久留米が生んだ洋画家吉田博の展覧会が、
「福岡県立美術館でやってるって。」(家内)
「ほほう。」(私)
吉田博は、水彩や油彩を経て、後年木版画に新境地を見出し、数々の作品を世に送り出す。
精緻な描写力から『絵の鬼』とも言われ、主に自然を題材とした作品が多い。
「吉田博なら行ってみようか。ついでに・・・」(私)
仕事柄、コロナの関係で、中々久留米に帰れない娘も誘う事にした。
と言うか、
娘を呼び出す口実に、吉田博展を使ったと言った方が正解だが。
たっぷりと作品を堪能した後、幾つかの版画のポスターや絵葉書を買い求めていると、
下の階から、カレーとか、何かのソースとかが、ない交ぜとなった匂いが鼻腔をくすぐってきた。
これは反則である。
「腹減った。下にレストランがあるごたるぞ。昼飯食おう。」
「ワンプレートハンバーグきのこソースでーす。」
美味そうやん。
頂きまーす。
「旨かあ!ところでこの後、どこ行く?」(私)
「白糸の滝は?」(娘)
おー、いいじゃないか。
白糸の滝には行った事無いし、
それに、あそこも通り道の筈だし。
白糸の滝公園到着。
いい具合に紅葉も進んでいる。
あ、これか。
なるほど、白糸である。
売店の前に『名物ヤマメ饅頭』と書かれた看板が置いてある。
「それ下さい。」
うむ~。
まさか、がぶっと齧り付いたら、ヤマメが丸ごと入ってるって事無いよな。
がぶっ!
やっぱりあんこだよな。
そりゃそうだ。
そんじゃ、山を下りようか。
次はあそこだ。
白糸の滝から人里に降りて暫く行くと、周りを田圃に囲まれた酒蔵がある。
白糸酒蔵である。
前から訪ねてみたかった酒蔵だ。
白壁の蔵が売店だ。
あれを買って、どうせならあれも・・・
ウヒヒ
「ごめんくださーい。」
「いらっしゃいませー。」