巴御前(ともえごぜん)は平安時代末期の女性 生没年未詳
勇婦として知られ木曽(源)義仲に従ってしばしば戦功を立てた
安政6年(1859)出版 歌川豊国(国貞)絵
巴は木曽義仲の妾(しょう)にして一騎当千の女武者
粟津の戦い敗れて石田為久に義仲を討たれ
巴もまた和田義盛に生け捕られる
義盛は巴の力量を感じて源頼朝に許しを乞い
妻となって一子をもうける これが朝比奈三郎義秀である
義秀が和田合戦の時二十五歳で討ち死にすると
一族追福のため髪を落とし菩提を弔わんと
念仏三昧にして生涯をおくる巴は九十余歳の長寿を保った
梅素亭記