カトリック菊池教会 


毎週の福音書と典礼にそって人生の素ばらしさを探る一言
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毎週の一言 B年 年間第二十八主日

2009年10月10日 | 神父様からメッセージ(B年)
イエス様のことを愛される皆様へ、

赤トンボが青空を舞うようになると、至るところで咲き乱れるコスモスの花を見ることができます。日本の風景に溶け込んで、古来の花と思われがちですが、生れ故郷はメキシコの高原です。明治時代に渡来し、繁殖力の強さもあって日本の秋にはかかせない花となっています。色とりどりの花を咲かせ、群生して咲く様子が桜の花に似ているので「秋桜」と言われています。
さて十月はロザリオの月で、皆さんがマリア様に結ばれて天国の喜びの方に引きつけられることになっています。ロザリオは観想の祈りで、それを通してイエス様の生涯を黙想します。それにお祈りでありながらマリア様への深いつながりをつくり、マリア様からたくさんの恵みをいただくことができます。日常生活で悩む時にロザリオを手に祈り唱えれば心が支えられ平穏な安らぎを得ます。また十月がもたらした贈り物の籠の中に「世界の宣教の日」もあります。その時教会の目標が明らかになります。それは全世界にイエス様の愛、イエス様の言葉、復活されたイエス様の命が広がるお祝いなのです。キリスト信者はイエス様と同じように全世界を愛して全人類の救いを望んでいます。このような神様からいただいた使命をどのように果たすべきかとキリスト信者は日々模索しながら努力しています。これは押し付けられたような義務ではなく、神様に対する感謝を現わすためにイエス様の使命を自分の使命として、全世界に神様の愛を告げ知らせる努力なのです。
マルコによる福音書 10・17-30
イエス様に従う人の信仰は何度もいろんな時に試されています。人間には思い通り自由な心で動くことを赦さない、心を縛る力があります。それは「富」のことです。聖書でのこの言葉には実際的な富の力、または人間の心を富への愛着で縛り悩ませること等全て含まれています。だから当福音書はキリスト信者が自分の人生の中で正しく、自由な心で一番いい選択をすることを勧めています。現在ある世界と霊性の世界との調和をもとめるイエス様が勧めることは、現在ある世界を廃止するのではなく、むしろそれに係わりながら、自由な心またはより良いことを神様の光栄のために自分の人生に神様の贈り物として取り入れることです。人間にとって、そのような冷静な選択は簡単なことではありませんが、神様が送られた聖霊の光によって実行することが出来ます。イエス様の言葉、イエス様がなさった全ての出来事もいつも「死と復活」過ぎ越しの神秘、という枠の中に見られます。今回も富の力は人間の心を滅ぼすのですが、洗礼の時に問われたように、それをより素晴らしい生き方のために拒否できれば神様との出会いの喜びを味わうことが出来ます。神様と同じく「善い」であるイエス様のところに来る人は確かに熱心な者で、掟を全て守る人です、しかし気づいていなかったことがありました。イエス様が見つめる目です。その目は神様の愛を語っています。私たちが神様の方へ進む前にその目が私たちを引き寄せてくださいます。そして、旧約の神様の愛の約束を実現されたイエス様が、出会った人に一つのことを勧めています。神様の愛に自分の人生で応えることです。
                     
                          モヨリ神父