きのう『メイド・イン・バングラデッシュ』を観ました。
バングラディシュの首都ダッカの縫製工場で働くシム。
家には働かない夫がいて家賃は数カ月も溜まっています。
1日1,650枚のTシャツを縫っていますが、
シムの月給はそのTシャツ3枚分。
夫婦ふたりが生活できるものではありません。
職場環境は劣悪というより最悪、
ミシンで作業する女性たち30人ほどを2、3人の男性が監視して、
製品の出来上がり具合などを厳しくチェックしています。
ある日、作業中に火事になって従業員ひとりが亡くなりました。
またある日は、残業になって全員が工場に泊まることになりました。
寝具もないまま床の上で休みましたが、その日の残業代は支給されません。
シムたちの不満はたまる一方ですが、とどうすることもできませんでした。
そんな折、シムは労働者権利団体の人に声をかけられ、
労働組合の結成をすすめられます。
そして、労働の法律を学び、同僚たちを説得し、
組合設立のための署名集めに奔走します。
でも、それが会社に知れることになり解雇を言い渡されます。
窮地に立たされたシム、それでも踏ん張り続けるシム。
イスラム圏の女性たちの切ない話の終わり方を想像していましたが、
その踏ん張り方が予想外にたくましくて、ちょっと、グッときました。
実際にあった話がモデルになっているそうです。
わたしが着ている安価なTシャツが、
シムや他の女性たちの汗と涙の結晶だということを知って、
とても複雑な思いもした映画でした。
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