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生活保護利用者「就職サポート」 半年で離職7割超 大阪市 パソナなど大手派遣のもうけ口に

2024年11月21日 | 生活

「しんぶん赤旗」2024年11月21日

 大阪市がパソナなどの大手派遣企業に民間委託し、生活保護利用者らに就職支援を行う「総合就職サポート事業」―。支援で就職した人の8割超が不安定な非正規雇用で、7割超が半年で離職していることがわかりました。生活保護利用者が就職し、保護廃止となった場合、1人当たり6万円がパソナに「成果報酬」として払われることとあわせて、生活保護で企業をもうけさせただけだと批判の声が上がっています。(速水大地)

 同事業は、各行政区の保健福祉センターに派遣されたパソナ職員が、利用者への就職アドバイスを行い、パソナ保有の求人を紹介。2023年度に支援を受けた2699人中1716人が就職したものの、正規雇用は265人(15%)で、1451人(85%)が非正規雇用です。

 離職も非常に多く、3カ月以内の離職率は60%で1028人(正規178人/非正規850人)。6カ月以内では76%の1299人(正規204人/非正規1095人)が離職しています。

保護開始を盾に

 失業で困窮して生活保護を申請した30代男性は「再スタートを決めて最後のライフライン(生活保護)に頼りました。派遣生活で疲れ果て、安定した正規雇用の職をじっくり探したいと伝えたのに、パソナの派遣職員に『何でもいいから』と言われました」と絶望。「このままでは生活保護を開始できないと言われ、生活できないので、希望とは違う会社にも応募。動物が好きでペット関係の仕事はないかと聞くと、『“屠殺(とさつ)場”ならある』と言われショックでした」と話します。

 全大阪生活と健康を守る会の大口耕吉郎会長は「『成果』に応じて『報酬』が上がり下がりする仕組みは、生活保護利用者への管理強化や、意に反する強引な就職支援につながりかねない」と警告。本来は指導権限のない民間職員が「求職活動をしなければ保護が受けられなくなる」などの言葉で、利用者に「指導」を行う違法な事例も報告されていると指摘します。

民間任せの維新

 23年度の委託料は計約6億2422万円、加算額は約1440万円。24年度から加算方法が変わり、生活保護利用者が同事業の支援で就職した場合、保護廃止とならなくても3カ月分の就労収入認定額の5%が加算され、廃止の場合は2倍の10%が加算されます。

 大口氏は「就職サポートの支援ミスマッチは数字を見れば明らかで、ただの大手派遣企業のもうけ口になっている」と福祉業務にまで民間委託を拡大させる維新市政を批判。「大阪市は維新市政のもとで稼働年齢層(15~64歳)を違法に生活保護から排除して自立の機会を奪い、20代女性が申請を再三断られた末に死亡した事件も起きた。民間任せのムダな事業は見直し、一人ひとりに寄り添えるよう、人員不足の現場に専門資格を持つケースワーカーを増員すべきです」と指摘します。


これはひどい。
お金の使い方も。
まさに「人権」より「金」。

この記事は「しんぶん赤旗」1面トップニュースです。
今「フェイクニュース」などが問題になっています。
そして大手マスコミは肝心なところで「沈黙」します。
こんな時代だからこそ「忖度」無しに真実を報道し、「スクープ」を連発する「しんぶん赤旗」をお読みください。

立憲民主党は総選挙の総括で、自民党非公認候補への政党助成金2000万円提供が発覚していなければ、多くの選挙区で最終盤は接戦状態になったと評価しました。同党常任幹事会(19日)で議決した総括文書に記されました。

 総括は、「競り負けた選挙区も少なくない」と指摘。2000万円問題が出ていなければ、「より多くの選挙区が接戦状態で最終盤を迎えたとも想定される」としています。

 また「しんぶん赤旗」が特報した2000万円問題を、「終盤においては、再び政治とカネの問題が報じられた」と紹介。「世論の関心と反応を踏まえて、反省の気色なき自民党では改革は進まないことを改めて強く訴え」支持の取り込みを図ったとしています。

 「九条の会」の鶴見俊輔さんが、戦後十年ほどの時期の著作のなかで、迫害の嵐の中でも原点を揺るがさなかった日本共産党を北斗七星にたとえて、次のような文章を書きました。

 「すべての陣営が、大勢に順応して、右に左に移動してあるく中で、日本共産党だけは、創立以来、動かぬ一点を守りつづけてきた。それは北斗七星のように、それを見ることによって、自分がどのていど時勢に流されたか、自分がどれほど駄目な人間になってしまったかを計ることのできる尺度として、一九二六年(昭和元年)から一九四五年(昭和二〇年)まで、日本の知識人によって用いられてきた」(岩波新書『現代日本の思想』一九五六年刊)


日本などG7に「化石賞」 COP29

2024年11月20日 | 自然・農業・環境問題

  毎日新聞2024.11.16

 アゼルバイジャン・バクーで開催されている国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)で、世界の環境NGOが参加する「気候行動ネットワーク(CAN)」は15日、「本日の化石賞」を日本など主要7カ国(G7)に授与すると発表した。

 CANはG7諸国への授賞理由について、COP29は途上国の地球温暖化対策への資金支援が最大の焦点だが、「支援額の目標案も提案せずに参加し、会議の進展を妨害している」と指摘。G7諸国は国別の累積温室効果ガス排出量の上位を占めているにもかかわらず、「自分たちが引き起こした気候危機を解決するのに、他のすべての国に同等の責任を負わせようとしている」と批判した。

 化石賞は、気候変動対策に後ろ向きだったり、COPでの交渉の進展を妨げたりした国などに贈られる賞。日本は受賞国の常連で、23年のCOP28でも複数回授与された。【バクー山口智】


園のようす。
だいたいハウスの片づけが終わりましたが今日はハウス内でウサギと遭遇。
お互いにしばらくウオッチング。
これから雪囲いの大仕事が残ってます。


雨宮処凛がゆく! 羨ましすぎて泣きそうに〜物価高騰にも対応する海外のセーフティネット事情。

2024年11月19日 | 生活

マガジン9  2024年11月13日

   マガジン9

 衆院選投開票日翌日の10月28日、嬉しいニュースが飛び込んできた。

 国による生活保護引き下げを違憲として全国で保護利用者が原告となって戦っているわけだが、この日、岡山地裁で勝訴となったのだ。通称「いのちのとりで裁判」は全国29都道府県で起こされているのだが、現在、18勝11敗。怒涛の快進撃である。

 そんな嬉しいことがあった翌日には、衝撃的なニュースが報じられた。

 昨年の自殺者のうち、「経済・生活問題」を原因・動機とした自殺が前年比484人増の5181人で、この2年で1.5倍に増加したというのだ。

 7月に発表された国民生活基礎調査を見ても、6割が、生活が「苦しい」と回答。3年近くにわたる物価高騰が続いているのだから当然だ。

 私が属する「反貧困ネットワーク」にも日々「所持金が尽きた」などのSOSが届いている。ちなみに最近、反貧困ネットワークが支援した人は勾留を解かれたばかりだったという。失業し、1年以上にわたって飼い犬と車上生活をするものの、その果てに畑の野菜を盗んだ罪で勾留されたのだという。昨今「闇バイト」がメディアを騒がせているが、そのようなものが「流行」する背景には、厳しい現実がある。もちろん、だからといって強盗は決して正当化などできないが。

 さて、そんな現在から遡ること約1ヶ月の10月3日、この国の貧困問題を考える上で非常に重要なシンポジウムに参加した。

 名古屋国際会議場で開催された日弁連・人権擁護大会の「今すぐ生活保障法の制定を!」と題されたシンポジウムだ。

 最後のセーフティネットを「生活保障法」として権利性をより明らかにしたものに、という内容で、私も第三部に登壇したのだが、印象に残っているのは二部。

 諸外国の生活保護に該当する制度が「海外調査報告」として紹介されたのだが、それを聞いて、羨ましくて悔しすぎて、思わず涙が出そうになった。

 日本で生活保護を利用するとなると、多くのものを手放さなければいけない。貯金が何十万とかあったら当然ダメだし、お金に換えられる資産があればまずはそれを売ってお金にするようアドバイスされる。

 貯金がどれくらい減れば利用できるかと言えば、国が定める最低生活費の半月分以下。よく「一人暮らしの人は残金6万円くらいになったら窓口に行くといい」と言うが、都内で一人暮らしの場合、保護費は家賃混みで13万円ほど。その半分以下ということで、「6万円」なのである。

 しかし、世界に目を向けると、状況はまったく違う。

 例えばドイツでは1年の猶予期間中、4万ユーロ(643万円)の貯金があってもOK 。

 イギリスでは1万6000ポンド(304万円)、お隣の韓国では最大7740万〜1億1340万ウォン(851〜1247万円)の貯金を持つことが許されているというのだから、「雲泥の差」という言葉では足りないほどのギャップである(※換算レートは、日弁連「『生活保障法』の制定等により、すべての人の生存権が保障され、誰もが安心して暮らせる社会の実現を求める決議」による)。

 日本でも、これくらいの貯金の所持が認められれば、どれほど「入りやすく、出やすい」制度になることか。

 もうひとつ、驚愕したのは世界的な物価高騰への対応について。

 日本では2013年から生活保護基準が引き下げられ、そこに3年近くにわたる物価高騰が直撃。利用者たちは食事の回数を減らすなど、本当に命を削るような節約を強いられているわけだが、スウェーデンでは物価高もあり、直近2年連続で生活保護に該当する制度の額を前年比9%弱の大幅引き上げ。また、ドイツでも2年連続で前年比12%の引き上げが行われているという。

 翻って、日本ではこれほどの物価高なのに保護費は引き下げられたまま。

 コロナ禍から現在に至るまで、私は2ヶ月に一度ほど、主に困窮者を対象とした電話相談の相談員をつとめているのだが、この2年、生活保護利用者の方から以下のような悲鳴を聞いてきた。

 「生活が苦しく水だけで過ごす日もある。物価高もきつい。生きていくのがつらい」

 「光熱費が上がり携帯も解約。保護費だけではとても暮らせない」

 「残金25円。電気・ガスも止まり食べるものもない」

 ちなみに過去の日本では、物価高による生活保護基準引き上げが行われている。

 オイルショックの起きた1973年、年度途中の10月に生活保護基準額を5%引き上げ、翌年4月には20%引き上げ。その間に2回、特別一時金も出しているのだ。

 しかし、この物価高騰では全くの放置。その結果、2023年には118人の生活保護利用者が「生活苦」で自殺している(https://s-newscommons.com/article/4297

 この日のシンポジウムには4人の当事者も登壇。それぞれのお話も素晴らしかったので紹介したい。

 登壇したのは、自動車保有を理由に保護停止された三重県鈴鹿市の女性。

 外国人という理由で生活保護を利用できない透析治療中のガーナ人男性。

 生活保護世帯から大学に進学した女性。

 そして夫のDVから逃れて生活保護利用の上、就労自立したシングルマザー。

 どの方のお話も本当に心に残ったのだが、大学生の「人生は親ガチャなのか」「大学は贅沢なんですか?」という言葉が今も胸に残っている。

 シングルマザーのハマダさん(仮名)のお話にも心を動かされた。

 25年にわたる元夫からのDV・支配から逃れて緊急一時保護されたのが7年前。働かない夫のために10代からずっと働きづめだったという彼女は、夫が原因の借金もあり、自己破産も2回経験。子どもは4人。

 転機となったのは、7年前に骨折するほどのDVを受けたこと。これによって夫は逮捕されるものの、彼女が身を寄せたDVシェルターには2週間しかいられないことが判明。住まいも仕事もお金もなく、生活保護利用を考えるものの偏見やバッシングが怖くてなかなか踏ん切りがつかなかったという。

 しかし、働きづめの日々を送る中、高校生の子どもに「疲れてるおかん見るのがつらい」「生活保護受けて」と言われ、やっと申請。

 そのことで、彼女の人生は大きく変わった。

 まずは医療を受けられるようになった。生活保護を利用すると医療費は無料になる。そのことによって、初めて最後まで歯医者に通えたという。

 また、DVなどでメンタルに深い傷を負っていたものの、生活保護を利用することで「生きる気力」が得られたという。

 彼女が受け取っていた保護費は月に数千円。多い時で2、3万円。働いて得られる収入が最低生活費以下だと、このように差額が給付されるのだ。わずかな額かもしれないが、「手取りが変わらない安心感」は何物にも代えがたかったという。

 例えば、生活保護利用前、子どもの体調が悪くなると「また病院行かなきゃいけないの」「また仕事休まなきゃいけないの」と不機嫌になってしまったものの、利用後は「休んだ分、生活が苦しくなる」心配や「医療費にいくらかかるか」という心配がない。そういう一つひとつの安心が心の安定につながり、結果、子どものメンタルも安定したという。

 そうして生きる気力を取り戻したハマダさんは正社員となり、現在は生活保護を「卒業」。

 生活保護って、こんなふうに、生きる上で絶対的に必要な「安心」を与えてくれるものなのだ。改めて思い、こういう話こそもっともっと知られてほしいと心から思った。

 バッシングや偏見の前に、「利用したことでこんなふうに支えられた」という事実こそが知られるべきなのだ。そして大変な時は、国が支えてくれるという安心感がもっと広まれば、どれほど今の殺伐とした状況は変わるだろう。

 シンポジウムに参加して、改めて、多くのことを気付かされた。

 今回の衆院選で当選した議員たちには、このような現実や、諸外国のスピーディな物価高騰への対応などを、ぜひ知ってほしいものである。


園のようす。
カモも引っ越したようです。
もうじき沼も雪と氷に包まれます。


兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

2024年11月18日 | 社会・経済

日刊ゲンダイデジタル 2024/11/18

「SNSのプラスの面を強く感じた」「県民一人一人の勝利だ」──。神戸市中央区の選挙事務所前に集まった1000人近い支持者を前に堂々の勝利宣言だ。兵庫県知事選は17日の投開票の結果、県議会の不信任決議を受け、自動失職した斎藤元彦前知事(47)がまさかの再選。前尼崎市長の稲村和美氏の圧勝とみられた下馬評を覆し、逆転した格好だ。パワハラやおねだりなど、さまざまな疑惑で県庁を追われた斎藤氏がなぜ逆風をはねのけ、支持を集めたのか。カオスな出直し選を制したキーワードは「同情論」「陰謀論」だ。

  ◇  ◇  ◇

 9月30日の失職直後から独りぼっちで駅前に立ち始めた斎藤氏に声をかけるのは当初、数人程度だったが、しょんぼりした様子がSNS上の支持者を通じて拡散。日を追うごとに「同情」を誘い、10月31日の告示後は聴衆の輪が広がり、16日に最後の演説会場となった神戸・三宮駅前には3000人が詰めかけた。

「この2週間で聴衆の数は3~4倍に膨らみました」(地元記者)

 目立つのは年配の女性若者たち。手づくりうちわや陣営のシンボルカラーの青いペンライトを振り“斎藤コール”が沸き上がる熱気は、まるでライブ会場のよう。有権者の関心も高まり、期日前投票数は94万4541人と前回から34万人上回り過去最多を更新。投票率も55.65%と11年ぶりに50%を超えた。

「斎藤氏はたった1人で選挙を戦っているかのような演出でしたが、自主投票となった自民党兵庫県連の一部が支援していた」とは、現地を取材したジャーナリストの横田一氏だ。こう続ける。

「裏金問題で党員資格停止中の西村康稔元経産相の地元・明石市の青年部は、斎藤陣営のビラ配りに加わっていたほど。また、日本維新の会を離党した前参院議員の清水貴之氏が出馬し、反斎藤票が割れたのも勝因のひとつ。その維新の地元議員の一部も斎藤氏を支援。清水氏が伸び悩んだのはそのためです」

 告示前には斎藤氏の告発文書を作成し、百条委員会での証言直前に亡くなった元県民局長の個人情報が流出。それをもとにSNSや街頭演説で「告発者は問題のあった人物。斎藤さんは悪くない」と擁護しまくったのが、N国党党首の立花孝志氏だ。

 立花氏は立候補しながら、「自分には票を入れないで」と訴え、斎藤氏の支持拡大をアシスト。選挙ポスターの掲示板に「元県民局長自殺の真相」と題し、流出した元局長の個人情報に基づく文書まで貼り出した。

■「既得権益者vs改革派」の構図を演出

 こうして既得権益を守る側が大手メディアと手を組み、「改革派知事」を追い出したという陰謀論を大々的に展開したのだ。

「故人への冒涜でしかないのですが、『既得権益者vs改革派』の構図をつくり出し、かなり浸透したのも事実。斎藤氏も改革の実績を強調し、便乗しました。しかも、選挙期間中にメディアは県知事選の報道を控えた。否定材料を有権者に与えないから、ますますSNSの陰謀論が信憑性を持って受け取られてしまう。県内市長会の有志22人が稲村氏支持を表明した際、ある市長は『なぜメディアはデマや誹謗中傷に沈黙するのか』と声を荒らげましたが、時すでに遅しでした」(横田一氏)

 斎藤氏のパワハラ疑惑に関する県職員のアンケートでは約4500件の回答のうち約300件が実名で答えていた。民意を味方につけた出戻り知事の“報復”に職員たちは戦々恐々だろう。これでいいのか。

再選の斎藤氏巡り百条委再開

 斎藤氏の疑惑告発文書を巡り、県議会は18日午後に百条委員会を開く。25日に問題に関連した総括的な尋問を関係者に行う予定で、対象の選定や今後の進行を協議。斎藤氏への尋問も今後再開される見通しで、知事復帰が決まった斎藤氏の疑惑検証に注目が集まる。

 斎藤氏は19日就任し、再選後としては初登庁する。百条委は、10月下旬に告発文書で挙げられた阪神・オリックス優勝パレード経費を巡る不正疑惑などに関し、県幹部らを非公開で尋問。知事選への影響を配慮して斎藤氏については見送られた。10月分の議事録や録画映像が今後公開される予定だ。

 また県が設置した第三者委員会も今年度中をめどに報告書をまとめる予定で、斎藤氏はこの問題と向き合っていく必要がある。知事選で勝利したとはいえ、県政の混乱がただちに収束するかどうか、現時点では見通せない。

 ⁂     ⁂     ⁂

話題の現場 突撃ルポ

異様な兵庫県知事選の実態…斎藤元彦氏の疑惑「パワハラは捏造」の臆測が急拡散

日刊ゲンダイ 2024/11/15

 17日に投開票日が迫る兵庫県知事選。当初は前尼崎市長の稲村和美氏が大きくリードと伝わっていたが、パワハラやおねだりなどさまざまな疑惑で逆風が吹いていた斎藤元彦前知事が激しく追い上げているという。どうやら「パワハラは捏造された」という陰謀論めいた主張が広がり、支持が盛り返しているようだ。先週の土曜日(9日)斎藤の選挙活動を丸一日追った本紙記者は、異様な光景を目撃した。

「今日は斎藤さんに謝りに来ました。聴衆のみんなも斎藤さんに『今まで誤解しててごめんね』って伝えていました」

 こう話すのは、斎藤の街頭演説に来ていた70代の女性だ。この日の朝、JR兵庫駅前(神戸市)で行われた街頭演説には、250人ほどの聴衆が集まった。斎藤が「初心に返りもう一度頑張っていきたい」と話すと、「斎藤さんは悪くない!」などと声援が相次ぎ、大盛り上がりだ。最前列で一言一句に「ウンウン」とうなずいていた冒頭の女性は、真っ赤な服も相まってひときわ目立っていた。女性はあるインフルエンサーのSNSの投稿から「真実にたどり着いた」と、熱っぽくこう話した。

「既得権益で甘い汁を吸っていた旧体制派の人たちが、改革を進める斎藤さんのことを疎ましく思い、県政の転覆を図って告発文書を世に出したのです。本当はパワハラの事実はなく、メディアや旧体制派が捏造したのです」

 とはいえ、県の調査では多くの職員が斎藤のパワハラを証言していた。この女性が話すような、臆測ベースの言説をSNSや街頭演説を通じて拡散しているのが、無所属で出馬したN国党党首の立花孝志氏だ。立候補していながら「自分には票を入れないで」と、斎藤を応援する旨の街頭演説をして回っている。

反対派に「殺すぞボケ!」

 この日は斎藤の演説が終わった後、同じ会場に立花が駆けつけ演説するという“作戦”を展開。ほとんどの聴衆は斎藤が去ってもその場に残り、立花が来ると「あ、立花さんだ!」と目の色を変え、食い入るように演説を聞いていた。

 斎藤もとい、立花の支持者はマスメディアへの不信感を隠さない。斎藤を支持するという50代女性はこう言う。

「斎藤さんがなかなか辞職せずおかしいなと思っていたところ、立花さんのおかげで真実を知り全てがつながりました。“斎藤さん潰し”に加担する既存メディアは本当におかしい。以前は産経新聞を購読していたのですが、今では新聞はもちろん、

 テレビも一切見ない。その代わりユーチューブとXで偏りなく情報を集め、考えが凝り固まらないようにしています」

 夕方、斎藤は尼崎市の尼崎中央商店街を練り歩いた。ここもまた異様な熱気で、100人から200人くらいが斎藤を取り囲み、大名行列の様相。小学校低学年くらいの女の子が「さいとうさんがんばれー!」と叫べば、「ガンバレ! サイトウ!」とコールが突発的に起こり、大きな声が商店街に響き渡る。一般客は「一体何事か」と、ポカンと口を開けていた。

 人ごみの中には斎藤に異を唱えようと「パワハラ知事」などと書かれたプラカードを掲げる者もいた。それを見た斎藤支持者が激高し「殺すぞボケ!」と詰め寄るなど、騒然とする場面もあった。

 斎藤の集会は確かに盛り上がっているが、真偽の判断が難しい情報が飛び交う状況に後押しされているのも事実だ。稲村氏を支持する地元首長はこう吐露する。

「こんなにも臆測が拡散されている選挙は、本当にいかがなものかと思います。告発とは本来関係ない県民局長のプライベートのことまでいろいろと噂され、もうメチャクチャです。それに、パワハラ疑惑については斎藤さんの人望がないのも事実。県立大学無償化など大がかりなことを言い出す割に、自分は根回しなどをしない。結果、現場は混乱し、職員に負担を押し付けるから、県庁にあれだけ味方がいないのです」

 県政の混乱がまだまだ続くことを予感させる一日だった。


 マスメディアへの不信感を煽り、「陰謀論」を際立たせる陣営に対しまたもやマスコミは「沈黙」を貫き、結局は斎藤陣営を勝たせてしまったようだ。
まさに「愚民」。

園のようす。
今朝起きた時には3㎝ほど積もっていた。
お昼前はわりと穏やかであったのだが、昼過ぎからまた降り出した。
今で20㎝ほどだ。
今日は真冬日か?
と思ったら夜中の1時2時はプラス1度だった。


北原みのり 松本人志「復帰」と百田尚樹の「30歳を超えた女」の「SF」に日本の「男社会」の強烈さを思う

2024年11月17日 | 社会・経済

おんなの話はありがたい

AERAdot2024/11/15

 キオスクの店頭に並ぶスポーツ新聞、「松本 復帰」の文字がケバケバしく踊っている。足が思わず止まる。松本人志氏は自分が週刊誌相手に起こした裁判を取り下げただけである。それなのに、なぜ、復帰の話になっているのだろう?

 松本氏が裁判を取り下げるというニュースが流れてきたとき、「良かった! 本当に良かった!」と、心から安堵した。女性が証言をすることで味わうだろう痛みや恐怖を考えれば、そんな負担、ないほうがいいに決まっている。だいたい松本氏が訴えを取り下げたということは、松本氏に勝ち目がない=「事実無根」と怒った週刊文春との闘いに勝ち目がないと認めたようなものだ。

 訴えの取り下げにあたって松本氏の代理人弁護士は「強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました」とコメントを出していた。歯切れが悪く、モノハイイヨウ、な表現方法である。そもそも週刊文春の記事も「物的証拠がある」という前提で書かれてはいなかった。記事は被害を受けたという女性たちの証言、その証言を支える客観的な証言やLINEなどのやりとりで構成されていた。当たり前のことだが、「直接的な物的証拠がない」ことは、被害がなかったことを意味するわけではない。 

 また、松本氏側の弁護士は、被害女性の実名を暴露するネット投稿を「証拠」として法廷に提出したり、実名を突き止めた被害女性を探偵業者に尾行調査させたり、弁護士を通じて出廷しないよう説得しようとしたりしてきたと報道されている。そのような行為は、どれほど女性たちを恐怖させたことだろう。そしてそれは、松本氏自身が、女性が証言することを恐れていた証拠でもあろう。

 今、ネット上では「復帰はありえない」という声と、「おかえりなさい」というファンや身内からの声が激しくぶつかりあっている。ファンからすれば「長い沈黙で禊ぎを済ませた」くらいの気持ちなのかもしれないが、それではテレビ界であれだけの権力を誇っていた松本氏が一瞬にしてテレビから消えた理由は、何だったというのか。

 松本氏による性被害に苦しみ、声をあげた女性が何人もいる、という事実が明らかになったからではなかったのか。そしてその多くは、物的証拠のない(報道によれば女性たちはケータイを取り上げられるなどしていた)被害であった。だからこそ刑事事件として訴えるのは難しく、だからこそ女性たちには強いメディアが必要だったのだ。

 テレビに出て、自分の名前で、自分の声で表現できるというのは、大変な特権でもある。強い影響力を持ち、大きなお金が動く世界でもある。そういう特権の上で女性たちへの性加害に及んだ……と告発する被害者が複数いるのであれば、テレビに復帰できるには、「そろそろ1年経つから」「裁判しないことになったから」くらいの理由では到底無理なはずだと私は思う。芸能界の真摯な判断を期待したい。

 そしてそんなところへの、日本保守党代表の百田尚樹氏の発言である。「これはSFやで」とふざけながら、少子化対策として「(女性は)30超えたら子宮を摘出する」「女性は18歳から女性は大学に行かさない」などと楽しそうに動画配信で話していた。あまりに酷い発言に「女性に失礼」どころか「SFに失礼」という怒りまで買っている始末だが、こんなふうに「軽口」として吐かれる暴言は、じわじわと女を絶望の淵に追いやっていくのだろう。女に希望を持たせない、女に尊厳を与えない、女を搾取することしか考えない社会で、女は安心して子供を産むことなどできないのだから。百田さん、女が子供を産みたいと思う社会にするならば、男が女への暴言を1回吐くごとにペニスの皮をピーリングナイフで削ぐ刑を提案しますよ。あ、SFやで。

 そんなところへとどめのような公判記事だ。新潟地裁で、3年前に妻と1歳の娘を殺した罪などに問われている男の裁判が開かれている。

 被告人質問によれば、男が妻に離婚したいと告げると、「本当に言っているの? 不倫して借金を作って私の口座の金を無断で返済に充てたりしたあなたにそれを言う権利も資格もない。これまで一緒にいてくれただけありがたいと思え」と言われたことに腹を立て殺害したという。さらにその一部始終を見ていた1歳の娘も殺害したという。私はこの事件自体を知らなかったが(もしかしたら忘れてしまっていただけかもしれない。あまりにも、女や子供が殺されている社会だから)、知っている、こんな男を私は知っている……という気持ちが抑えられない。いろんなことが、点で起きるいろんなことが、こういう事件に直面するたびに一気に面となって迫ってくるように感じるのだ。

 日本社会、まだまだここは男社会、強烈な男様社会である。四方八方、「男様!」と書かれた面が女たちの人生を囲んでいるかのような社会だ。男社会は、男の暴力や男の暴言に寛容である。男社会は、女の怒りや女の裏切りを全力で潰しにかかる。男社会は、男を守る。男社会は、女を見捨てる。男社会は笑いながら女に暴力を振るい、楽しそうに女に暴言を吐く。

 それがずっと許されてきたので、男自身、それの何が悪いのか実はよくわかっていなかったりするのだ。だから、女が怒るとびっくりする。女が牙を剥くと恨みをつのらせる。賢く臆病な女たちは、男を怒らせないことに細心の注意を払いながら、はりついた笑顔で生きる道を選ぶ。それはとても苦しいこと。だけど男を怖がらせたら自分の身が危険だ。

 そんな女の苦しさなど、もう見たくない。殺される女を見たくない。怯える女を見たくない。いったいなぜ、この国は、女の声にここまで耳を塞ぐのだろうか。


園のようす。
なんの花だろう?

イヌサフランかと思ったが、ほとんど終わっているし色が違う。
サフランか?
いや、違うなぁ。
ワカラン。


自民党、今回の県知事選で三つにわかれて斎藤氏と元尼崎市長の稲村和美氏、前維新・国会議員の清水貴之氏を支援

2024年11月16日 | 社会・経済

21年兵庫知事選 前知事に自民が4400万円

上脇氏 おおさわ候補で県政転換

「しんぶん赤旗」2024年11月15日【社会】

 政治とカネの問題を追及してきた上脇博之・神戸学院大学教授が、パワハラなど数々の疑惑で失職した斎藤元彦・前兵庫県知事に多額の資金を提供していたのが自民党だと解明し、今回知事選(17日投開票)で自民党が支援する3候補では県政は変わらないと指摘しています。上脇さんは、おおさわ芳清さん(医師、日本共産党推薦)への投票を呼びかける動画に登場し「私は、おおさわさん一択」と語っています。

 自民党は今回の県知事選で三つにわかれて斎藤氏元尼崎市長の稲村和美氏前維新・国会議員の清水貴之氏を支援しています。

 上脇さんが注目したのは、斎藤県政をつくったのは誰かということです。「“維新の斎藤”という見方があるが、それ以上に自民党が支援していた」

 斎藤氏が知事になった21年、自民党から斎藤氏とその後援会に流れた選挙資金・政治資金は計4440万円にのぼります。知事選の選挙運動費用収支報告書や「さいとう元彦後援会」の政治資金収支報告書を上脇さんが分析しました。

 ―自民党本部から斎藤氏個人への選挙資金の寄付200万円。

 ―自民党兵庫県支部連合会から後援会への寄付2000万円。

 ―国会議員や県議などが代表の自民党支部や議員個人から後援会への寄付2040万円。

 ―自民県議の党支部から後援会への貸し付け200万円。

 斎藤氏の後援会には、兵庫維新の会も同年の知事選後に302万7437円を寄付しています。自民党はその14倍超の資金をすべて選挙前に提供し、斎藤氏の政治資金の約8割を占めました。

 「知事の顔を替えるのではなくて県政全体を変えるなら、自民党の支援を受けた候補者ではない、おおさわさんしかありえない」(上脇さん)


自民党との「相乗り候補」では真の改革はできない。

園のようす。
今日はマアマアの天気。
明日は1日雨の予報でその次は雪のマーク。
ハウスビニールを降ろすのは今日しかない。


今日いち-2024年11月15日

2024年11月15日 | 生活
無事帰りました。新得町のクッタリ温泉を出てトムラウシ温泉へ。東大雪荘は臨時休業。憧れのトムラウシ山登山口まで行って来ました。まだ挑戦出来るかな?

今日いち-2024年11月14日

2024年11月14日 | 生活
今夜はクッタリ温泉泊。今日は十勝を色々。写真は陸別。上士幌、足寄など。1日目川湯温泉ph2、2日目温根湯温泉ph 9、本日はph 7。いい湯だ‼️

今日いち-2024年11月13日

2024年11月13日 | 生活
今夜は温根湯温泉。硫黄山、摩周湖、屈斜路湖、美幌峠などをまわって。ああ、いい湯だだな❗️雪降って寒かった(*゜Q゜*)。

今日いち-2024年11月12日

2024年11月12日 | 生活
ここは足湯。今夜は川湯温泉。山の水族館にも寄って。明日は摩周湖。

COP29inバクー ガス増産と言論弾圧懸念 議長国アゼルバイジャン 人権団体など

2024年11月11日 | 自然・農業・環境問題

「しんぶん赤旗」2024年11月10日

 【ベルリン=時事】11日に開幕する国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)の議長国アゼルバイジャンは、ロシアと中東の間にある産油国です。温室効果ガス排出が比較的少ない天然ガスを、脱炭素社会へつなぐ「過渡的な燃料」に位置付け、増産方針を掲げます。政治腐敗が指摘される国でもあり、「COP29をイメージ払拭に利用しようとしている」などと批判の声も上がっています。

 アゼルバイジャンは、カスピ海に眠る豊富な石油・ガスが輸出の約9割を占めます。ガスの主な供給先は欧州連合(EU)諸国です。ウクライナに侵攻したロシアへの燃料依存から脱却すべく、EUは2022年、アゼルバイジャンからの調達を27年までに倍増させることで合意しました。

 一方、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは同国について、反政府活動の弾圧や言論の自由の欠如を批判。今年2月の大統領選では、選挙監視に当たった欧州安保協力機構(OSCE)が「民主的な選挙の基準に反した」と認定しました。英BBC放送は今月、COP29運営責任者の政府高官が、議長国の立場を乱用し、商談に利用しようとしたと報じました。

 昨年の議長国はアラブ首長国連邦(UAE)で、産油国による議事進行が続きます。国際NGOトランスペアレンシー・インターナショナルは「化石燃料業界に有利な議論を進めるのに利用される恐れがある」と警告しました。


近年では「茶番」のように感じる傾向にあります。
さらにトランプ氏の「脱退」も懸念されるところです。
これ以上地球を破壊する方向に歯止めをかけてほしいものです。
そして日本の不名誉な「化石賞」ももう終わりにしたいですね。


女性差別撤廃 主体的な対応が必要だ

2024年11月10日 | 社会・経済

「東京新聞」社説2024年11月9日

 国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)が日本政府の対面審査を行い、選択的夫婦別姓導入などを勧告する最終見解を公表した。日本が1985年に締結した女性差別撤廃条約に基づく審査で、今回の勧告内容は日本社会に女性差別が根強く残ることを示す。

 政府や国会は勧告内容を重く受け止めるとともに、勧告によらずとも、主体的に女性差別をなくすために動かねばならない。

 CEDAWは条約締約国の女性に不利益な制度や慣習の改善状況を定期的に審査しており、日本政府に対しては2016年以来。

 日本は同条約に基づき、男女雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法の制定、国籍法や民法の改正など、性差別解消に向けた政策を進めてきた。

 同条約は、姓を選択する権利を妻と夫に平等に保障するよう定めている。日本では法相の諮問機関である法制審議会が1996年に選択的夫婦別姓制度を導入する民法改正案要綱を答申したが、いまだ実現していない。

 CEDAWは条約の趣旨に反すると問題視。2003年から選択的別姓制度の実現を日本政府に勧告し続けており、今回の最終見解でも同制度導入を勧告した。

 今回の審査で日本政府代表団は「夫婦が別姓を名乗ることを認めるかどうかは国民の意見が分かれている。日本社会の家族のあり方にかかわる重要な問題で国民の理解が必要」と述べたが、女性のアイデンティティーや人権にかかわることを軽視してはいないか。

 最終見解では、緊急避妊薬を利用しやすくするとともに、人工妊娠中絶に配偶者の同意を必要とする規定の廃止も求められた。

 子を産むのか産まないのかを決める主体は女性自身であり、その自由が侵害されないことは、国際社会が認める人権でもある。

 さらに、女性の国会議員が少ないことにも懸念が示され、沖縄で頻発する米兵による性暴力にも初めて言及された。

 議論を呼ぶのは、男系男子が皇位を継承すると定めた皇室典範も改正が求められたことだろう。

 政府は遺憾を表明し、削除を求めたが、共同通信が今年行った世論調査では女性天皇を認めることに計90%が賛同している。国際公約の条約順守は当然だが、国民の意見と誠実に向き合い、必要な施策を主体的に講じるべきである。


タイヤ交換をしてきた。
しばらく雪になりそうもないのだが。

園のようす。


北原みのり 元検事正「これでお前も俺の女だ」「表沙汰にすれば自死」 女性をレイプする上司を守る「組織」の闇

2024年11月09日 | 生活

おんなの話はありがたい

AERAdot 2024/11/08

 衝撃的な記者会見だった。

 大阪地検検事正だった北川健太郎被告が2018年に起こしたとされる性暴力事件で、被害者の女性検事が初公判後に記者会見を開いた。元検事正は今年6月に逮捕されていたが、容疑の詳細は明らかになってはいなかった。記者会見では、「関西検察のエース」と呼ばれていた被告の卑劣な言動、さらに犯行後に被害者に沈黙を強いる様子、そして検察組織内の“ゆるさ”が子細に語られた。

 なかでも、元検事正を擁護していたという副検事(女性)の存在は衝撃だった。この副検事は、事件の発端となった懇親会にも参加していたが、被害を訴える女性に寄り添うどころか、「PTSDは詐病だ」「お金目当ての訴えだ」「同意はあった」などといった被害者に対する誹謗中傷を流布し、さらに被告側に捜査情報を漏らしたとされる。被害女性はこの副検事を告訴したことも、記者会見で話した。

 飲み会で泥酔した部下の女性に性暴力を振るう男性、そういう上司が順調に出世できる組織、そういう上司を庇う同僚、そして沈黙する大多数の組織人。どのような組織であっても、性暴力は起き、そしてそれが隠蔽される構造は驚くほど似ている。とはいえこの事件が、検察という、本来ならば不正義をただすべき側にいる組織内で起きた事実はあまりにも重たい。

 何より衝撃だったのは、女性検事が語る「検察内のゆるい現実」である。自らが過去に性被害を受けたこともあり、性被害者に寄り添いたいという意思で検事を目指した女性が見た検察の実態は、次のようなものだったという。

「客観証拠が乏しい事件なんかは客観証拠がないからもう不起訴にしようとか、自分で積極的に捜査もしない、警察が集めてきた証拠をただパーッと見て、『あぁ難しいから不起訴にする』という検事も少なくない。被害者が声をあげているのに、それに寄り添わない人も少なくない」

 事件化される性被害は氷山の一角だ。さらに事件化されたとしても、よくわからない理由で不起訴になるケースを、私たちは数多く見てきた。その背景に、こんな「ゆるさ」があるのだとしたら、真実を明らかにするための権力を、いったい何のためにこの人たちは握っているのだろう。

 被害者の女性検事によれば、元検事正は性交時に「これでお前も俺の女だ」と言ったという。「お前“も”」と言うのなら、「他に“も”」被害者がいるだろう。そう考えた女性が後に元検事正に問い詰めると、「複数の女性と性的関係はあったが信頼関係に基づき相互に確認した上でのこと」「相当の期間、交際が継続していたので、あなたのような被害者は他におらず、失敗したのはあなただけ」と答えたという。ただ元検事正は、被害女性との間にも「同意があった」と勘違いしたと話していたので、彼のいう「信頼関係に基づき相互に確認した」という発言をそのまま受け取るのは難しい。沈黙を強いられている被害者が他にもいる可能性はゼロではないのかもしれない。

 そもそも元検事正は、お酒を飲むと若い女性検事のお尻を触っているという噂があったという。実際に被害女性も、事件前にお尻を触られたことがあった。お尻に触れられた感触があり、振り返ると元検事正がいた。でもその時は、「まさか」という正常性バイアスが働き、問題化することはなかった。なぜなら元検事正は人望が厚く、部下からも慕われ、何より「関西検察のエース」として仕事ができる尊敬できる上司であったから。……ここで、私の頭はパンクしかける。……なぜ飲み会で若い女性のお尻を触るような男性が部下から慕われるのか……なぜそんな男性が検察という組織で出世できるのか……なぜ人望が厚いのか……。だって、「若い女性検事のお尻を触る」噂があったのだとしたら、それだけでもう、人望ゼロになるところじゃないのか。いったい大阪地検とはどういう組織なのか。

「この被害を表沙汰にすれば、私は絶対に生きていくことはできず、自死する他ないと決意している。大阪地検の検事正による大スキャンダルとして組織は強烈な批判を受け、検事総長以下が辞職に追い込まれ、大阪地検は仕事にならないくらいの騒ぎに巻き込まれ、組織として立ち行かなくなるので、私の命に代えてやめていただきたい。あなたも属する大阪地検のためということで、お願いする。この被害を胸にしまってもらえるなら喜んで死ぬ。ご主人にも言わないように」

 事実を認め真摯な謝罪を要求する女性に対し、元検事正が渡したとされる書面の内容である。事件を公表したら死ぬと脅し、事件を公表しなかったら喜んで死にますと言う。こんな書面を受け取った被害女性の気持ちを思うといたたまれない。さらにこういうやりとりをしている最中でも、女性は性犯罪事件を検事として担当し、その決裁を受けるために当時上司であった元検事正と接点を持たなければいけない場面もあったという。

 事件から6年である。この6年の重さを思うとあまりに胸が痛いが、被害女性が、大変な犠牲を払って声をあげた勇気を讃えたいと思う。

 一方で解せないのは、元検事正の行動だ。事件が明るみに出て、元検事正が逮捕されるまでにいたったのは、元検事正が被害女性とやりとりした内容が客観的証拠になったからに他ならない。「客観的証拠がないから不起訴にしよう」という検事も少なくない組織で、客観的証拠を自ら積みかさねた被告。事件の発覚を恐れ死をちらつかせる一方で、こんな書面を残す元検事正は、いったいどのようなつもりで記したのだろう。

 それはきっと、たとえ自分が客観的証拠になる書面を残したとしても、組織の重さをちらつかせれば女性が黙ると信じていられる立場に被告がいたということなのだろう。それこそが、男性がそれまで守られ生きてきた「組織」というものだった。女性のお尻を触ろうが、泥酔した部下をレイプしようが、客観的証拠をいくら残そうが、きっと沈黙は守られると信じられるくらいに、そこは、男性の特権が守られる男性のための組織なのだ。社会から巧妙に隠されてきたその事実こそ、検察が直視し変えていくべきものなのだろう。


ここにも「権力」の闇が・・・
「憲法の番人」「法の番人」と言われる職種の方々である。
きっと「冤罪」など数えきれないであろう。
「裏金」議員のおびただしい「不起訴」。

園のようす。
重い雪で数か所で枝折れ、樹木の傾きが起きていた。

 


トランプ氏当選 日米関係の影響は

2024年11月08日 | 社会・経済

さらなる同盟強化の危険

「しんぶん赤旗」2024年11月8日

 共和党のトランプ前大統領が勝利した米大統領選の結果が、日米関係にどのような影響を及ぼすのでしょうか。トランプ氏は選挙公約「アジェンダ47」で、同盟強化に関して「同盟網の再建」を掲げています。1期目のような「同盟破棄」を突きつける恫喝(どうかつ)的な手法は今のところみられません。バイデン政権下で進められた、中国やロシアに対抗する軍事ブロックはいっそう強化されるとみられます。

 トランプ氏は、2016年の大統領選中から、日本などに米軍駐留経費の全額支払いを要求し、就任後もNATO(北大西洋条約機構)加盟国に対し、軍事費を国内総生産(GDP)比2%以上への増額を執拗(しつよう)に迫りました。

 NATOはロシアがウクライナ侵略を開始した22年以降、軍事費のGDP比2%への増額を加速。岸田前政権も足並みをそろえ、22年に策定した安保3文書で軍事費の2倍化=年11兆円規模への大軍拡を決定しました。来年度予算の概算要求では約8・5兆円が計上。新しく発足するトランプ政権で、米軍思いやり予算など軍事費増額がさらに要求される恐れがあります。

 また、トランプ氏は前政権時に、日米首脳会談で毎回のように米国製武器の購入を要求。安倍晋三首相(当時)はこれに応じて、F35ステルス戦闘機やV22オスプレイ、陸上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」などを“爆買い”しました。陸上イージスは20年に配備を断念し、現在はイージス・システム搭載艦として配備を狙いますが、取得費が1隻あたり約1兆円という超高額兵器となっており、「負の遺産」と化しています。

 石破茂首相は7日、さっそくトランプ氏と電話会談し、「日米同盟を新たな高みに引き上げていく」ことを確認しました。総選挙の結果、衆議院で過半数割れに追い込まれた石破政権が、米国の後ろ盾を得るために不当な要求を丸のみすることは許されません。

 また、石破氏は自民党総裁選で日米地位協定の改定を訴えていました。トランプ氏との会談でこの点を突きつけるのかどうか、石破氏は試されています。(斎藤和紀)

⁂     ⁂     ⁂

新外交イニシアティブ(ND)代表・弁護士 猿田佐世さん

本当の「国益」のため意見を

 トランプ政権の一番の特徴は何が起こるかわからないという「不確実性」の高さです。その上で、圧倒的な軍事力の誇示により紛争を抑止する「力による平和」を進め、米国が一番の競争相手とする中国に対峙(たいじ)していくことが強く想定されます。日本にもさらなる防衛力強化や米軍駐留経費の増額を求めてくることが予想されます。

 バイデン政権は気候変動など協力すべき点では協力するとして閣僚級政治家を頻繁に中国に送るなど外交も一定尊重していました。他方、トランプ氏は中国に市場を奪われているなどとして、中国製品への関税引き上げなど経済面での対立が激化することが予想されます。半面、人権や民主主義といった価値の観点から中国を批判はしないため、その点での衝突は減るでしょう。

 前トランプ政権で大統領補佐官(国家安全保障担当)を務め新政権の国務長官等の最有力候補とされるロバート・オブライエン氏は、日本、オーストラリア、フィリピンなどの同盟国は米国との合同軍事演習などを通じて対中軍事力を強化する必要があると主張しています。「同盟ただ乗り」との同盟国への不信も強いトランプ氏ですが、対中政策としては、バイデン政権で進められてきたインド・太平洋地域における同盟国との連携を一層強めたうえで、同盟国の負担増を求めながら、軍事面でも中国を抑止していくことが見込まれます。

 現在、米軍と自衛隊の一体化が加速され、南西諸島における自衛隊基地の強化も進められています。これは米国の要求でもありますが、日本政府が希望して進めていることでもあります。南西諸島の自衛隊配備についても、今後、トランプ氏からさらなる強化を求められるかもしれませんが、まず、日本政府自身が「本土防衛」のために沖縄の人々の安全を脅かす政策はとらないとの立場をとることが重要です。

 大手メディアは、今までの日米同盟がいかに素晴らしいものであったかをトランプ氏に伝え、理解してもらわなければならないと論じるでしょう。しかし、完成の見通しが立たない米軍辺野古新基地建設に莫大(ばくだい)な予算を費やしていることなど、日米同盟には多くの問題があります。これまでの外交を変える転機にすべく、いかに困難でも日本政府は本当の意味での「国益」のために米国に意見していかなければなりません。(聞き手・石橋さくら)


冬景色。

 


化石燃料でできた食を変えよう!

2024年11月07日 | 自然・農業・環境問題

印鑰智哉のblogより20 24/11/04

 気候危機、生物絶滅危機などの多重危機の同時進行を進めている原因を追求していくと、世界のほんのわずかな企業が推進する産業モデルがこの多重危機を加速させ、そのモデルが世界中に各国政府の政策によって広げられている問題にぶちあたる。その勢力の一つが化学肥料企業

 この状況に対して、FUEL to FORKという新しいキャンペーンが始まった。私たちの食は化石燃料でできている! 食べながら気候変動を引き起こしている。だから、食べものを変えれば多重危機も回避できる。まずは食べものから¹

  化学肥料の多くの部分を窒素が占める。天然ガスから水素を分離させ、大気中の窒素と反応させてアンモニアを作る。このアンモニアが窒素肥料の原料となる。こうした化学肥料を使って食を作るというのは天然ガスを使って食を作るということであり、気候変動をさまざまな形で激化させる。

 化学肥料の大量使用はあまりに多くの副作用をもたらす。ざっと上げてみると、

・ 気候変動の激化

・ 地下水、河川、海の汚染(生命が生きられないデッドゾーンの拡大)

・ 大気汚染とそれによる健康被害

・ ブルーベビー、酸欠による健康被害

・ 発がん性物質の生成

・ 農薬の使用増加

・ 土壌微生物への悪影響

・ 生物多様性の減少

・ 土壌の劣化→生存がより困難に

 この化学企業は戦争になれば爆弾原料の製造企業に変わる。第2次世界大戦で急激に拡大したアンモニア製造能力を戦争終結後も維持するために、世界に化学肥料の使用が推進されたとも言えるだろう。

 化学肥料企業と言ってもどんな企業があるのか、意識されないだろう。でも、世の中に存在する農薬企業、石油天然ガスなどの化石燃料エネルギー企業は化学肥料企業と密接につながり、各国政府も大きくその政策を左右される存在になっている。例をあげてみればすぐにわかるだろう。日本では住友化学、三井化学、そしてかつてチッソは化学肥料企業であった。

 しかし、世界で有機農業の推進が進み、日本も化学肥料を大幅削減するみどりの食料システム戦略が立案された。化学肥料企業の将来もようやく翳りが見えた? いや、化学肥料企業は2050年までにさらに拡大するとみられている(ということは気候危機はさらに加速する)。世界の有機農業推進政策も大幅に弱めるために、これらの企業群は連携して、その政策を変えるためにロビー活動を強め、すでにその多くの政策が骨抜きになっている²。つまり、化学肥料企業の衰退は農薬企業の衰退をもたらし、化石燃料セクターも衰退する。彼らは運命共同体なのだ

 そして、彼らはさらにこの破壊力を増大させるために、気候変動対策をも利用し始めている。化学肥料企業が天然ガスから大量に作り出す水素やアンモニアが気候変動を生まないクリーンエナジーであるという虚構を広め、ブルー水素、ブルーアンモニアなどの看板を掲げて、その活用をロビー活動して、日本政府もそれに乗ってしまっている。トヨタが水素エンジンにその開発のかなりの資源を注力しているのも、大問題。電気自動車の開発はその分おろそかになり、気候変動を進める技術がその分、進む。確かに水素そのものは気候変動を進めないが、その水素を作るために大量の化石燃料が使われるのだから、水素だけを取り出して、クリーンということはまったく愚かな話³。

    水素がグリーンなエネルギーになりうるのは一番小さな緑の丸の部分だけ。それ以外から得られる水素は決してグリーンではない。

 しかし、マスコミではこの問題は報道されない。なぜならトヨタやエネルギー産業、化学肥料、農薬などの気候変動推進コングロマリットが広告でマスコミを買収しているから。

 偽物の気候変動推進政策を止めさせ、そして本当の有機農業・アグロエコロジーによる食に変えることこそがこの多重危機を止めることにつながる。

 (1) Fuel to Forkのキャンペーン

https://tabledebates.org/fueltofork

(2) 農林水産省は来年度、化学肥料や農薬を使わない有機牧草を生産する酪農家への交付金を3分の1に大幅減額。大問題。牧草の有機化は各国でも有機農業の基盤となるもの。背景には当然、ロビーがあることは間違いないだろう。

有機牧草交付金、減額へ 農水省 生産性重視に方針転換

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1081449/

(3) 化学肥料企業がもたらす被害と気候変動危機政策への悪影響についての包括的な報告書(67ページ)の紹介

Fossils, Fertilizers, and False Solutions: How Laundering Fossil Fuels in Agrochemicals Puts the Climate and the Planet at Risk (October 2022)


農家も園芸愛好家も美食家もじっくり考えなければならない局面だ。

園のようす。
今朝2Fの部屋より。


ハウスのようす。

帰宅して家の前。
夏タイヤで四駆で帰ってきた。
まだアイスバーンにはなっていない。
夜から朝にかけて氷点下となるようで夏タイヤは無理だろう。
雪は今夜止みそう。
タイヤ交換は10日の予約。