歴史を感じる食べ物です。
1958年に世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発明した安藤百福は、22歳の若さで独立して以来「何か人の役に立つことはないか」「世の中を明るくする仕事はないか」という確固たる信念のもとに、さまざまな事業を行いました。
また、終戦後に飢えで苦しむ人々が街にあふれる光景を目にして、「やっぱり食が大事。食がなければ、衣も住も、芸術も文化もあったものではない」と、「食」の大切さを痛感したのでした。
インスタントラーメン発明のきっかけになったのも、終戦直後に大阪駅近くの闇市で目にした、1杯のラーメンを食べるために並ぶ人々の長い行列でした。安藤は、日本人が麺類好きであること、そしてこの行列に大きな需要が隠されていることを感じとり、のちにインスタントラーメンの開発を決意します。
安藤は開発にあたって、5つの目標を立てました。おいしくて飽きのこない味、家庭の台所に常備できる保存性がある、調理に手間がかからない、そして値段が安く、安全で衛生的であること。
こうして生まれたインスタントラーメンは当時の常識では考えられない食品として「魔法のラーメン」と呼ばれるほどの大ヒット商品となり、世界の食文化をも変えていきました。