著者、藻谷浩介 NHK広島取材班による事例紹介。
世界を圧巻しているマネー資本主義に抗して、人間として生きる、真に豊かな生活とは何かを提唱する。 3.11以降、これまで我々が享受してきた大量生産、大量消費、大量のゴミ社会への懐疑がより一層強くなった。何が幸せなのか、何が豊かさなのか。あれからまだ2年半、アベノミクスが覆いかぶさっている。またもや経済最優先へと押し戻そうとしている。低賃金、長時間労働、不安定雇用、ブラック企業の横行、心も体も家族も地域も壊されていく。 このマネー資本主義の対にあたるのが里山資本主義である。それは物々交換であり、手間返しである。人と人とがお金を介せずに繋がっている。「原価0円からの経済再生、コミュニティー復活を果たす現象」である。使われていなかった山林や空き地、空き家、そして手付かずの自然ではなく、適度に人間の手が加えられた里山、これらへの新たな「価値」を見出す人々が日本国内のみならず、世界の人々に広がりつつある。森林を手入れすることで木材を生産し、間伐材で安定的な燃料を得る。地域の農家から原料を高く購入し、付加価値をつけて売ることで共存共栄を図る。食糧、エネルギー、コミュニティー、そしてお金を自らの地域に再生することができる。 時代の曲がり角に差し掛かっているのではないか?拝金主義から里山資本主義へ。
最新の画像もっと見る
最近の「本と雑誌」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2010年
2009年