Tシャツとサンダルの候

彼岸花の川辺を歩く。

高良川で彼岸花まつりが合っていると聞いた。

 

いつもの山登りは今日は中止。

高良川を土手沿いに歩く事にした。

高良川はその名の通り、高良山や明星山などの耳納山系がつくった沢が集まって出来た川の一つだ。

 

小川と言っていいほどの小さく短い川で、やがてその流れは筑後川に注がれる。

土手を歩いていたら、子供らが、

「あ、亀じゃね?」

 

亀を追いかけ土手を走っていく。

 

うん。

 

君たちは正しい子供達だ。

そのまま、なにかを追いかけて大きくなりなさい。

てくてくと、土手を歩く。

 

やがて、

赤い帯が見えてきた。

 

赤、白、ピンクの花が咲き誇っていた。

 

そういえば、田んぼの畔道やこんな土手にはどこにも咲いていたよな。

 

自分の回りに田んぼの畦道が無くなってしまった事に気付く。

なんでも球根が有毒であり、モグラ除けに植えられたとも聞くが。

 

有毒な球根の割には蜜は美味しいらしく、たくさんのアゲハチョウが蜜を吸っていた。

 

今が見頃である。

 

土曜日だというのに、訪れるものはほとんどいない。

まあ、近くに駐車場がある訳でもないし、私のようにてくてく歩いて来るヤツなんていないか。 

 

 

ここまでくれば筑後川はすぐそこだ。

土手をそのまま歩いた。

筑後川の鉄橋が見えてきた。

 

ここが高良川の最終地点で、茂みの向こうは筑後川となる。 

筑後川の河原ではなにか競技があっている。

その上を西鉄電車が走って行った。 

 

 

あの電車は、俺が大学に通学してた頃も走ってたよな。

あれから40数年だよ。

 

はえーな。

 

などと感慨にふける。

 

 

 

さ、帰ろ。

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