乙一さんの作品です。
やっと図書館で借りられました。
またあとがきから読んでしまいました。
変わり者だけど、正直な人という印象は変わりません。
「きみにしか聞こえない」は友達もいないから携帯も持っていない
孤独な少女のお話です。
その少女が似たような寂しさを抱えている少年と心の中の
携帯でつながることが出来ます、
誰に聞かれることもなく二人だけの幸せな時間が過ぎて行きます。
そして、現実の世界で会うことになりますが、
そこで思いもかけない交通事故に遭ってしまいます。
二人は自分の命をかけて相手を救おうとします。
果たして二人の運命は?という展開になります。
私はある意味ハッピーエンドだと思います。
乙一ワールド全開の不思議さと切なさのなかで
一気に読んでしまいました。
私自身、子供の頃は割りに孤独で友達も少なくて、
この少女に感情移入してしまいました。
今は「内気で」なんて言うと「どこが~」と大笑いされてしまいますが
おばさんになっても、切ないお話大好きです。
物語に浸ってひととき涙することがあっても、その涙を拭って
前に進もうとする希望が乙一さんの小説にはあると思います。
他の二編も不思議で切なさに満ちていますが、
読んだあとは、また頑張ろうと思える物語です。
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