。(実は失敗すると、苦しんで じたばたしてるけど…。)
絵は、もちろん出来上がった結果が大切だけど、
何でも見たものは描けるという自信をつけるためにはこの面倒な作業がどうしても必要なのです。
やはりデッサンは基本だと思います。 これは、私にとって絵を描くとき、いつも追求しなくてはいけないことだと思っています。
特に大きな画面に絵を描く時や、油絵のように始めに引いたラインが絵具で隠れて動いてしまう絵では、常に形を捜さなくてはいけないから、
この作業は必須です。
もちろん、トレースが必要な作品や、写真をそのまま使う作品は例外ですが…。
古典的と思われるかもしれないけど、
私は、この試行錯誤の中で、対象と会話している実感があるのです。