里の家ファーム

無農薬・無化学肥料・不耕起の甘いミニトマトがメインです。
園地を開放しております。
自然の中に身を置いてみませんか?

生態系生かす農業に 日本の食守るヒント OKシードプロジェクト事務局長 印鑰智哉さん講演

2025年02月21日 | 自然・農業・環境問題

「しんぶん赤旗」2025年2月19日

 農民運動全国連合会(農民連)女性部総会で、OKシードプロジェクトの印鑰(いんやく)智哉事務局長が、工業型農業への対抗策としてのアグロエコロジー(生態系を生かした農業)について講演しました。要旨を紹介します。

 土は食料生産を支え、木以上に二酸化炭素を蓄えています。植物は光合成で炭水化物をつくりますが、炭水化物の4割を土壌中に流します。その炭水化物で微生物を呼び寄せ、ミネラルを集めてもらい吸収しています。

 土壌中のこの共生を壊すのが工業型農業です。化学肥料でミネラルを与えると、植物は微生物を呼び寄せる必要がなく、余分な炭水化物を出しません。すると、その分を成長に使えるので、当面は植物がよく育ちます。

 しかし微生物がいなくなると、病気に弱くなり、農薬も必要になる。工業型農業は、こうして遺伝子組み換えの種・化学肥料・農薬の3点セットで売り込んできます。

 微生物のいる土は軟らかく、保水性も高まります。化学肥料を入れた土は硬く、すぐに水が干上がってしまう。そしてカラカラに乾いた土が、風に吹かれてなくなり、雨が降れば流れてしまいます。さらに化学肥料は地下資源からつくるので有限です。地下資源に頼らない農業を考える必要があります。

 環境を壊す工業型農業への対抗策として発展してきたのが、生態系を生かし、土壌微生物の力を活用するアグロエコロジーです。決まったやり方を押しつけるのではなく、地域ごとに適したやり方を見つけます。生態系の重視で、気候変動もおさまり、生物多様性も戻ります。

 ブラジルでは、2000年ごろからアグロエコロジーが全国に広がりました。工業型農業に取り組んでいた人たちは、債務に苦しみ離農する人が増えました。一方でアグロエコロジーに取り組んでいた人は年々生産性も増え、生き残りました。10年以上これを続けて、ブラジルは国としてかじを切りました。国連も力を入れ、欧州や米国でも広がっています。

 日本の食料・農業・農村基本法は、工業型農業の推進が骨格です。さらに日本の農政は米国に隷従しています。米国産食料を買うために食料自給率を上げられないのです。

 しかし、大規模に大豆やトウモロコシをつくることは環境負荷が大きく、輸入が止まれば日本の食は壊滅します。この構造を変えていくヒントがアグロエコロジーにあります。


わたしも多品種、少量生産です。
大規模な農地を持つと機械化や化学肥料、農薬、除草剤等に頼らざるを得ません。
大きな人口を維持するために、大規模農業も必要でしょう。
でも、小規模の農家を切り捨てるべきではありません。
農業をしたい人が規模にかかわりなく参加できる体制がなければ日本農業は衰退するでしょう。


京都議定書20年 排出大国としての責任果たせ

2025年02月16日 | 自然・農業・環境問題

「しんぶん赤旗」主張 2025年2月16日

 先進国に二酸化炭素など温室効果ガス(GHG)の排出削減を義務付けた京都議定書が2005年2月に発効してから20年がたちました。京都議定書は、日本が議長国となって京都で開かれた気候変動枠組み条約第3回締約国会議(COP3、1997年)で採択されました。気候変動(地球温暖化)対策を法的に義務付けた初めての国際的取り決めです。

 当時最大の排出国だったアメリカが石油業界などの意向を受けて2001年に離脱するなど逆流もありましたが、地球環境を守れという世界の世論の後押しで発効に至りました。人類的課題に世界各国が協調して取り組む重要な一歩となりました。

■米がパリ協定離脱

 世界のGHG排出量は増え続けており、猛暑、水害、生態系破壊など影響は深刻化しています。昨年の世界平均気温は、初めて産業革命前より1・5度以上高くなりました(世界気象機関)。排出削減はまったなしです。

 ところが、トランプ大統領によるアメリカのパリ協定離脱という新たな逆流が生まれています。

 2015年のCOP21で採択されたパリ協定は、気候変動の影響が深刻化し、人類文明への脅威となることを避けるために、先進国も途上国も共に努力することを定めた取り決めです。

 世界各国は、パリ協定に基づき、世界の平均気温の上昇を産業革命前より1・5度までに抑えようと、目標をもってGHG削減に取り組んでいます。

 一昨年のCOP28では、化石燃料からの脱却をめざすことが合意され、昨年のCOP29では、途上国の対策を進めるための気候基金を3000億ドルに増やすことが合意されました。

 アメリカは世界第2位の排出大国です。世界の努力に背を向けてパリ協定から離脱するなど、無責任の極みです。ただちに撤回すべきです。

 ところが石破茂首相は、トランプ大統領との会談で何ら批判しませんでした。逆に、新たなLNG購入という形で、気候危機打開に背を向けるトランプ氏に協力する姿勢を示しました。日本は中米印ロに次ぐ世界第5位の排出大国です。アメリカにパリ協定復帰を働きかけることを含めて、積極的な役割を果たすことが求められます。

■削減率引き上げよ

 「1・5度目標」のためには、世界のGHG排出量を2035年までに19年比60%削減する必要があります。

 イギリスの目標は、1990年比81%削減(2019年比66%削減)です。アメリカがパリ協定離脱決定前に出した目標は05年比61~66%削減(19年比56~62%削減)でした。

 日本政府の目標案は、13年度比60%削減(19年度比53%削減)にすぎません。排出大国としての責任にふさわしい目標へと引き上げるべきです。日本共産党は、13年度比75~80%削減(19年度比71~77%削減)を強く求めます。

 逆流や抵抗を乗り越える力は、国内外の世論と運動です。人類的課題のために力を合わせましょう。


天氣予報、昨夜の段階では今日の降雪は無かったのです。
朝目覚めて玄関を開けると積雪は無くやれやれと安堵したのですが、そのあと降ってきました。
予報を確認するとチャッカリと1hの雪マーク。
まだやまず、再度確認すると2hの雪マークに。
その後ずっと雪マークに。
手伝ってもらっている相方さんに、今日は納屋の雪降ろし2回目するからと言った手前、出かけてきました。


農民連会長 長谷川敏郎さん 農政変える闘い大きく 食と農の危機を“自分事”と捉える流れ

2025年02月10日 | 自然・農業・環境問題

「しんぶん赤旗」2025年2月7日

 農民運動全国連合会(農民連)は1月15~17日、第26回定期大会を開き、当面の運動方針を採択し長谷川敏郎会長ら役員を選出しました。長谷川会長に、食と農をめぐる情勢や闘いの展望を聞きました。

 日本の食と農は、歴史の大きな曲がり角に来ています。昨夏以来、米不足と米価高騰が続いていますが、そもそも主要先進国で、主食が探し回っても手に入らない事態が起こること自体が異常です。農業の担い手も減り、養豚農家は国内で3000戸あまり、ブロイラー(肉用鶏)は2000戸ほど、鶏卵農家も1600戸あまりしかいません。

広がる信頼

 畜産・酪農だけでなく、野菜や果樹も含めて、昨年は全ての品目で収量が減少しました。端緒的に表れた主食の米だけでなく他の農畜産物も含めて、日本の食と農は相当深刻な事態にあります。

 一方で、この緊急事態を“自分事”として捉える消費者や市民が広がっています。昨年、食と農の学習会が全国草の根で広がりました。農民連の役員が講師を引き受けたものだけでも全国100カ所、参加者は1万人を超えました。学習会で話を聞いて、新日本婦人の会の畑づくり小組に参加するようになったり、生協でも「生産する消費者運動」と銘打った取り組みを始めたりしています。

 こうした危機意識の高まりと合わせて、農民連としても、政府の政策に対する対案を示すことだけにとどまらず、アグロエコロジー(生態系を生かした農業)の提案など抜本的な立て直しの方向を示してきました。そうした取り組みに信頼が寄せられていると感じます。

 食と農に対する問題意識の高まりを背景に、全国で若い新規就農者も現れています。農民連としては、全国でこうした人たちを受け入れられる組織になっていきたい。そのために必要なのは、「お互いが助け合える組織になる」ということです。

 農家の高齢化と離農が全国で進んでいますが、これをどう食い止めるのか。農家は自分の厳しい経営にきゅうきゅうとしています。そして高齢の農家は、機械が一つ壊れたタイミングで、スッと辞めていってしまう。その前に「困っている」「助けてくれ」と声をあげられる関係があるかどうかが大事です。そのためにも今、農家に足を運んで、困りごとを聞き、運動につなげていこうと呼びかけています。

有機給食も

 5年に1度立てられる、食料・農業・農村基本法に基づいた「基本計画」が3月に閣議決定されます。当面、ここに食料自給率目標や農家への直接支払い、新規就農支援を書き込ませることが運動の目標になります。合わせて、7月の参院選でも自公を少数に追い込むような情勢をつくりたい。

 2009年からの民主党政権では、食料自給率目標も50%に引き上げられ、そのための施策も実行されました。このように、農政を実際に変える闘いをしていきたいです。

 学校給食の運動も大事です。無償化と合わせて地場産有機農産物の活用が全国で広がっています。安全面への配慮だけでなく、地域農業を再生しようという動きの表れだと見ています。これも、食と農を“自分事”と捉える流れの一環でしょう。学校給食に支えられて若い農家が有機栽培を始めたり米の生産を始めたりといった動きもあります。全国で力を合わせて後押ししていきたい。

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増えるコメ輸出

「しんぶん赤旗」2025年2月6日【経済】

 日本からのコメの輸出額が急増しています。農林水産省の「農林水産物等輸出実績」によると2024年の輸出額はアフリカなどに向けた支援米を除き、120・3億円でした。04年の2・3億円から50倍以上に増加しました。とりわけこの数年は前年に比べた伸びが目立ち、24年は27・8%増でした。

 政府は農林水産物・食品の輸出拡大に力を入れ、20年に「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」(戦略)を策定。コメなど27品目(その後の改訂で29品目に拡大)を輸出重点品目としました。アメリカや香港を中心に、おにぎり屋やすし店など日本食レストランが増加し、外食向けのコメ需要が拡大したことも影響してコメ輸出が増加しました。

 一方、国内では昨年、深刻なコメ不足が起こり、新米が出回っても品薄感から高騰が続きます。政府がコメの生産量を需要ギリギリに抑えてきたため、需要増や不作などに対応できないためです。

 政府は「戦略」で日本産米について「冷めてもおいしい」「日本食の普及とともに(輸出)拡大が可能」と評価しています。ならば所得補償と価格保障で農家の経営を支え、十分な量のコメを生産できるようにするのは当然です。(清水渡)


インバウンド需要で米の消費が増えています。
さらに帰国してからも米を食べたい人が増えているようです。
この時期に小麦ではない米を世界にアピールする絶好の機会なのですがねぇ。

丸2日間雪が降り続いています。
明日も丸1日雪予報。


「時給10円という現実~消えゆく農民~」農家が消えれば 困るのは都会の消費者

2025年02月06日 | 自然・農業・環境問題

第39回民教協スペシャル 8~15日放送

「しんぶん赤旗」2025年2月6日【テレビ・ラジオ】

 農家の窮乏をこれほど端的に言い表した番組タイトルはないでしょう。「時給10円という現実~消えゆく農民~」。第39回民教協スペシャルとして、テレビ朝日の8日(土、前10・30)を含め、8~15日に全33局で放送されます。制作した山形放送の三浦重行ディレクターは「農家が消えれば困るのは都会の消費者だ。この番組を考える機会にしたい」と危機感を表しました。(和田肇)

 

 番組は、昨年夏の米不足から始まります。スーパーの店頭からコメが消えました。新米が並んだと思ったら、価格高騰。一体、何が起きているのでしょうか―。

 注目したのは、山形県長井市に住む菅野芳秀さん(75)でした。身長191センチ、100キロほどの巨漢です。農業は継ぎたくないと東京の大学へ進みますが、農地を奪おうとする成田空港建設に抵抗する農民たちの運動に参加。芳秀さんは「農民にはなりたくなかった。しかし、農民を軽視する政治への怒りだ」と動機を振り返ります。

 芳秀さんは大学を卒業後、「一人の農民として農村、農業をよくしたい」と帰郷し就農しました。以来50年、減反を拒否して地域で孤立したこともあれば、地域をあげて農薬の空中散布を廃止したことも。各世帯から生ごみを集めて堆肥にし、土を豊かにして生産した作物を台所へ循環させる「レインボープラン」を立案、稼働させました。

 芳秀さんは訴えます。「農家の時給は10円」「本当にいなくなっているんだ農家が」―。国が進める大規模な区画整理事業の陰で、大規模化しない、できない農民は田んぼから去っています。たくさんの市民が農にかかわる「国民皆農」こそ長続きする人間社会だという芳秀さん。

 現在、農業は息子の春平さん(41)が継いでいます。春平さんは「収入が不安定」と悩みながら「あきらめ半分、あらがい半分」と歯を食いしばりました。

 語りは余貴美子。

深刻な状況 知ってほしい

山形放送 三浦重行ディレクター

 制作した三浦さんは、菅野芳秀さんに注目したきっかけについて「私自身、農家の跡取りでした。農業に対する危機感を募らせています。そんなとき、芳秀さんがラジオで自分の本の宣伝をしていた。声がいい人だ、と会いにいきました。その後、2004年に30分の番組をつくりました」と説明。

 タイトルには「農家が非常に深刻な状況に置かれていることが知られていない。農家に消えてほしくない」という思いを込めました。昨夏の米不足の場面から番組を始めましたが、その原因までは断定的に言えないとしつつ「減反によってコメの生産量が減っています。農家が激減したことが、大きな要因としてあると思います」と指摘しました。

《各局の放送日時》

8日(土)前10・30=テレビ朝日、南海放送▽後4・0=沖縄テレビ

9日(日)前10・35=南日本放送

11日(火)前9・55=東北放送、北陸放送、福井放送▽前10・25=北海道放送、秋田放送、信越放送、西日本放送、大分放送、宮崎放送▽前10・30=山形放送、北日本放送、日本海テレビ、中国放送、山口放送、長崎放送▽前10・48=メ~テレ▽後1・45=ABCテレビ▽後1・55=IBC岩手放送、RKB毎日放送、琉球放送▽後2・50=福島テレビ▽後3・49=静岡放送▽後3・50=青森放送、山梨放送、四国放送、高知放送▽後3・55=山陰放送、熊本放送

15日(土)後4・0=新潟放送


わたしの代わりに観てくださいね。

昨夜は夜のお仕事があったのですが吹き溜まりがあっちこっちにあり、それを乗り越えやっと到着。
するともう一人の仕事仲間が家を出てすぐに吹き溜まりに突っ込んで身動きできず救助要請。しかしそこまで行けなくて人だけ拾ってきました。
今、ジムニは四駆に入らず修理に出していてセダンの代車。
こうゆう時があるからジムニにしたのに、不安でした。


備蓄米の放出 安定供給保障へ抜本的転換を

2025年02月04日 | 自然・農業・環境問題

「しんぶん赤旗」主張 2025年2月4日

 長引く米の品不足と価格高騰を受け、政府は備蓄米を放出する仕組みの導入を打ち出しました。昨年来、かたくなに拒否してきた方針の転換を迫られたものですが、対症療法にとどまらず、主食・米の安定供給を保障する抜本的な政策転換こそ求められます。

 いま米の流通と価格に異常な事態が続いています。昨年夏の深刻な米不足を契機に新米の集荷競争が激化し、農協など既存の集荷業者に米が集まらない、街の米屋や飲食業者などでも必要な量が確保できない、と悲鳴が上がっています。

■「市場任せ」の破綻

 消費者価格は前年比1・7倍に達し暮らしを直撃。学校給食や福祉施設で米が調達できない所も生じています。「店頭から米が消える」事態が昨年以上に深刻化しかねないと米流通関係者は危機感を募らせます。

 今日の事態は政府の無責任な米政策の結果です。昨年の「令和の米騒動」に際して、日本共産党や農民連、新婦人など多くの団体が備蓄米の放出を迫ったのに「新米が出回れば落ち着く」の一点張りで、何の対策も講じませんでした。

 品薄が放置された結果、新米への集荷競争に拍車がかかり、流通の混乱、価格高騰を長引かせています。今回の方針転換は遅きに失すると同時に市場任せ政策の破綻を示すものです。

 根本には、需要が毎年減ることを前提に米の生産量をギリギリに抑え、流通や価格を完全に市場にゆだねてきた米政策があります。生産者米価が長期にわたり低落しコロナ禍による需要減少で大暴落したのも、災害や訪日外国人増などわずかの需給変動で急騰したのも、その表れです。

 この下で米の生産基盤は弱体化の一方です。米農家は2000年以降、175万戸から約3分の1へ激減、70歳以上が約6割に達します。24年の負債1千万円以上の米農家の倒産、廃業件数は過去最多(帝国データバンク調査)です。米卸売業の団体は生産者の減少で今後、需要を国内産で賄えなくなると警告します。

 昨年来の事態は農村で広がる深刻な危機の顕在化にほかなりません。長年の低米価に苦しんできた米農家はいま、米価が回復したとはいえ、資材価格高騰や過去の赤字の穴埋めで余裕はありません。小売価格の高騰が消費者の米離れを招き「米価がまた下落する」との不安を抱えている人も少なくありません。

■生産と備蓄拡大へ

 いま必要なのは国民の暮らしや疲弊する生産現場を直視し米政策を抜本的に転換することです。需給と価格の安定に責任をもち、ゆとりある需給見通しで生産と備蓄を拡大すべきです。

 さまざまな要因で需給バランスが崩れた場合、過剰時には備蓄米を増やし、不足時には放出する、フードバンクや子ども食堂、学校給食などへの食料支援を抜本的に強めることなどが求められます。

 何より、米生産者が将来にわたり安心して生産に励める条件を政府の責任で整え、農業者減少に歯止めをかけることが急務です。そのためには農業関連予算を大胆に増額し、再生産を可能にする価格保障や所得補償を抜本的に充実させることです。それが消費者にとっても安心の道です。


今日は曇り、時々⛄。
しかし長い時間プラス氣温。
風が強く、雪が降っていたら大変だっただろう。
明日、明後日は⛄マーク。
帯広方面では100㎝を超える雪だったようで、まだ降り続けるようです。


「2月26日までに関東でM5.5±0.5の地震の可能性」的中率70%超の研究チームの見解

2025年01月25日 | 自然・農業・環境問題

 

的中率70%超のピンポイント予測で、昨年の日向灘の大地震先日の会津地震も事前に捉えて配信していたというこのメルマガから、2月26日までに地震が起こる可能性のある地域やその詳細な概況を今回特別にご紹介します。

2023年の的中率は77.8%

「ピンポイント予測」は2022年は21件予測して15件が的中(71.4%)、2023年は18件予測して14件が的中(77.8%)という非常に高い精度での地震予測に成功。2024年3月21日に発生した、茨城県南部を震源とする最大震度5弱、マグニチュード5.3の地震の予測にも成功しています。

2024年8月8日 日向灘M7.1地震の前兆も捉え、メルマガで発信

昨年8月8日の夕方に日向灘を震源とするマグニチュード7.1の大地震が発生し、気象庁は新たな大規模地震発生の可能性が相対的に高まったとして、「南海トラフ地震臨時情報」を発表。幸いなことに大きな人的被害などは出なかったものの、実は今回起きた日向灘での地震の前兆をメルマガ『週刊MEGA地震予測』において事前に予測して配信していました。

「日本列島は近年、全国的に地盤が沈んでいる傾向ですが、日向灘で地震が起きた直前には“週間高さ変動”において大きな沈降を示す地点が、九州地方に集中していたのです」(株式会社地震科学探査機構 代表取締役/CEO 橘田寿宏さん・以下同)

日本全国に約1300箇所ある電子基準点から寄せられる地表の位置変化のデータを、総合的に分析し地震予測を行っている『週刊MEGA地震予測』。地表は上下左右に動くため、水平移動にくわえて高低差の変化も現れるわけだが、今回のケースでは、わずか1週間の間で高低差4㎝以上といった大きな“沈降”が現れる地点が、宮崎県をはじめとした九州南部エリアで続出したとのこと。

日向灘の大地震発生の前日である8月7日のメルマガに掲載された九州地方の隆起沈降図。全体が真っ青(沈降)になっていることがわかる

日向灘の大地震発生の前日である8月7日のメルマガ『週刊MEGA地震予測』に掲載された九州地方の隆起沈降図。全体が真っ青(沈降)になっていることがわかる

2025年1月21日 福島県会津M5.2の地震も捉え、メルマガで発信

福島県会津地震

先日1月23日2時49分ごろ福島県会津で起きたM5.2の地震の前兆も、その前日に配信した1月22日号メルマガ『週刊MEGA地震予測』において事前に予測していました。

ピンポイント予測のエリア内で最大震度5弱の地震が起きたとはいえ、まだ地震が起きる可能性はあります。引き続き注意が必要です。

関東地方は2/26までにM5.5±0.5?

的中率70%を超える「ピンポイント予測」ですが、関東地方で新たな前兆現象が現れたそうです。発出されたのは、こちら。

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関東地方でM5.5±0.5の地震が2月26日までに起こる可能性があります。

千葉県南東沖を震源とする震度3の地震が起きました。茨城県北部、茨城県沖、山梨県中・西部で小地震が起きています。隆起沈降(2022年起点)は隆起と沈降が混在していますが隆起が優勢です。ここ1週間は概ね隆起が優勢です。千葉県の「富里」周辺は大きく沈降しています。沈降エリアの周辺は不安定です。水平変動はほぼ静穏です。

そのほか、2024年1月24日時点でピンポイント予測が発出されているのは、「中部地方・紀伊半島で2月12日までにM5.5±0.5の地震」。当てはまる地域にお住まいの方は、どうか警戒を怠らないでください。

「いつか」に備えて

地震を予測し、提供する理由について、村井教授はこう語ります。

「地震予測の世界はまだ発展途上ですから、予測が外れてご迷惑をかけてしまうこともあるかもしれません。しかし“異常を公表するも外れる”のと、“異常を公表せずに被害者が出てしまう”のとでは、後者のほうが罪深い行為だと思うのです。予測が当たる、当たらないといった声に惑わされることなく、もし異常を見つけたら恐れずに“異常である”と発信する姿勢を貫いていきたいと思っています」

巨大地震は、いつか起こります。1年以内、1カ月以内、1週間以内…もしかしたら今日かもしれません。「いつか」に備えるために、ぜひ『週刊MEGA地震予測』(¥380/月(税込)初月無料 毎週水曜日発行予定)をご覧ください。

 

東京大学名誉教授・村井俊治とは?

村井俊治東大名誉教授

村井俊治東大名誉教授

村井俊治氏は測量工学と空間情報工学の分野で世界的に認められた研究者であり、1983年に東京大学教授に就任し、国際写真測量・リモートセンシング学会の会長を歴任。村井俊治・東京大学名誉教授は、もとは地震学の専門家ではなく、「測量工学」の研究者でした。村井教授は、専門の測量工学が地震予測に応用できるのではないかと考え、測量工学的アプローチによる「地震予測」をスタート。2011年に発生した東日本大震災の前兆も予測していたものの、データの提供企業と守秘義務契約を結んでいた関係でその事実を情報発信することができなかったことに後悔し、「地震を予測して、ひとりでも多くの人の命を救いたい」との思いで、地震予測に挑戦している。


「プレビュー」がなくなるととても不便ですね。
どんな風に構成されているのかわからず、復活してもらいたいです。

冬は無くなったのでしょうか?
すでに春の陽氣です。


枝が雪の重みでかなり折れています。


内田樹 農業をもう一度基幹産業に

2025年01月16日 | 自然・農業・環境問題

内田樹の研究室 2025-01-16 jeudi

 農業についてよく講演や寄稿を依頼される。私自身は都会生活者で、農業とはほぼ無縁の生活を送っている人間である。だから、私に農業のことを訊きに来るのは「現場のことはよく知らないけれど、日本の農業のさきゆきに強い不安を抱いている人間」の意見も(参考のために)聴いておきたいということなのだと思う。だから、以下に私が書くことは、ふつうの農業関係者がまず言わないことを、まず用いない言葉づかいで語ることになる。そういう視点からも農業の重要性と危機を語ることもできるのだということを分かって頂きたい。

 私は1950年、戦後5年目の東京の多摩川のそばで生まれた。下丸子の駅から多摩川の河川敷まではかつて軍需工場とその下請けが立ち並んでいたところで、B29の爆撃でほとんど廃墟となった。そのあとに人々が住み着いたのである。
 私の家の前には「原っぱ」があった。春には菜の花が咲き、秋にはススキが揺れる、遠目にはきれいな場所だった。でも、子どもが足を踏み入れるのはかなり危険だった。焼けて折れ曲がった鉄骨や壊れたコンクリートの土台やガラス片が草の下にひろがっていて、うっかり転んだり、踏み抜いたりすると、ひどい怪我をするリスクがあったからである。
 軍需工場の醜い焼け跡を豊かな緑と草花が覆いつくしているというのが、私にとってのふるさとの「原風景」である。
 宮崎駿の『天空の城ラピュタ』を観たときに、科学の粋を尽くして設計された天空を飛行する巨大艦船ラピュタが、乗員を失って無人のまま何世紀も飛行しているうちに、草花と木々に覆われた「空飛ぶ庭園」のようなものに変化してゆくという物語に既視感を覚えたことがあった。あるいは宮崎駿にとっても、「兵器を覆う緑」という図像が戦後の原風景だったのかも知れない。
「兵器を覆う緑」というのは、敗戦後、焦土となった日本に育った子どもたちにとって、もっとも身近で、そしてもっとも心休まる風景でもあった。その風景は「もう戦争はない」という現実だけでなく、「緑は人間の犯した愚行や非道をすべてを静けさと平安のうちに回収する」という植物的なものへの信頼と親しみの感情を醸成した。少なくとも私においてはそうであった。

 1950年の日本の農業人口は1613万人。日本の人口が8400万人だった時代に総人口の20%が農業従事者だった。2024年の農業人口は88万人。1億2500万人の0.7%に過ぎない。敗戦後の日本では「食物を作る」ことが最優先だったから、この数字は当然だと思う。そして、農業が基幹産業である社会では、あらゆる場面で農業のメタファーが用いられた。私が都会の子どもであったにもかかわらず、農業に親近感を持つのは、農業の用語で育てられたからである。
 学校教育はほとんど農業の比喩だけで語られた。子どもたちは「種子」である。教師は「農夫」である。水をやり、肥料をやり、病虫害や風水害から守り、やがて収穫期になると「実り」がもたらされる。ほとんどは自然任せであるから、人間が工程を100%管理することなど思いもよらない。そもそも秋になると何がどの程度の収量収穫できるのかさえ事前には予測できないのである。 どんなものでも実ればそれは「天からの贈り物」である。
 私たちはそういう植物的な比喩の中で育てられた。だから、教師がガリ版刷りしていた学級通信の題名は多くが「めばえ」とか「わかば」とか「ふたば」とかいう植物的語彙から採られていた。誰もそれが変だとは思わなかった。

 基幹産業が変わると、「価値あるもの」が何かについての社会的合意も変わる。私が1960年代に経験したのは、「価値あるもの」を言い表すときに「農業の比喩」を使う習慣が失われたことである。でも、そのときには気づかなかった。
 基幹産業が重工業に移行すると、人々は「重さ」や「量」や「速さ」で価値を言い表すようになり、基幹産業がサービス業に移行すると「効率」や「生産性」や「汎用性」で価値を言い表すようになり、さらに産業が高次化すると、もう語彙がなくなってしまって、あらゆるものを「貨幣」に置き換えて言い表すようになった。だから、今は子どもたちを育てるときに、(にべもない言い方をすれば)大人たちは「この子は将来いくら稼ぐか」というものさしを使う。もう、それしか使わなくなった。子どもたちにとってはまことに不幸なことである。

 私はもう一度農業が基幹産業になるべきだと思っている。経済的な意味での基幹産業になることはないだろうけれども、この社会の「根源を支える活動」という意味での「基幹産業」であることは、国民が自分の意思で決定できることである。統治者たちが「農業が国の基幹産業である」という哲学を持てばよいのである。農業がGDPの何パーセントであるとかいう話をしているのではない。土を耕して、天の恵みにすがって、食べ物を作るという営みが人間的諸活動の基本であり、数万年にわたるこの活動を通じて、人類はその集団的なあり方の基本を創り出したという歴史的事実を決して忘れないということである。
 農作物は商品ではない。あたかも商品のように仮象して市場を行き交うけれども、それは農作物を「あたかも商品であるかのように」扱う方が、農作物が安定的に供給されるという経験知に基づくものである。他の商品は(自動車でも携帯電話でも)供給が途絶しても、それで人が死ぬということはない。でも、農作物は供給が途絶すると、しばらくするとそれを争奪して人々が争うようになり、やがて人が死に始める。だから、絶対に供給を中断させてはならないのである。これを市場に委ねるというのは、人間の傲慢である。コロナ禍の時に、「必要なものは、必要な時に、必要な量だけ市場で調達すればよい」と言い募っていた「クレバーな経営者」たちのせいで、たくさんの人が死んだことを忘れてはいけない。
 だから、食物、医療、そして教育は絶対にアウトソースしてはいけないのである。それだけは国民国家の枠内で自給自足できる体制を整備しなければならない。それが国家的なリスクヘッジの基本である。だから、世界の先進国のほとんどはそれをめざしている。しかし、日本は医療だけはなんとか維持できているが、食物と教育についてはもう国内で国民が求めるものを創り出す力がなくなっている。そして、そのことについて政治家たちも官僚たちも財界人たちもメディアも、危機感を持っていない。恐ろしい事態だ。こんなことを続けていたら、日本にはもう未来がない。
 戦闘機やミサイルを買う予算があるなら、農業と医療と教育に投じるのが本当の意味での「国防」である。国民が飢えて、病に苦しみ、求める教育機会が得られないのなら、それは国民を「見捨てている」ということである。国民を見捨てて作った金で兵器を買い集めて、政府はそれでいったい何を守るというのか。
 日本はもう経済大国になることはない。人口は21世紀の終わりには5000万人にまで減ると予測されている。明治40年ころと同じである。でも、そのときも日本人は全国津々浦々で生業を営み、固有の文化を享受していた。これからの時代、なおそれなりに豊かに暮らすためには、農業と医療と教育に最優先に資源を分配し、たとえ貧しくても、誇り高く、道義的な国として生きるのが適切な選択だと私は思う。同意してくれる人は少ないけれど、私はそう信じている。
「農業協同組合新聞」1月30日


「3.11」を体験し、「価値観」は変化するだろうと思ったが、変わらなかった。
むしろ「経済的価値観」が強まってしまった。
この「価値観」を覆すのは「南海トラフ地震」なのか?

 


フードシステムがもたらす多重危機 地域の多様で自由な種を守る元年に

2025年01月14日 | 自然・農業・環境問題
 

OKシードプロジェクト事務局長・印鑰智哉

 気候危機や生物大量絶滅危機が想定を超えて進みつつある。これらの多重危機の同時進行は深刻な食料危機を生み出すことは確実だ。異常気象のために実をつけなかった作物が増え、病虫害もこれまでとは違う規模で発生する可能性が高くなる上に、自然災害は激甚化し、農業生産は大きな影響を受けざるをえないからだ。それに伴い社会紛争も頻発することが懸念される。これらの多重危機を緩和するためにも食料を保障することは最大の優先順位に置かなければならないことだが、現在の日本の政治はその真逆が進行している。

食が多重危機の根本原因

 この多重危機を生み出してきた根本原因の一つは食のシステムにある。化石燃料を大量に使う化学肥料や農薬使用により成立する工業型農業が世界規模に進められた結果、土壌を損ない、土壌に蓄えられた炭素が空中に放出され、気候変動を加速し、土壌の土壌微生物、そして農薬によって多様な生命を死に追いやってきたからだ。

 この工業型農業はタネ・化学肥料・農薬の3点セットを特徴とする。タネが独占され、化学肥料を入れないと十分な収穫が得られないタネしか得られなくなれば、化学肥料は必須になってしまう。化学肥料を入れれば作物は微生物による防御を得られなくなり、農薬に頼らざるを得なくなる。土壌微生物の助力を失った作物は十分に水を得ることもできなくなるので、灌漑がなければ作物は育たなくなる。タネを奪われた農民は作物を育てるためには化学肥料や農薬を求め、市場論理に引き込まれ、灌漑施設を作ることができる権力者に従順になっていく。

 つまり農民が持つタネを奪い、化学肥料を必要とするタネを買わせることができれば、社会を征することができる。タネを握るものが世界を征すると言うが、まさに近代史はそのタネの覇権をめぐる闘いであった。遺伝子組み換え企業は世界の種子企業の買収を進め、その結果、遺伝子組み換え品種以外のタネを買えない地域が出現した。インドではモンサントが遺伝子組み換えコットンを持ち込み、インドの農家はモンサントのタネ以外のタネを入手することができなくなった。しかし、インドには適さず満足に実をつけなかった。借金をしてタネや農薬を買ったが収穫が得られなくなったために自殺に追い込まれる農民が30万人を超える悲劇が生まれた。

タネの決定権を取り戻す「タネの自由運動」

 インドでの悲劇が生まれる前に、バンダナ・シバ氏はこの事態を予測して1990年代から「タネの自由運動」を提唱し、在来品種のタネを集め、農民に貸し出せる仕組みを整備した。灌漑のない畑でもデシというインドの気候にあった在来種のコットンがその後、インド各地で復活していく。今、インドのオーガニックコットンは大きく成長しているが、まさにタネを守ることは農民の命を守ることでもある。

 バンダナ・シバ氏が提唱した「タネの自由運動」はその後、世界中に広まった。種子主権、つまり農民のタネの決定権がなければ、食料主権、食の決定権は存在しえない。種子企業に食のシステムを独占される社会は、民主的社会にはなりえない。タネの決定権は基本的人権を支える基盤となる権利なのだ。この権利はその後、国際社会がその重要性を認識し、国連で食料・農業遺伝資源条約や小農および地方で働く人びとの権利宣言においても明記されることになる。多様な在来種を守るシードバンクは世界各地に急速に広まっている。

タネをグローバリゼーションに委ねる日本政府

 一方、日本はどうだろうか? 日本政府は種子メジャー企業が作った国際条約機構UPOVに1982年に加盟を決め、1998年には知的財産権を農民の種子の権利に優越させるUPOV1991年条約を批准し、タネの企業による私物化にいち早く舵を切った。2020年には世界でもっとも種子企業に都合のいい改正を行ってしまった。

 

印鑰氏の近著『日本の種苗政策とUPOV』(A4版、36㌻)

 この政策の下で、この約30年間にわたり、日本の種子のグローバリゼーションは大幅に進んだ。国内でタネを採る代わりに海外で安く採り、国内外で高く売ることが可能な大きな種子企業は少数残るが、地域の農業を支えてきた地域の小さな種子企業は次々と姿を消している。国内での種採り農家も急激に減少した。

 世界の多くの国や地方自治体が地域の在来種の保護を進める政策や法・条例などの整備を進める中、日本政府にはその意志が皆無であり、その結果、他国にタネを依存する国になってしまった。野菜では種子の9割が海外生産となっている一方で外国企業の日本進出が進み、日本で登録される新品種の4割近くを外国企業が占めるようになった。

 在来種のタネの保護には政府も地方自治体も関心を持たず、多数の在来種を集めていた広島県農業ジーンバンクも廃止され、各地で在来種を自力で守ってきた農家も消えつつあり、貴重な生きた遺伝資源が日本から急速に消滅しつつある。

 この政策によって、日本の食のシステムは輸入に強く依存した脆弱なものとなった。世界で貿易が止まったら2年で日本は人口の6割にあたる7000万人が餓死し、世界で餓死する人の3人に1人は日本居住者になると米国の研究は指摘する。このような指摘を受けて、日本政府はその政策の変更を検討するだろうか?

改訂食料・農業・農村基本法でもグローバリゼーション強化

 昨年、農業の憲法とも言われる食料・農業・農村基本法が25年ぶりに改訂された。しかし、そこでも外国での新たなタネの産地の獲得のために予算が確保されるだけで、国内にタネ採り基盤を作る施策は皆無で、むしろタネのグローバリゼーションをさらに強化する内容となっている。

 日本政府は「みどりの食料システム戦略」で2050年までに有機農業の割合を25%にまで引き上げる(現在は約0・6%)ことを目標に掲げた。当然ながら有機農業には有機のタネが必要となる。しかし、日本は国も地方自治体も有機のタネを作っていない(例外的に滋賀県が試み始めている)。野口種苗など数少ない在来種の種苗を手掛ける団体がわずかな種苗農家といっしょに有機農業に適した種苗を手掛けているが、その市場規模はわずかなものであり、しかも種採り農家の高齢化という現状の中で、到底、25%に拡大する余力はない。拡大させるためには種採り農家の養成支援など政策的支援が不可欠だ。でも、「みどりの食料システム戦略」にはそのことは一言も書かれていない。戦略に書かれているのは「ゲノム編集」を使って、官民一体で新品種を作るという構想だが、そんなタネは地域の循環型農業では使い物にならず、有機農業では当然排除されなければならず、こんな戦略では有機農業はすぐに立ちゆかなくなること必至である。

 日本は世界で唯一「ゲノム編集」食品がスーパーで売られている「ゲノム編集」に前のめりの国だが、それがさらに今後、強化されようとしている。

 

お米を重イオンビーム放射線育種品種に

稲刈りを控えた秋田県の水田

 中でも近年の農水省の方針でもっとも問題だと思われることが重イオンビーム放射線によって遺伝子を損なった稲を日本の主力品種としようとすることである。

 2025年から秋田県は県の7割以上を占める「あきたこまち」を「あきたこまちR」に全量転換する。この「あきたこまちR」は重イオンビーム放射線によってカドミウムを吸う遺伝子の一部を破壊した「コシヒカリ環1号」の遺伝子を受け継ぐ。

 この重イオンビーム放射線育種によって作られた稲にはさまざまな問題が指摘されているが、ここではその一つを指摘しておきたい。壊された遺伝子OsNramp5はカドミウムを吸収する上で機能することがわかっているが、この一部を破壊することで必須ミネラルのマンガンも3分の1未満になってしまうことがわかっている。

 マンガンは、光合成をする上でも、また植物の免疫の中核となるファイトケミカルを作る上でも不可欠な役割を果たす。マンガン不足の水田で出穂期に高温が続くと、光合成に問題が生じて、収穫が2割~3割減ることが指摘されている。また、病原菌や害虫に影響を受けやすく、開発した農研機構もごま葉枯れ病になりやすいことを認めている。つまり元の品種よりも、遺伝子を操作することで、高温にはさらに弱く、病気になりやすい、収穫も減る危険がある品種になっているのだ。

 農水省は2030年までに「コシヒカリ環1号」系品種を5割の都道府県に導入することを目標に掲げている。内閣府食品安全委員会は2023年12月にカドミウムが健康被害に大きな影響を与える可能性は低いと断じているにも関わらず、すべての品種が置き換えられようとしている。

2025年は種子主権の元年に

 タネなくして食はなく、食がなければ社会も存在しえない。タネはこの多重危機を切り抜けるための鍵である。しかし、日本の政治ではタネは無視し続けられている。それに加え、世界最大の遺伝子組み換え企業バイエルが「ゲノム編集」作物の販売に2025年から本格的に乗り出そうとしている。日本が実質唯一自給できるタネは米だが、その米も重イオンビーム放射線育種米が増えるのを止められなければ、やがてそれらは「ゲノム編集」米に代わっていくだろう。このままでは多重危機に対処できる生命力のあるタネは日本では得られなくなる。

 この流れを変えるためには地域にまだ存在する多様なタネを守り、種採りを支援する体制を構築することが不可欠な課題となる。条例などで在来種を守り、それを学校給食や病院などで生かす仕組みを地域で作り出すことが有効な対抗策となりうる。自由なタネが失われようとしている今、その意味を再認識して、多重危機を克服できる頑丈な地域の食のシステムを構築する必要がある。2025年をそんな動きを開始する元年としたい。


本文中に出てくる野口種苗。https://noguchiseed.com/hanbai/
大規模農家向けではないのでぜひ小口からご利用いただきたいと思います。
わたしも毎年利用し、また自家採取もしております。
市販されている種はほとんどが種をまいてもその性質にはならないF1品種です。
作物は育った土・気候によってそれぞれの性質を種に残します。


世界気温最高 1.55度上昇 国連機関 24年 パリ協定目標初超過

2025年01月12日 | 自然・農業・環境問題

「しんぶん赤旗」2025年1月12日

EU気象機関「即時行動を」

 国連の世界気象機関(WMO)は10日、2024年の地球表面の平均気温が観測史上最高を更新し、産業革命前の水準を1・55度上回ったとの推計を発表しました。欧州連合(EU)の「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」も同日、24年の世界の平均気温は産業革命前と比べて1・60度上昇したと発表。温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」が気温上昇の抑制目標とする1・5度を、単年で初めて超えたと指摘しました。

 WMOは、欧米をはじめ複数の国際気象情報機関の観測データから算出。2015~24年が観測史上最も高温の期間だったとも報告。1850~1900年の平均気温との比較では、気温上昇は1・3度にとどまっているとの暫定的な見解を示しました。WMOのサウロ事務局長は、24年単年での抑制目標の超過は「パリ協定の目標達成の失敗を意味しない」と強調しました。

 C3Sは気温上昇の主要原因について、化石燃料を使用した暖房や産業活動、交通機関から排出される温室効果ガスにあると指摘。23~24年は、太平洋赤道域から南米沿岸にかけて海面水温が上昇するエルニーニョ現象も影響したとみています。

 C3Sのバージェス副所長はドイツの国際公共放送ドイチェ・ウェレに対し、世界はパリ協定を投げ捨てるべきではなく、今すぐ行動しなければ長期的に世界の平均気温を1・5度以内に抑えられないと指摘。「将来の気候危機と現在進行形の異常気象に対処するために、(選挙で)私たちが投票する候補者がこの重要問題に取り組むのかを確かめなければいけない」と訴えました。


まさに喫緊の課題だ。
「戦争」に向けて力を注ぐ政権より、「平和」を掲げる政権を誕生させることだ。
日本も、世界も、地球に住む一族として。


プラスチック条約 交渉の現状と展望(下)

2024年12月30日 | 自然・農業・環境問題

「しんぶん赤旗」2024年12月30日

蛇口閉める 「入り口」の対策こそ

 韓国で開かれたプラスチック条約策定に向けた政府間交渉委員会で、世界の専門家とともに各国政府の代表に働きかけを行った東京農工大学の高田秀重教授の話の続きを紹介します。

 埋め立てについてみてみましょう。日本では埋め立てはプラスチック廃棄物の5%程度ですが、世界的にはこれまで生産されたプラスチックの約8割が埋め立てられています。埋め立てを行うと、プラスチックから有害な添加物が染み出して、長期にわたって河川、地下水、海を汚染し続けるという問題が発生します。

 これは、私たちの研究で明らかになったことですが、東京都日の出町の最終処分場に2000年まで埋め立てられたプラスチック廃棄物から有害なビスフェノールAが染み出して、今も多摩川を汚染しています。つまり、プラスチックの埋め立ては、負の遺産として長く環境を汚染し続けることになるのです。

 最後に焼却です。日本では、集めたプラスチックの最終処分方法として世界でも異常に多い70%を焼却処分しています。プラスチックを燃やすには、ダイオキシンなどの発生を少なくするため、高温で燃やせる炉や、有害物質を除去するための装置を備えた焼却場が必要となります。各自治体では、そのための焼却場を高額の費用をかけてつくっているわけです。

 プラスチックを焼却すれば二酸化炭素が発生し、温暖化を加速することになります。

汚染は解決せず

 このように、プラスチックの生産量を削減せず、有害な添加物を禁止しないまま、廃棄物管理をいくら強化しても、プラスチックによる汚染は解決しないことは明白です。

 廃棄物管理を行うためには巨額の資金を投じてそのための設備を整備する必要があり、どこの国でもできることではありません。そうした国への資金援助が必要になるわけですが、それも合意できませんでした。

 アフリカのルワンダの代表がプラスチックの生産量・消費量の削減と有害な化学物質の禁止などで拘束力のあるプラスチック条約とするよう発言し、多くの国々がそれを支持したのは、そうしたことも大きな要因です。

 これらのことからも、プラスチック汚染をなくすには、廃棄物管理という「出口」ではなく、蛇口を閉める、つまりプラスチックの生産量・消費量を削減するという「入り口」での対策が必要なことは明らかです。

 これまで5回開かれてきた政府間交渉委員会に私が直接出向いて各国政府の代表に働きかけたのは今回が初めてでしたが、産油国などの姿勢は一貫して同じで変わっていなかったといいます。

 日本もプラスチック廃棄物管理の強化が中心で、産油国と同じ立場です。会合では、プラスチックの生産量・消費量の削減と添加物の禁止などを求める国々と行動を共にすることはありませんでした。

人体に悪影響も

 断片化しやすい性質によって目に見えないほど小さくなったマイクロ/ナノプラスチックが環境中に大量に存在し、食物連鎖などを通じて人間の体にも入り込んでいます。私たちの研究で、日本人の血液や臓器からこのような微小化したプラスチックと添加剤が検出されています。

 人体に入り込んだマイクロ/ナノプラスチックは、腸などに炎症を起こしたり、免疫に悪影響を及ぼしたりする可能性があることが報告されています。添加剤は、男性の精子数の減少や、女性の子宮内膜症と乳がんの増加や流産に関連している疑いがもたれています。

 このように、今回の会合の最終段階で議長が示した素案に盛り込まれた具体的なプラスチック製品や化学物質は一刻も早く生産の削減・禁止が必要です。プラスチックと添加剤が人の健康と環境への重大な脅威となっていることを日本や産油国などの政府に、私たち専門家が伝えていく活動がいっそう重要になっていると感じています。

 重要なことは、合意を待たずに各国がプラスチック削減を進めることです。政府間交渉委員会に参加した国の多くが、削減に積極的に取り組む立場だったわけですから、それらの国が取り組みを進めれば、プラスチック汚染を改善することにつながるでしょうし、反対の立場だった国々の姿勢を変えていくことにつながるでしょう。 (おわり)


トヨタが生み出した充電不要EV!怪物が世界を圧倒する!【その他1本】

さてさて、これもプラスチックで作るのでしょうね。
そして塗布する化学物質は安全なのでしょうか?
画期的技術が次々と生まれていきます。
なんかイタチごっこのようです。
この発電技術が一般化すると大きな電力会社は要らなくなるし、原発も必要なくなりますよね。

久々に写真をup。


プラスチック条約 交渉の現状と展望(上)

2024年12月29日 | 自然・農業・環境問題

東京農工大学 高田秀重教授に聞く

「しんぶん赤旗」2024年12月29日

削減求める国多数 素案に反映

 プラスチックによる汚染を防ぐ条約を策定するため、韓国の釜山で11月の末から12月の初めまで開かれた政府間交渉委員会は、生産規制などをめぐって合意することができず、来年改めて会議を開くことになりました。世界の専門家とともに、現地で各国政府の代表に働きかけを行った東京農工大学の高田秀重教授に、会議の意義と問題解決の展望について聞きました。(間宮利夫)

 合意できなかったことは残念でしたが、プラスチック問題解決に向けて前進していることを感じられた、意味ある会議だったと思っています。会議に参加した170余りの国の過半数に当たる100前後の国が、有害なプラスチック製品とそれに添加されている有害な化学物質の生産と使用の禁止を求めて積極的に発言し、行動していたからです。

健康と環境守る

 最終的に議長から提案された条約の素案には、それらの国の意見が反映されました。たとえば、条約の目的が人の健康と環境をプラスチック汚染から守るためであると明確に述べたうえで、プラスチックをその本体であるポリマーだけでなく、それに含まれている添加剤などさまざまな化学物質を包含する形で定義づけました。

 これは、プラスチック汚染を化学物質問題として捉える、国際的な考え方に沿ったものです。ですから、規制対象には、漏出しやすく環境へのリスクの高いプラスチックだけでなく、人の健康と環境に有害な影響が懸念される化学物質を含むプラスチックなどをあげています。

 具体的な製品や化学物質については、付属書にリストアップする方法が提案されています。各種使い捨てプラスチック、特に発泡スチロール製食品容器、光や熱を受けると添加剤の作用で断片化しやすい酸化型分解性ポリエチレン・ポリプロピレンなど。発がん性や生殖への悪影響が指摘されているフタル酸エステル類やビスフェノールAなどの化学物質も記載されています。

廃棄物管理漏れ

 なぜ、参加国の多くが有害なプラスチック製品とそれに添加されている有害な化学物質の生産と使用の禁止を求めたのか―。それに反対した産油国などが主張し、日本政府も実質その立場だったのは、「廃棄物管理の強化」ですが、それだけではプラスチック汚染問題を解決できないという考えが世界中の人々の間に浸透してきたからだと思います。

 廃棄物管理には、収集、リサイクル、埋め立て、焼却が含まれます。廃棄物管理の強化が必要なことは確かですが、これだけでプラスチック汚染をなくせないことは、実際に廃棄物の管理が進んでいる日本でさまざまな問題が起きていることからも明らかです。

 収集、リサイクル、埋め立て、焼却、それぞれの項目について見てみましょう。

 世界の環境を汚染しているプラスチックの大半は、廃棄物管理から漏れて流出したものです。たとえば、日本では90%以上回収されているとされるペットボトルが、河川敷や海岸を埋めつくしている現状は多くの人がご存じだと思います。

 日本のプラスチックがハワイやその北の太平洋ごみベルトで多く見つかったり、アメリカ西海岸に漂着したりしています。このことは、廃棄物管理だけでは汚染をなくせないことを示しています。

 次にリサイクルですが、日本でリサイクルされているプラスチックは全体の25%程度で、世界では10%以下にすぎません。その割合をあげようとしても、そもそもリサイクル率が低いのは、プラスチックがリサイクルに適さないという背景があるからで、うまくいきません。

 プラスチックの本体であるポリマーは紫外線や熱で断片化しやすい性質があります。リサイクル中にも、こうした反応が進むわけですから、リサイクルして新しい製品をつくったとしても、何回もリサイクルできません。また、プラスチックは汚れやにおいが染み込みやすいので、取り除くには手間もエネルギーもかかるし、それを行うことで資源量が減ってしまいます。

 (つづく)


さてさて、今日もひどい天気です。
朝方晴れたので雪かきしてから出かけたのですが、昼頃からまた視界不良な雪。
ようやく帰ってきました。

今夜は仕事、こんな日は出たくないですね。


温室ガス60%減案に意見噴出 政府審議会継続 委員「先進国の責任果たせぬ」

2024年12月20日 | 自然・農業・環境問題
「しんぶん赤旗」2024年12月20日

 来年2月までに国連に提出を求められている政府の2035年度の温室効果ガス削減目標について検討している環境省と経済産業省の両審議会の合同会合が19日開かれ、先月の会合で唐突に示された「13年度比で60%削減案」について委員から「75%の高みをめざすことが最低限必要」「先進国として責任が果たせない」と再考を求める意見が相次ぎました。会合は20日以降も継続します。

 政府は年内にまとめる「地球温暖化対策計画」に削減目標案を盛り込むとしています。

 気候変動対策の国際的枠組み「パリ協定」は、産業革命前と比べて世界の平均気温の上昇を1・5度以内に抑える努力の追求を掲げています。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は「1・5度目標」には、排出量を35年までに13年度比で約66%削減が必要だとしています。

 この日の会合で池田将太氏(ハチドリソーラー代表取締役)は「75%の高みをめざすことが最低限必要。エネルギー基本計画案含め一体的に再考すべきだ。気候変動対策を他国に押しつける、だらしない国になってしまう。中途半端な目標設定で終わるのは断固反対」と発言しました。世界自然保護基金(WWF)の小西雅子氏は「60%案は世界平均を下回る。50年までに日本1国分の排出量が増えてしまう。先進国として責任を果たせない。考え直してほしい」と述べました。

 他の複数の委員からも「日本は誇らしい技術・研究がある。66%以上の目標達成を」「気候変動の被害を受けるコストも加味して」「緩い目標は国際合意に背かないか」と、目標の引き上げを求める意見がありました。一方、経団連などは、60%削減より低い目標を主張しました。

 この日、事務局の「地球温暖化対策計画案」には35年の削減目標の記載はありませんでした。

「日本は誇らしい技術・研究がある。」
昨日の記事でも書きましたが、日本には「火力発電」や「原子力発電」に頼らなくてもよい技術も研究も存在します。
それが「裏金」によって政策がゆがめられてしまっています。
このような「地球の危機」にも「裏金」を追及する現政権や補完勢力にはあきれるばかりです。
これを克服するならば、日本の「もの作り」、そして「経済」も発展し、国民の暮らしもよくなるでしょう。
「経団連」はもっと日本や世界の未来を見据え、大きく構えて行く必要があります。
目の前の小さな「利益」ばかり追求しているように見えてしまいます。

“失われた冬の日”日本は8日 静岡・富士市35日 東京20日 米研究機関分析

2024年12月18日 | 自然・農業・環境問題

「しんぶん赤旗」2024年12月18日

 日本で最低気温が氷点下(0度以下)になった平均日数が、地球温暖化によって8日減っていた―。北半球の各地で冬が著しく温暖化したことを示す分析結果を、米国の気候研究機関「クライメート・セントラル」が17日、発表しました。都市レベルでみると、北半球901都市で最も影響が大きかった静岡県富士市で35日、東京でも20日、氷点下になった日が減少しました。

 同機関は、気温が氷点下になるような“冬の日”が失われることで、降雪、スキーなどの冬季スポーツ、生態系、水資源、健康、農業などに悪影響を及ぼす可能性があると、警鐘を鳴らしています。

 分析したのは、北半球123カ国・901都市の2014~23年の冬期(12~2月)の気温データ。各地の最低気温が0度を超えた日数を、人為的な気候変動がなかったと仮定した場合の推定値を比較し、温暖化による増加分を分析しました。

 その結果、最低気温が0度を超えた日数は日本全体で平均52日(温暖化による増加分は8日)だったほか、富士市で64日(同35日)、埼玉県深谷市で62日(同25日)、新潟県長岡市で58日(同23日)、広島市で61日(同23日)、栃木県足利市で55日(同23日)など。分析した国内57都市のうち32都市で、2週間以上増加しました。

 欧州やアジアの多くの国で、最低気温が0度を超えた日数は、温暖化によって増加。とくにリトアニア、ラトビア、エストニア、デンマーク、ポーランドでは20日以上増加しました。


これは猶予ならずな傾向です。
日本でも「線状降水帯」の発生や豪雪、ダムの水枯れ、熱帯夜など、命にかかわる事態になっています。
しかもこれらが、いつどこで、どのように表れるかは予想がつきません。
「農業」も「水」も当たり前のものではなくなってしまいます。
こんな時に「防衛費」に巨額の資金を費やすことに、どんな意味があるのでしょう。
一層のCO2排泄に寄与するだけでしょう。


北極海の氷消える日 早ければ3年後にも スウェーデンの大学などが発表

2024年12月09日 | 自然・農業・環境問題

「しんぶん赤旗」2024年12月6日

 北極海の氷が完全に消える日が、早ければ3年後には来るかもしれない―。スウェーデン・ヨーテボリ大学と米コロラド大学の研究グループが、科学誌『ネイチャー・コミュニケーションズ』(3日付)に発表しました。太陽光を反射している氷が消えることで、北極海とその周辺の温暖化がいっそう進み、世界中でより極端な気象現象が発生する可能性があるとしています。

 北極海では夏に、前年の秋からその年の春にかけて生成した氷が解け、氷の面積は秋の初めに最も少なくなります。

 北極海の氷は、地球温暖化が進むもとで10年ごとに12%以上という前例のない速度で減少しています。2012年9月に記録した最小面積は約318万平方キロメートル。1979~92年までの同時期の平均面積685万平方キロメートルと比べ大幅に少なくなっています。

 研究グループは、コンピューターで北極海から氷が完全に消える日がいつごろ来るかを予測。九つのシナリオにもとづいてシミュレーションした結果、3~6年以内にその日が来る可能性が示されました。これまでの研究では、23年以降、9~20年という予測が示されており、その日が来るのが早まる恐れがあることがわかりました。

 その理由として研究グループは、異常気象により短期間で200万平方キロメートル以上の氷が解ける可能性があることをあげています。異常に暖かい秋が最初に氷を弱体化し、その後、暖かい冬と春が続いて氷の形成が妨げられるサイクルが3年以上続いた場合、北極海の氷が完全に消える最初の日が来る可能性があると指摘しています。


これによって小さな島々は水没してしまう可能性がある。
「国」として成立することが難しいところも出てくるところもあるかもしれない。
日本でできること、真剣に考えていかなければいけない。
戦争を終結させることに力を注ぐこと。
「軍事費」を削ること。
再生可能エネルギーに切り替えること。
緊急にだ!

話は変わるけど、仏教伝道協会による「輝け!お寺の掲示板大賞2024」なるものがあるそうだ。
ことしの大賞に選ばれたのは超覚寺の


  『望もうと望むまいとあなたは独りじゃない』
だそうです。

 他に仏教伝道協会賞は「私なんか、という自慢」顯證寺(浄土真宗本願寺派・鹿児島県南さつま市)、寺社NOW賞は「声を上げられる人だけが世界を構成しているわけではない 小川公代」西光寺(真宗大谷派・大分県日田市)、お寺の窓口賞は「暗闇だからこそ光に気づく」徳性寺(浄土宗・東京都文京区)。

困難な時代を生き抜く支えとなる言葉の数々に救われる思いだ。

「新語・流行語大賞」の心に響かない存在よ。

 


世界の科学者ら共同声明 温室効果ガス削減 日本は野心的目標を

2024年11月30日 | 自然・農業・環境問題

「しんぶん赤旗」2024年11月30日

 来年2月までに国連に提出を求められている2035年度の温室効果ガス削減目標について日本政府が13年度比で60%削減する案を軸に検討を進めると公表したことに対し、世界の科学者や気候政策の専門家ら約40人が共同で29日、日本は約80%の削減を達成する枠組みの構築が急務だとして「日本は野心的な削減目標の提出を」との声明を発表しました。

 声明には、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書の執筆者らが参加しています。

 気候変動対策の国際的枠組み「パリ協定」は、産業革命前と比べて世界の平均気温上昇を1・5度以内に抑える努力の追求を掲げ、各国は30年度までの目標を策定し国連に提出。次期の目標を来年2月までに提出することが求められています。

 声明は日本の気候変動対策について「世界的な約束に沿った具体的な温室効果ガス削減目標も、それに向けた行動も十分とはいえない」と指摘。主要7カ国(G7)の中でも化石燃料による発電への依存度が際立って高い状況が続き、化石燃料関連事業への投資額が世界でもトップクラスだとして、「こうした状況を放置する余裕は、もはや日本にも世界にもない」と強調しています。

 その上で日本政府に対し、パリ協定の国際公約に沿う削減目標の策定に責任を負うことを強く求めています。

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「1.5度目標」下回る日本案

WWFジャパン抗議

 世界自然保護基金(WWF)ジャパンは29日、環境省と経済産業省の合同審議会で示された、13年度比で60%削減する案を軸に検討するという日本の次期温室効果ガス削減目標に対し、パリ協定が掲げる「1・5度目標」に整合する水準を「大きく下回る案」だと抗議する声明を発表しました。

 提示された案について声明は「科学的に十分な目標でないばかりでなく、重要議題の議論のプロセスも、目標案が提示されることも事前に公表されず…大きな問題を残す」と批判。委員からも会議のあり方への疑問や議論の雑ぱくさを指摘する声が上がり「十分な議論が重ねられたとは到底言えない」と指摘しました。その上で、(1)削減目標を少なくとも科学的に整合した水準である13年比66%以上とすべき(2)議論のプロセスは公正で広範な参加を可能にするべき―と求めています。


園のようす。