星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

劇団M.O.P.「ズビズビ。」   □観劇メモ

2006-11-26 | 観劇メモ(演劇・ダンス系)

 公演名 ズビズビ。
 劇場 IMPホール
 観劇日 2006年11月19日(日) 
14:00開演
 座席 J列

●キャスト
キムラ緑子  三上市朗  小市慢太郎  林英世  酒井高陽  木下政治  
奥田達士   勝平ともこ  岡村宏懇  友久航塩湯真弓  永滝元太郎  
塩釜明子  神農直隆  権藤昌弘(飛ぶ劇場)

<感じたこと>
1週間たってしまって今さらだけど、自分が感じたことだけ書いておこう。
東京公演がまだのようなので、いちおうネタバレご注意!!

オムニバス形式の演目が4本。こういう形はM.O.P.でも初めての試みらしい。
それぞれのエピソードは独立していて、4本の共通点は舞台設定が楽屋であると
いうことのみ。
個人的には、微妙につながっている最初と最後のエピソードが密度が濃くて好き。
コメディ仕立ての2本目、3本目は笑ってほろりのウェルメイドなお話。

「ずっと貴方が・・・。」
 もう輝きを失った往年の人気俳優と、彼を取材に来た地方新聞記者の女性の話。
「ビッグな男」
 地方の大衆演劇の一座を率いる兄と、昔飛び出した一座に戻ろうとする弟の話。
「ずいぶんな話」
 女(舞台監督志望)が学生時代の憧れの男(役者)と同じ公演で再会する話。
「ビター・スイーツ」
 人気ジャズバンドの話から、戦後日本のジャズブームの隆盛と衰退を描いた作
 品で、1本目の前編とも言えるエピソード。

短編が4本。
たしかにそうなのだけれど、全部を見終わってみると4本中3本にある同じ登場
人物が出てくる。その断片をつないで勝手にこちらで補ってみると、1本の長編
ドラマが透けて見える構成でもある。
私としては観終わった後、実はそちらが気になってしまった。つまり、ひょっと
したら、いつか南大作をタイトルロールにした長編舞台が上演されるかもしれな
いという期待・・・。題名は「南大作が愛した女たち」(←オイオイ)。
もちろん小市慢太郎さん主演。しかもタイトルロールである南大作よりも3人の
女たちのほうが出番が多いという設定(笑)。その3人の女性をキムラ緑子さん
が一人で演じる・・・。三上市朗さん、ジャズマンになったり、森の石松大好き
なヤクザになったり・・・って、短編オムニバスのまんまやんか~(笑)。

そんな妄想をしてしまうほどこの3人の存在感は大きかったということかな。
観客を一瞬にして惹き付けてしまう求心力が素晴しい、キムラ緑子さん。
特に「ずっと貴方が・・・。」の最後の号泣シーンがね。観客は全員ハート持っ
ていかれてます(笑)。
小市慢太郎さんの磨きのかかった薄笑いには見ていて恐くなったり、とろけそう
になったり。老人俳優の鬱屈した演技、4本目のジャズマンの渋い役もイイ。
芝居大好きヤクザをあれほど魅力的に演じられたらたまりません、三上市朗さん。
全編に流れる<舞台を愛してしまった人たち>を代表で体現したような役だった。
3人がそろうのは4本目のみ。
「ビター・スイーツ」というジャズバンドにまつわるエピソードで、哀しくて色
気があってカッコいい大人の演技に引っ張られた。
だからこそ、短編ではもったいないと思うんですよー。
オムニバスではなく、もう一度長編作品で、南大作と彼が心を寄せた彼女たちに
会いたいと思った今回の公演だった。

カーテンコールの様子は下記リンク先に。
特製ポストカードセット、19日もほしかったよ~。


「ズビズビ。」大阪千秋楽カーテンコール(このブログ内の関連記事)

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2 コメント

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次回はゼヒ! (midori)
2006-12-07 13:21:14
ムンパリさん>
どうもです♪
MOPは以前から名前のみ認識で、機会があればと狙って
ました。
今回も、行きたかったのですが日程等々調整がつかず
見送ったんです…。
でも!
日参するブログ(かしまし娘さんです)でのアップを
拝見して、悔し涙にくれちゃいました。
そして、ムンパリさんのアップを読んで、更に悔しさ
を募らせています…。
(オーバーですみません)(^^;
今回は、作品的にも絶対、私好みだった気がするんで
すよね……。
(ーー;
もうもう絶対、次こそは行きたいと思います!!
(><)

今週末は同じ大阪に居ながら、すれ違いになってしま
いますが、ぜひ又、ランチorお茶させてください!
(*^^*)
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ええ、ぜひぜひ! (ムンパリ)
2006-12-08 22:54:28
midoriさん、ども~。
M.O.P.は私、ン十年前から見てます~。
関西出身の劇団ですけど、お笑い系志向ではなく、むしろスタンダードなウェルメイドなお芝居を目指していると思います。粋でお洒落なところもあって、そのへんが大人のお芝居って言われる理由じゃないでしょうか・・・たぶん(笑)。
キムラ緑子さん、小市慢太郎さん、三上市朗さんは舞台の客演やTVでしょっちゅう見かけますし、他のメンバーも味があって、お芝居がうまいんですよ~。フルメンバーがそろった劇団の本公演はお薦めです!
それにしても他人が観て、自分が観られなかった作品はなぜ悔しいんでしょうかね~。私、最近はできるだけ東京方面を見ないように生きてますが(笑)。
大阪ランチ or カフェはまたお時間のある時に、ぜひぜひごいっしょさせてくださいませね~。良い週末を♪
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