1週間程前、明星山日記と題して投稿した。
その際、
飽きっぽい私の事だ。
この先、この観察日記が継続される事は無かろうと断言していたが、
何と、
第2弾を今、こうして書いている。
飽きっぽい性分なのはその通りだが、いい加減であるのも私なのだ。
今回、私ら夫婦と共に、大学の先輩夫婦と一緒に登った。
ソーシャルディスタンスに気を付けながらの山登りである。

明星山到着。
ここからは、前回からのエビネ、金蘭、そして例のベニツチカメムシを中心に観察していきたい。

エビネは1週間前と、さほど変わらず。
7株のうち4株だけが、花を咲かせている

一人の見知らぬご婦人が登ってきた。
「金蘭、見ました?」(ご婦人)
「いえ、これからです。」(私)
「あそこの金蘭って・・・」
この方の言を借りれば、去年までの株は、やはり盗採されていたとの事。
私が危惧していた通りだった。
「やっぱりそうでしたか。掘り返されたような跡があったし、私もそうではないかと。」
「そうです。今咲いてるのは、去年より株が小さいですよね。」
おのれ・・・
沸々と怒りが湧いてきた。
やい、盗人野郎!!
金蘭は、その場所の土の中にいる特殊な菌でしか育たないと言うではないか。
別の場所に持ち帰っても、数年で枯死するだけだ!
大馬鹿者め!!

山頂にはミヤマウズラもある。
花期までは間があるので、暫くは観察保留である。
山頂からは、いつもの白金山縦走路を行く。
注意深く探しながら歩くも、ベニツチカメムシのポイントが良くわからない。
どこだったっけ。
こういう時に目が効くのは、何時も家内である。
「居た!!」

そう言えば、ここだった。
でかした!
興味深いのは、ベニツチカメムシは子育てをする昆虫である事だ。
少し長くなるが引用する。
ベニツチカメムシは、雌親が単独で子の世話をします。
まず、落ち葉や土の窪みに巣をこしらえ、そのなかで100個以上もの卵を産みます。
卵はボール状の塊にまとめられ、雌親はそれに覆い被さるようにして、十日間以上何も食べずに護り続けます。
そして孵化の瞬間、「さあ、出ておいで」と卵の中の子供たちに呼びかけるように、身体を揺らして振動を卵塊に与えます。
振動を与えられた卵塊は、雌親の呼びかけに応じて、わずか数分以内に一斉に孵化をしてくるのです。
子を孵化させた雌親は、しばらくするといそいそと巣から出てきます。
おなかをすかせた子供たちに与えるボロボロノキの果実を求めて、ときには林床を数十メートルも歩き回ります。
ベニツチカメムシの雌親は、生涯にたった一度しか卵塊をもつことができません。
そのため、雌親は子供たちに強く執着し、子供たちもまた雌親の世話に強く依存しています。
雌親は数十個に及ぶボロボロノキの果実を巣に運び入れ、多くの場合、子育て中にその命が尽きてしまいます。
国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所より引用。
との事。
なんだか、ホロリとさせられるではないか。
因みにベニツチカメムシはカメムシとは言え、臭い匂いなどは発しない。
5~7月が繁殖期で、それ以外は休眠状態であると言う。
なるほど。
今までこの山で、私が見てきた状況と合致する。

どっちがオスで、どっちがメスかは皆目わからぬが、どうやらプロポーズの最中らしい。
2匹の幸せを、心から祈りたい。

途中、蘭らしき株を発見。
花芽は出ているようだから、そのうち判別できるようになるかもしれない。
これからの観察対象としたい。

問題の金蘭である。

前回までの観察対象の金蘭の花弁は、白く変色していた。
このまま盗採される事無く、来年大きく育った姿を見る事が出来るよう、祈るのみである。

春蘭は今回で観察終わり。

縦走路の主流だったオドリコソウやムラサキケマンに変わり、タツナミソウがその地位に付きつつある。

白金山到着。

スイカズラ
明星山観察日記。
果たして次回は?