古処山からの帰路。
大刀洗を通過中に、
「あ、あの塔って今村教会じゃなか?」(家内)
「そういや、あれからどうなったやろ。ちょっと、寄って帰ろう。」(私)
見渡す限りの田んぼの中の小さな集落。
そこが今村地区である。
そんな小さな集落に屹立するのが今村天主堂だ。
あの鉄川与助が手がけた、九州最大のレンガ造りの教会。
1913年に完成、六角形の双塔が特徴的である。
重要文化財。
最近、歪みや痛みが激しく、耐震補強工事が必要と判断された。
だが、莫大な見積もりを前に、補強計画が暗礁に乗り上げていると聞いていた。
新聞記事によれば、概算で22~25億の見積もりとの事。
国と自治体の分を差引いても、2億円程の負担金が教会の所有者『今村天主堂保存会』に重くのしかかる。
重要文化財と言う前提を考えれば、修理方法も限定的とならざるを得ず、実際はもっと膨らむ可能性もあるんだとか。
それぞれの負担割合をどうするか、現在協議中である。
天主堂自体は、修理を待つ前に、既に使用不能となっていた。
私はキリスト教信者ではない。
ごく一般的な、浄土真宗東本願寺派の門徒である。
いや、門徒とすら言えぬ。
法事の時だけ手を合わせる、単なる不信心者でしかない。
そんな私だが、歴史的建造物としての感心は高い。
どうにか残して貰いたいものだが・・・