Ring☆Rang☆Rung!

ばかわいらしいもの・お人形・手作りetc.…そこはかとなく綴っています…

源九郎狐。

2008-08-01 13:08:53 | 日記・エッセイ・コラム

 昨日、歌舞伎座の昼の部を観て来ました。

 先日の “ 魑魅魍魎祭り ” だった夜の部とはガラリと変わって、昼の部の演目は 歌舞伎らしい義太夫物…。

 

Photo_2 【 義経千本桜 】 より、

 『 鳥居前

 『 吉野山

 『 川連法眼館

 所謂 “ 狐忠信 ” の

 3場です。

 

 

 

 

 

 

 内容は…?

 『 鳥居前 』 ―― 都を落ちてゆく源義経に 愛妾・静御前は供を願い出ますが、義経は 「 都へ戻り、迎えを待て。」 と断り、左大臣より賜った “ 初音の鼓 ” を預けます。

  静御前の窮地を救った佐藤忠信に、都への同行を命じ、義経と家来達・静と忠信は別れ別れに歩んでゆきます。

 『 吉野山 』 ―― 都へ戻った静御前は ほどなくして、義経が吉野山へ向かったと知り、忠信を供に吉野山を目指します。

 『 川連法眼館 』 ―― 吉野山の川連法眼の館に匿われた義経の許に、忠信が現れます。

  そこへ、静御前が忠信を伴い到着したとの知らせが…。

  実は 静の供をしていたのは、子狐の化身。

  義経が拝領した鼓は、千年の寿命を持つ2匹の狐の皮で作られていて、その2匹の狐こそが子狐の両親なのでした。

  子狐は、親への思慕から鼓に付き従って来たのです。

  泣きながら素性を明かし 別れを告げて去ろうとする子狐…。

  義経は、その考を愛で 静を守護してきた功を尊び、子狐に鼓を与えます。

  子狐は喜び、義経を狙う吉野山の悪僧たちを霊力で退散させ、父母の鼓を抱いて故里へと帰ってゆきます。

 …こんな感じのお話です。

 私は “ 四の切り ” と呼ばれる 『 川連法眼館 』 の場が大好きです。

 子狐の語る様が哀れで憐れで、いつも泣いてしまいます。

 侍と狐、二人の忠信を早替りで観せ、あちらへ消えたかと思うと こちらに現れ、まさに神出鬼没…ケレン味もたっぷりです。

 最後には 宙乗りもあります。

 今回の源九郎狐を演じた 市川海老蔵丈は、相変わらず 流石のオーラでした…。

 おそらく 3階の一番後ろまで届く程の眼力!

 大きな劇場がビリビリ震える程の力強い声…姿は勿論美しく、またしても ほとんどのお客様が前のめりになっていました。

 私がこっそり(?)注目している市川段治郎丈の義経も、とっても麗しくて素敵でした。

 そして、大好きな坂東玉三郎丈の静御前。

 私は、日本舞踊家である大叔母に 「 踊りはね、極めれば極めるほど 無駄な枝葉が削ぎ落とされてシンプルになってゆくのよ。そして それこそが最も美しいの。」 と教わりましたけれども、玉三郎丈を観る度に この言葉が想い出されます。

 本当に無駄な動きがなくて、美しいのです。

 海老蔵丈・玉三郎丈、美男美女の桁外れのオーラに圧倒されっぱなしの一時でした♪

 狐忠信の宙乗りの最後、揚幕に入る直前に、桜吹雪が舞います。

 

Photo_3 源九郎狐。

 嬉しそう…。

 

 

 

 

 

 

 一緒に観劇していたちゃんの息子さんの君は、客席に残された その桜の花びらを拾い集めて、お土産にしていました。

 

Photo_4 これは 古の昔、

 【 義経千本桜 】で

 私が拾って来た

 桜の花びら。

 

 

 

 

 いつの時代も、お子達のすることは 同じなのですね…。