それでもわからないことは 詩 森山武彦
僕の生まれた豊中って街は
車よりも飛行機の方がうるさくて
あの頃 そう ボーイング727が空をかけると
それはもう大変で
だから 僕は 静かな場所が好きで
そのくせ 習慣ってやつは おそろしいもので
いつのまにか 人ごみの中を 歩いているんです
僕の育ったアパートは
六畳一間の今で言う1Kで
家族三人が洋服ダンスと
冷蔵庫にはさまれて暮していました
だから 僕は広い場所が好きで
そのくせ 寂しさの空間が僕より大きくなると
押し入れにこもったりしてるんです
僕がこの町に来てから
早いもんで もう40年になります
僕の小さい頃の記憶を
誰も持っていないと言うことが
僕にとって 大きな救いのたねでした
そのくせ 小学校の同窓会に
一度も呼ばれたことがないと言うことが
いつも 心の底で 燻っていました
それでも どうしても わからないことは
この町の人は優しい人が多すぎて
だから ほとんどは いい人で
少し 悪い人なんです
だから ほとんどは 信じているのですが
少し 疑っているんです
おそらくは 僕にしても
同じことかもしれません
・・・大阪から大分に来たとき・・・
・・・住んでいた「家」
僕の生まれた豊中って街は
車よりも飛行機の方がうるさくて
あの頃 そう ボーイング727が空をかけると
それはもう大変で
だから 僕は 静かな場所が好きで
そのくせ 習慣ってやつは おそろしいもので
いつのまにか 人ごみの中を 歩いているんです
僕の育ったアパートは
六畳一間の今で言う1Kで
家族三人が洋服ダンスと
冷蔵庫にはさまれて暮していました
だから 僕は広い場所が好きで
そのくせ 寂しさの空間が僕より大きくなると
押し入れにこもったりしてるんです
僕がこの町に来てから
早いもんで もう40年になります
僕の小さい頃の記憶を
誰も持っていないと言うことが
僕にとって 大きな救いのたねでした
そのくせ 小学校の同窓会に
一度も呼ばれたことがないと言うことが
いつも 心の底で 燻っていました
それでも どうしても わからないことは
この町の人は優しい人が多すぎて
だから ほとんどは いい人で
少し 悪い人なんです
だから ほとんどは 信じているのですが
少し 疑っているんです
おそらくは 僕にしても
同じことかもしれません
・・・大阪から大分に来たとき・・・
・・・住んでいた「家」