昨年の「第3次おかやま夢づくりプラン」改訂を前に「おかやま発展戦略会議」が設置されました。数回の会議がひらかれ、「中国をはじめとするアジア諸国が目覚しい経済成長を続けている」なか、「新たな市場の開拓や、事業の展開、それらを支える人材育成が必要」との観点から、4つの「戦略」と20のプロジェクトが「提言」されました。
「提言」にある特徴的なものは、戦略Ⅰ=「FTA・TPPの議論を真正面から捉え、産業のグローバル化をリード」として、企業のアジア進出のサポート強化、水島港や玉島ハーバーアイランドの整備・強化など。戦略Ⅱ=「岡山の強みを生かした新たな産業の創出」として、アジアの富裕層を視野に入れた医療健康産業など。戦略Ⅲ=「世界に通用する英語力を持ち世界に羽ばたく人材の育成」として、小学校低学年からの英語教育、中国語・韓国語を使いこなせる産業人材育成など。
問題は、これらの内容が、ほぼそっくりそのまま、県の総合施策である「第3次おかやま夢づくりプラン」に盛り込まれたことです。たとえば、「発展につながる産業づくり」として、水島コンビナートの国際競争力強化、県内企業の国際競争力強化、儲かる産業!攻めの農林水産業などが、教育分野にはグローバル人材育成などの項目が列挙されています。さらに、すべての産業を対象に支援策を立てなければならないはずの「中小企業振興計画」まで、上記の内容に特化されてしまっています。まさに、「財界・大企業が求める」産業政策へ、「人格の完成」(教育基本法)でなく、経財界に役立つ人材育成教育へ、ゆがめられてしまっていると言わなければなりません。