いよいよ2度目の出張が始まります。
私の予想通り取引先の課長の当たりはキツくなっていました。
課長が私の会社に脅しの電話を入れては、その反応をスピーカーにしてみんなに聞かせて楽しんだり。やることがどんどんえげつなくなっていきました。
うちの会社の部長が何度も呼び出されたり、仕事をする上で必要な情報を教えられなかったり。そのため、手探りでやるしかありません。当然、作業時間は長くなり、いつ帰れるのか見当もつかない状況になりました。
私は機械がフル稼働の工場で1人システムの動作テストをする日々。真夏+機械の熱という最悪の条件下で10時間近く仕事をしていました。
終始汗だくで、自分の身を守るためにも頻繁に水分補給をしていました。
私の体調も順調に(?)悪くなります。毎日お腹をこわし、汗だくになりながらフラフラで作業。そして課長のパワハラを近くで見る度精神的にもキツくなってきました。
1週間が普通に過ぎ、計画を実行する頃合を見計らっていたとき、きっかけとなる出来事が起きます。
夜になり、仕事を切り上げて帰ろうとしたとき、うちの会社のリーダーに、席を立つ回数が多いことを指摘され、いちゃもんをつけられます。
この人は部長に従順な犬なので、これは部長の考えだなと直感でわかりました。
坐骨神経痛であること、終始汗だくになる環境下であること、毎日10時間近く働いていることを踏まえても、何言ってんだこいつくらいに留め、適当に受け流していました。
しかし、思いのほかグダグダと言われるものなので、バスの時間に乗り遅れることもあり、強制的に話を遮って帰りました。
出張の条件は
・期間は1週間程度
・バスのある時間に帰る
です。
守る気もないくせにと無性に腹が立ちました。大人気ないですが、リーダーが呆気に取られるくらいの気迫で帰りましたね笑
「自分の身は自分で守る」が私のテーマになっていました。
ここで大きなきっかけを作ったので、後は計画を実行するのみ。
ホテルに着いた後、脱出するための最後の打ち合わせをします。
無理やり帰ったのが水曜日だったので、木曜日は体調不良で1日休み、金曜日に新幹線で帰る、という計画で進めることにしました。
リーダーとも話をつけ、水曜日のこともあったのですんなり脱出できました。
見事に取引先の課長も激怒し、私の予想通りの展開になりました。
好きなだけ悪口を言えよという気持ちで新幹線に乗って帰りました。
後は事後処理と、会社の化けの皮が剥がれるのを見届けるのが私の役目です。
出張脱出大作戦を考える前から会社を辞める気でいたので、まずは自分がこれからどうなるのかを知ってから、次の計画を立てることにしました。
実は中国人の彼氏は、某大学院で日本の労働法を専門に研究していました。
私自身も公務員試験で法律も勉強していたので多少の知識はあります。
どうなってもいいように、もしもの場合に備えて法的な対応も視野に入れていました。
会社の情報を仕入れ、アドバイスしたり一緒に計画を立ててくれた上司や同僚。
取引先の課長の様子をチェックし、うまく取り入ってくれた先輩。
法的な知識や対応に強い彼氏。
私のそばには強い味方がたくさんいました。
みんなのおかげで出張脱出大作戦を無事成功させることができました。2年以上経った今でも感謝しています。
こぼれ話のようになってしまいますが、出張中に彼氏が実は既婚者で最近離婚した事実を知り、何も知らずに付き合っていたことにわりとショックを受けていました。でも、出張脱出の方もなかなかアドレナリンのいることだったので、動揺している場合ではありませんでした。
そのおかげ(?)で彼を許し、何とか持ちこたえられたんだと思います。良かったのか良くなかったのか、今となってはわかりません。