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モーニングサテライト・ウォッチ

2017.2.2 Newsモーニングサテライト

2017年02月02日 22時39分18秒 | MS
■マーケット
 
NY株 3指数とも上昇
FOMCでは予想通り金利は据え置かれました。個人消費や企業活動に対して前向きな評価が加わったものの、次回利上げへの示唆はありませんでした。雇用環境が引き続きしっかりしている事を確認し、消費者と企業のマインドが改善している事を指摘した以外は、声明文にほぼ変化はありませんでした。市場ではもう少しタカ派の内容になるとの見方もあった中、ひとまず安心感が広がり株価は上昇で反応しました。ダウは4日ぶりの反発26ドル高、1万9,890ドル。ナスダックは27ポイントの上昇、5,642。S&P500が5日ぶりの反発0.6ポイントプラスの2,279でした。
 

米 専門家インタビュー「予想以上に“慎重な物言い”」

今回のFOMC声明文についてアメリカのエコノミストは、踏み込んだ中身がなく予想以上に慎重な物言いだったと指摘します。
 
《ナットウエスト・マーケッツ/ケビン・カミンズ氏》
「市場関係者の多くはもう少し強気な見方を期待していた。しかし今回FRBは出し惜しみしたようだ。労働市場は『完全雇用』に達したと声明文で言及すると思った。失業率は目標を達成したと宣言することができたのにそれをしなかった。もしこれらに言及していたら、3月の利上げを示唆する内容になっていた。」

また先行き不透明感が強いため今年の利上げは年2回にとどまると見ています。

「FRBは3回を予想しているが、我々は6月と12月の2回の利上げを予想している。それは財政政策など先行き不透明な要素があるからだ。今後の注目はFOMC議事要旨だ。FOMCでの議論やバランスシートなど、今回触れなかった内容が明らかになる。」
 
 

【NY証券取引所中継】FOMC声明文を分析
解説は大和証券CMアメリカのシュナイダー恵子氏
 
--FOMCはほぼ想定内でしたかね。

そうですね。市場ではインフレについて踏み込んだ表現があるか注目されていましたが、ほぼ変化なしです。12月の利上げやトランプ政権の影響を見極める必要があるとの判断から全会一致の据え置きです。

--声明文の中で注目はどの辺りでしたか。

「消費者や企業のセンチメントが最近改善したという現状判断が新たに追加されましたが、今日のADP雇用統計が良い例です。減税と規制緩和への期待から、中小企業のマインドが上昇した結果ですが、継続性を見極める必要があります。

--今後のヒントはあまりありませんでした。どう見たらいいですか。

先物が示す3月利上げ確率は、FOMC前の38%から、発表後32%に下がっています。市場では6月との見方強く、大和でも3月は債務上限の問題があるため、6月と考えています。ただ声明文には次回利上げを示唆する言葉はありませんでしたが、景気拡大を再確認することで3月利上げの可能性も残しました。金曜日の雇用統計が注目です。
 
 

【NY証券取引所中継】“トランプラリー”の行方は?
解説は大和証券CMアメリカのシュナイダー恵子氏
 
--午後に入っては結局もみ合いでしたね。

はい、アップルが好決算で大幅高となり、半導体が買われました。一方、雇用や製造業に関する指標が強かったことから、高配当株が下げています。

--さて投資家が気にしているトランプラリーの先行き、どう見ていますか。

まだ終わっていないと思います。ダウは年内に2万1000ドルとみています。その理由はアメリカ経済も企業業績も好調だということです。

(フリップ1:金融株が相場をけん引)
ここまでは金融株が相場を引っ張っていましたが、今後見込まれる利上げや減税は追い風ですし、先月の決算を見てもモバイルバンキングなどの普及で、銀行の経営体質はさらに強くなっています。

--ただ相場全体を見ても少しクエスチョンが付いていませんか。

はい、大統領令で威嚇するといういかにもトランプ流のスタートですが、確かに政策を実現させるとなると問題山積です。例えば、アメリカ国内に自動車工場を造ると言っても、労働組合があって時給が4000円以上でコスト増にどう対応するかも大きな課題です。市場が期待する財政拡大は、今後に予算教書やその後の議会承認プロセスが注目です。

--その予算審議は難航しそうですよね。

はい、ただ中間選挙までに成果を出すためには、支持を得やすい政策をまず通してくると思います。

(フリップ2:インフラ政策期待で上昇)
アメリカは道路・空港・水道などの老朽化がだれの目にも明らかで、建設機械株も先取りして、株価が上昇しています。当初2018年度予算と見られていたインフラ法案が前倒しで審議されることも期待されています。
 
 
 
【為替見通し】注目ポイントは「米トランプ大統領の言動」
解説はみずほ証券の鈴木健吾氏
 
--FOMCの声明文への反応は円高方向でしたね。

そうですね。FOMCはコンセンサス通り無風といった内容だったんですが、今後の利上げに対するヒントといったものもなく、これを期待していた向きにはややハト派的と映ったようです。市場では米金利低下とともにドル売りとなり、ドル円は一時113円割れまで下落する場面もありました。

--今日の予想レンジが、112.00~114.00円です。

今週は比較的材料が多いんですけれども、本日は昨日のFOMCと明日の雇用統計の谷間で、日米の材料には乏しく、ドル円は調整的な値動きに終始すると見ています。

--注目ポイントは「米トランプ大統領の言動」です。

経済指標、景気動向にもまして金融市場を動かしているのが、トランプ大統領の言動です。為替市場は貿易や通商政策において、国や企業を名指しで攻撃する過激な発言や保護主義姿勢に対する懸念が非常に強い状況です。
(フリップ:トランプ大統領、主な未達成の公約)
大統領就任後、すぐにやるとした18の公約の半分が既に実行に移されたが、逆に言えば半分が残されており、特に米国の労働者に不利な貿易慣行を特定し、報復を検討するといったものは為替市場に大きな影響をもたらす可能性があります。もしこれが日米首脳会談を控えた今のタイミングで出てくれば、ドル安円高は一時的に加速し、一気に1ドル110円割れトライになる可能性もあることから注意が必要です。
 

【日本株見通し】注目ポイントは「市場の冷静さ」
解説はマネックス証券の広木隆氏
 
--今日の予想レンジは、19100円~19300円です。

重要イベント通過で模様眺めとなりそうです。ただ昨日発表されたアメリカの経済指標が良好だったこともあって、過度な不安は後退していますので、こじっかりといった動きではないでしょうか。

--注目ポイントは「市場の冷静さ」です。

昨日、今話題のシムズ教授との討論会で、イェール大学の浜田宏一先生が「保護主義や関税が自国通貨高を招くのは経済学では常識的な理論」で、「自らドル高を招く政策を志向しながら他国が通貨安を誘導しているとの批判は大きな矛盾だ」と、これはもちろんトランプさんの発言について言っているわけなんですけど、市場関係者の中ではこういうトランプ発言が出てくると、すぐ円高、円高と悲観的に見る人がいるんですけれども、マーケット自体は、トランプ大統領の発言は全然理論的ではないと・・・、現実的なドル高是正の手段もない空虚なものだと見切っているのではないか、と僕は思うんですね。その証拠に昨日は日本を名指しして円安誘導と批判された直後にもかかわらず、東京マーケットは円高一服となり、日経平均も結局3桁の上昇になったわけですから。
 
--ただその切り返しというのは、大きく下落した一時的な反動というふうには見れませんか。

(フリップ:市場の自律反発パターン続く)
このところ、月曜・火曜と大きく下げて、そのあと水木金で取り戻すというパターンが2週連続で続いているんですね。今週もそんなような展開になるんじゃないかと思うんです。つまり市場は自律反発のパターンができていて、マーケット自らここは適正な水準だというふうに示しているんじゃないかと思うんですよね。トランプ氏の言っていることが的を射ているんだったら心配しますけど、全くお門違いも甚だしいことばかりですから、そういうもにはまともに取り合わずに、業績の底入れとか、ファンダメンタルズに冷静に目を向けているんじゃないかと思います。
 
 
 
■【プロの眼】FOMCを読み解く~バランスシート縮小議論~
失業率はほぼ完全雇用である4.7%まで低下、経済成長率はならせば潜在成長率近辺での推移を維持、インフレ率も目標の2%に届かずともPCEコア指数で1.6%に達している。金利の正常化を優先し量の正常化に着手するのは、かなり将来のことにみられてきたが、ここへきて風向きが変わっている。FOMCメンバー間でバランスシート規模の縮小に着手するかの決断が検討課題になっている。風向きが急に変わった背景には景気拡大以外にも事情があるようだ。解説は三菱UFJ銀行の鈴木敏之氏。

--今回、実はバランスシートの縮小という議論について、多少なりとも何か動きがあるのではないかというふうに見られるところがあったんですが、今回はありませんでしたね。
 
「そうですね。2013年5月22日、バーナンキ議長が議会証言でバランスシートの話をしたら、市場が大きく動きましたので、今回FOMCは声明発表しかありませんので、そういった混乱を避けるために、声明には書かなかったということになります。」
 
--もうバランスシートは巨大に膨らんでいますけれども、ここに手を付けようという議論は幹部達からも随分出てきていますよね。
 
「そうですよ。思ったよりも早く非常に積極的に議論が展開されていますので、次のイエレン議長の議会証言の時に、何らかの説明があるのではないかと市場は緊張することになります。」
 
--何故ここにきて急に風向きが変わったというか、まだまだ無理だろうと思われていたバランスシートの縮小の話が出てきているんですか。
 
(フリップ1:償還期限来る保有証券、18年に急増)
「そうですね。一番の問題は償還の金額の大きさなんですね。今フェデラル・リザーブは非常に多くの、4兆5000億ドルのバランスシートを持っていまして、そのうちの大きな部分が国債とエージェンシー債という債券です。これが償還されるとバランスシートが小さくなってしまいますから、その部分を再投資して買い増しているわけなんですけれども、まず2018年に非常にに大きな償還がやってきます。ここで償還で買い替えると、今だと結構価格のいい、利回りのいいものを持っているんですけれども、そのあと小さくなってしまいますので、バランスシートの関係から見て、中央銀行が出せる収益が減ってしまう。その問題が一つあります。」
 
--この時、買っていた時(2018年償還分の購入時)には非常に金利が高い、利回りが高い時に買っていたわけですね。
 
「ところが今、含み益が出ているわけです。これは既にFRBのほうから資産が発表されていますので、皆さんが知っている話ということになります。」
 
--それからもう一つあるのは「イエレン議長の任期」ですね。
 
「2018年2月3日に彼女の任期が切れます。この政策は始めますと非常に市場に大きな影響を与えますので、ある程度時間をかけて準備をする必要があるということであります。ついては『もう始めておかないと間に合いませんね』、という話が出てきているんだと思います。」
 
(フリップ2:バランスシート縮小議論の背景)
--このバランスシート縮小議論がなぜここにきて急に出てきているのかというは、まず「そもそも実施に時間がかかるということ」、それからさっき仰っていた「保有証券の償還期限が来年にはドカンとやってくるということ」、そして「イエレン議長の任期のこと」、そしてもう一つ、トランプ政権の存在というのは非常に大きいわけですね。
 
「そうですね。財政発動をかけてくると信じられていますので、その場合、景気が非常に加熱してしまう心配があるわけです。ところがそれに対して利上げをすればいいというわけですけど、利上げというのはご覧の通り、2ヵ月~3ヵ月かけてやらないと1回できないようなのが今の状態になっていますので、もうちょっと機動的に動ける手段がいるのではないか。ここでもバランスシートの調整というのは、はまる政策ということになります。」
 
--機動的にできる、量を加減するということ。
 
「もちろん量についてもFOMCで決めるわけですけれども、一度始めてしまえば、その量を変えるぐらいであれば、FOMCごとに、例えば、毎回やったとしても、出来ない話ではないということになります。」

--あとは景気への影響というのがありますね。財政拡大とのタイミング。

(フリップ3:資産購入縮小時に影の金利上昇)
「そうですね。2013年5月、バーナンキ議長が発言をしたときから、シャドウ金利と言うんですけれども、バランスシートの調整を金利に置き換えるとどうですか、というのが赤色のグラフで、下に行くほど金利(青いグラフ)が上がるという関係です。バランスシートの調整というのは、シャドウ金利というのを考えると、結構金融政策として影響があります。去年の初めの頃、ずいぶんアメリカの景気はおかしいなと思ったわけなんですけれども、今から見ると結局のところ、実質的に利上げをやっていたというのがあり、イエレン議長は去年1年間かけて、のらりくらりと利上げしないで最後まで待ったわけですけれども、そうしたら今戻してきているということになりますので、このバランスシートを使う政策というのは、たぶん一般の方、あるいは学者の方が考えるよりも有効なんだろうというふうに、FEDの人達は思っているんじゃないでしょうか。」
 
--その手段を手に入れるために、もしかしたら早い時期にこの話が出てくると・・・。
 
「やっておかないとできないわけです。いきなり始めたら大変なんです。」
 
 
 
■【ワードバンク】大統領令
トランプ大統領が就任して以来連日発令される大統領令、その歴史をひもときます。大統領令とは大統領が行政組織に具体的な法執行の方法を命令するための文書のこと。議会で成立した法律と同じ拘束力を持つとされています。トランプ大統領が就任してから18もの大統領令が出ています。この大統領令は本来はエグゼクティブオーダーといわれるものを指すのですが、現状はプレジデンシャルメモランダムという形式も広い意味で大統領令と訳しているようです。
 
(フリップ1:大統領令)
難民や移民を規制する大統領令。大規模な反対デモに発展し世界を混乱に陥れている。大統領令とは行政組織に具体的な法執行の方法を命令するための文書で、法律と同じ拘束力を持つとされている。トランプ大統領が就任してから18もの大統領令がでている。

(フリップ2:大統領令)
エグゼクティオーダーを言われるものが本来のものだが、現状はプレジデンシャルメモランダムという形式も広い意味で大統領令と訳している。例えば、難民、移民の入国制限、メキシコ国境に壁建設、オバマケア撤退はエグゼクティオーダーの形で出されたもの。一方でTPP離脱はメモランダムで出されたものなんです。

この2つの違いについて、首都大学東京・梅川健准教授に話を聞いた。
 
 
《首都大学東京/梅川健准教授》(大統領の権限に詳しい)
「エグゼクティオーダーは根拠がはっきり明示されているタイプの命令で、メモランダムは根拠が示されていないタイプの命令です。」
 
(フリップ3)
・ (エグゼクティオーダー) メキシコ国境に壁建設
2006年ブッシュ政権下でかけつされた安全フェンス法など3つの根拠となる法律を明示されている。
・ (メモランダム) TPPからの離脱
「アメリカの憲法や法律によって、与えられた大統領としての権限として」というあいまいな表現が使われている。
 
 
(フリップ4:大統領令)
つまり具体的な法律があるのか、ないのかという違いです。
 
--法律の根拠がないのに出せるというのが驚きです。

梅川教授によると、メモランダムがよく使われるようになったのはオバマ政権の時からで、議会がねじれ状態だったため、オバマ政権がうまく政権運営ができないので、そういう中で苦肉の策としてメモランダムという手法を用い始めたのではないか、ということです。そしてトランプ大統領はうまくこのメモランダムという手法を受けついてそれを使っているんじゃないか、と梅川さんは指摘していました。
 
--ですからメモランダムは最近、重要視されてきた。エグゼクティオーダーというのは古くからあるモノなんですね。
 
はい、ちょっとこの歴史を紐解いてみましょう。エグゼクティオーダーには通し番号が降ってあるんですが、第一号はおよそ150年前(1862年)リンカーン大統領の南北戦争に関する発令です。それから日本人にとって忘れてはいけないものとして、1942年F・ルーズベルト大統領が出した日系人の強制収用につながった9066号。
 
--いま入国制限の大統領令を裁判で差し止めようという動きが出てきています。大統領令を食い止める方法というのはあるんですか。
 
《梅川教授》 「これまでのアメリカ大統領というのは、そもそも憲法に書いていないことをいろいろ挑戦してやってきた歴史があります。そのたびごとに議会や裁判所が『そういう行為は、大統領の権限を逸脱しているのでだめです』ということで、新しい法律を作ったり、あるいは違憲判決で押しとどめてきた。」
 
(フリップ5:大統領令を阻止するには)
大統領令を阻止するには、裁判に訴えるとか、議会が反対する法律を作る、これ以外にも、議会が実行のための予算を認めないというような方法もあるんです。例えばオバマ大統領時代に就任2日目で出したアメリカ海軍のグアンタナモ基地内のテロ容疑者収容所の閉鎖の大統領令は8年間予算がつかず結局閉鎖されないままになっている。
 
--そうか、大統領令ならば何でもできるというものでもないと・・・。とは言っても市場は乱発される大統領令にはやっぱり動揺する、左右されるわけですね。
 
《みずほ総研/安井明彦氏》
「初日にやると言っていたような公約についてはもう相当やってきている。ですからここから先は未知の世界、逆に言うと、やるといったことを超えて何かをやってくるのか、議会と話がうまくつかなかったときに、大統領令をますます使っていくのか、これから先は若干不透明な部分も出てくる。今回の入国制限のように厳しい政策、批判も多い政策を出した場合に、特に議会の共和党がどう反応するのか、さすがにもうこんな政策にはついていけないという反応が広がるようだと、大統領令以外の政策、例えば減税やインフラ投資など、本来やらなければいけない政策のほうも、議会で進まなくなってしまう可能性がある。」
 
大統領令が発端となって、議会や司法が動く、対応するという流れが続きそうですね。
 
 

■日経朝特急
 
公的年金、米国インフラ投資
政府が10日に開く日米首脳会談で提案する日米経済協力の原案が明らかになった。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がアメリカのインフラ事業に投資することなどを通じ、アメリカで数十万人の雇用創出につなげる。対米投資などで米国の成長に貢献できる考えを伝え、トランプ政権との関係強化につなげる。
 
 
ビットコイン、中国に揺れる
インターネット上の仮想通貨(ビットコイン)の世界取り引き高は1月に失速。去年12月に比べ4割近く減っている。トランプ勝利以降、対ドルで人民元安が進み、中国で資金回避策としての存在感を高めていたが、中国当局が問題視して締め付けを強化。価格は年初高値から一時3割強も急落した。
 
 
 
■日刊モーサテジャーナル
 
アップルの好決算、米国紙は冷ややか
昨日アップルの決算が発表されiPhone7が好調だったことから、売上高は実に四半期ぶりにプラスとなったが、米国の新聞は長期的な展望については冷ややかに見ている。
ニューヨークタイムズは、「今後iPhoneや自動運転車ではなく、アップストアやアップルミュージックなどのサービスから売上高を伸ばしたいのが本音だろう。」と報じている。
またウォールストリートジャーナルも、「かつてほどの勢いはない」と分析。これまで新型iPhone発売直後の四半期は、販売台数が二けた増になるのが普通だったが、今回は5%にとどまった。」と指摘している。一方、サービス部門の収入は前年比18%増で、売上高でみるとネットフリックスの3倍近い規模だ、と期待も示している。
 
 
「米国で薬を作れ」製薬会社に頭痛の種(ウォールストリートジャーナル)
昨日トランプ大統領と会談した製薬会社の経営トップ、改めて薬価は天文学的に高騰していると批判された上、米国国内で薬を生産するよう注文され、頭痛の種が増えたと報じている。現在米国で販売されている薬の6割が国内で生産されているものの、輸入額は10年ほどで2倍以上に膨れ上がっている。記事によると、ファイザーが中国で400億円規模の工場を計画するなど製薬業界では既に海外移転が進んでいる。トランプ大統領からは新薬認可の期間を短縮するなど規制緩和を約束されたが、人件費の安い海外製の締め出すような政策をとれば、薬価は逆に高騰するのでは、という懸念の声が出ている。
 

東芝、原発建設から撤退?「2月中旬に発表見直し」(ウォールストリートジャーナル)
関係者の話によると、東芝は今月中頃までに原発の建設事業からの撤退を発表する見通しだと報じている。記事は、子会社のウェスチングハウスによる米国などでの次世代原発の建設が難航中で、損失額は60億ドル近くに達する可能性があり、東芝は新たな危機を迎えるかもしれないと伝えている。専門家は、「原発事業はコストが高すぎて、競争も激しいとの印象を与えた」と指摘し、業界全体にも波紋を広げそうだと見ている。
 

・「「米国で薬を作れ」製薬会社に頭痛の種」について

--鈴木さんの注目は、トランプ氏、頭痛の種ですか・・・

《三菱UFJ銀行/鈴木敏之氏》
「今の薬の話ですけれども、外で生産すれば企業としては利益を上げられる。そしたら経済成長をしてもっとみんなが幸せになるはずだというのが、経済学の教えるところだと思うのですが、実際にはそうなっていないんだろうということで、一度、虚心坦懐、元に戻って、皆さんを幸せにするにはどうしたらいいのだろうと、トランプさんの批判もありますけど、考え直すいい機会なんだろうと思いますね。」

--正しいと思っていたけれども、それがもしかしたら正しくなかった。

「正しいというか、皆さんを必ずしも幸せにしていないという事実は謙虚に受け止めるべきだと思います。」
 
 
 
■今日の予定
 
1月マネタリーベース
1月消費動向調査
決算(パナソニック、ソニー、三菱重工)
英中銀 金融政策決定会合
米決算(アマゾン、メルク)
 
 
 
■ニュース
 
米 政策金利据え置き 全会一致
予想通り、追加利上げは見送られました。アメリカのFOMC=連邦公開市場委員会は政策金利の据え置きを全会一致で決めました。FOMC終了後に発表された声明文には「消費者や企業の心理が改善した」との表現が新たに盛り込まれ、トランプ氏が勝利した大統領選以降の景況感の改善を評価した形になりました。ただそれ以外は前回の内容がほぼそのまま踏襲されていて、トランプ政権の政策を見極めながら利上げの判断をするという慎重な姿勢をにじませました。
 

米 新車販売 年換算1,761万台
アメリカの自動車市場に暗雲です。アメリカの1月の新車販売台数は年換算で1,761万台で1年前に比べ1%あまり減りました。個別でみるとGM=ゼネラルモーターズが1年前に比べ3.8%のマイナス、フォードは大型トラック除いた販売台数が0.7%の減少、またFCA・USは11%減りました。日本勢はトヨタが11%を超える大幅なマイナス。一方、日産とホンダは販売を伸ばしました。
・ 日産は 6.2%増
・ ホンダ 5.9%増
このほか、排ガス不正問題で新たに12億ドルの支払いで合意したフォルクスワーゲンの販売台数はおよそ17%増えました。
 

米 1月民間雇用 予想外の大幅増
雇用サービス会社ADPが発表した1月のアメリカの民間雇用者数は市場予想を大きく上回り、前の月から24万6,000人の大幅増加となりました。このうち製造業が2014年12月以来の高水準になるなど物品生産部門が大きく伸びました。
 

ネット検索の結果 最高裁が削除で初基準
インターネットの検索結果の削除について最高裁が初めて判断基準を示しました。ネット検索の大手「グーグル」に対し過去に児童買春で逮捕された男性が当時の記事などの検索結果を削除するよう求めていたことについて最高裁は、プライバシー保護が明らかに優先される場合は削除できるとする初めての判断基準を示しました。一方で最高裁は、検索結果の提供は表現行為の側面があり、社会的役割は大きいとし、男性のケースは今も公共の利害に関することだとして削除は認めませんでした。最高裁の判断を受けてグーグルは、検索結果の削除について「慎重な姿勢を示したものと考えています」とコメントしています。一方、男性側の弁護士は、最高裁が判断基準を示したことは評価したものの男性の訴えを退けたことには不満を表しました。
 

安倍総理大臣 今月中に残業上限案示す
安倍総理大臣は働き方改革実現会議で、「長時間労働の是正については罰則付きで時間外労働の限度が何時間かを具体的に定めた法改正が不可欠」と述べ、今月中旬に開く次の会合に、具体的な残業時間の上限を盛り込んだたたき台を示す考えです。会議では、経団連や連合など労使のトップも含め、残業の上限時間を罰則付きで法律に書き込む方針で一致しました。しかし、業種の例外を設けることなくより厳しい規制を求める労働者側と、業種や時期に応じた弾力的な運用の余地を求める経営者側で意見は分かれました。政府はこれらの意見も踏まえ、月平均60時間、1年間で720時間をめどに残業時間の上限を設け、月ごとに柔軟な運用を可能とする方向で調整しています。
 

三菱UFJ信託銀行 AI運用の投資信託販売スタート
三菱UFJ信託銀行は、きのうからAI=人工知能が資金を運用する投資信託の販売を始めました。大手金融機関としては初めてです。AIは様々な経済指標やニュースなどの情報を分析することで現物株や先物の売買を自ら判断します。三菱UFJ信託銀行では、AIは人間に比べてリスクを回避する能力が高く、長い目で見ると安定した収益を生み出せるとしています。
 

中国 1月製造業PMI 51.3
中国の1月の製造業PMI=購買担当者景気指数は51.3でした。前の月と比べて0.1ポイント低下したものの、好不況の判断の節目となる50は6ヵ月連続で上回りました。景気てこ入れのため中国政府が進めた公共事業の拡大などで、中国の景気は持ち直しの傾向が出ています。
 

厚労省の専門部会 世界初 他人のiPS細胞移植を承認
厚生労働省の専門部会はきのう、他人のiPS細胞=人工多能性幹細胞からつくった目の網膜の細胞を患者の網膜に移殖する手術を了承しました。他人のiPS細胞の移植は世界で初めてとなります。今回、了承されたのは理化学研究所などを中心とするチームで週内にも正式に通知を受け、今年前半の手術を目指します。他人のiPS細胞の場合、移植までの期間が短縮でき、費用も抑えられる見込みです。
 

韓国の次期大統領選 潘前国連事務総長が出馬断念
韓国の次期大統領選に出馬の意向を示していた潘基文前国連事務総長がきのう突然、大統領選への出馬を断念すると宣言しました。潘氏は、複数の保守系議員が保守派であることを宣言するよう強く求めてきたとし、これを「保守の消耗品になるようなもの」と否定的にとらえ、「失望した」と語りました。潘氏は知名度があり有力候補でしたが、弟の贈賄疑惑やおいの兵役のがれが報じられ苦戦が伝えられていました。
 

フェイスブック決算 過去最高
フェイスブックの10月から12月期の決算は広告収入が拡大し、売上高、純利益ともに過去最高を更新しました。売上高は88億900万ドルと1年前より51%増加し、純利益も2.3倍(35億6800万ドル)に増えました。1株利益も1ドル42セントで市場予想を上回りました。また月間の実質利用者数は17%プラスの18億6,000万人でした。傘下の写真共有アプリ「インスタグラム」向け広告も好調でモバイル経由の広告の比率は全体のおよそ84%に達しました。
 
 

■【コメンテーター】三菱UFJ銀行/鈴木敏之氏
 
・ 鈴木氏「声明文のポイント」
   「エネルギー価格の下落」と「輸入物価」をはずした
 
--FOMCはほぼ変化はなくて、ただ3月の利上げの示唆はありませんでした。声明文のポイントはどこですか。
 
「声明文での物価の書き方なんですけれども、前回までは原油価格と輸入物価のことを書いていたんですね。それを落としたんです。それぞれの意味は、「トランプ新政権のやり方が何かあったとしても利上げができます」、こういうメッセージを送っているんです。そんなにハト葉的な発想ではないと思いますね。」
 
--ちょっと解説いただきましょう。これは今まで2%に行かない理由として書いていたのが、「エネルギー価格の下落」と「輸入物価」のせいだ、と言っていたわけですね。なぜトランプ氏は・・・。
 
「トランプ政権の一番のポイントというのは、エネルギーのアメリカ国内での増産ですから、エネルギー価格はおそらく下がるということができると思います。それから輸入物価というのは実際には為替のこと、ドルのことを言っているんですね。いずれもこれを書き続けますと、アメリカ、FEDが利上げをできないということに言質を取られてしまう可能性があります。そこを落としているということは、しっかり利上げを続けていきますという方針を示した。ここを私は注目すべきだと思います。」

--利上げをするための障害を取り外したと・・・。

「トランプ政権の元でも利上げができますということをやりたいということだと思います。」
 
 

・ きょうの経済視点 「Nixon shock」
 
「1971年8月15日、時のニクソン大統領がドルの兌換停止1オンス35ドルで買えていたんですけどやめました。それから輸入課徴金10%、物価の凍結というのを決めたわけです。今私どもでお客様のところへ行きますと、今以下にトランプさんの政策が分からない、不透明だということを説明します。そうしますと多くの質問が、それならば経営者の方が心配されるのは最悪は何なんですか、という質問が多いわけです。その時のことを考えるのであれば、ニクソンショックの時に何が起きたのか、そのあとどれだけみんなが右往左往したかということを思い出すというのが非常に重要ではないか、というふうに思います。」
 
--その時の対応として良い対応はどういいことですか。
 
「当時は360円を308円にスミソニアン合意で円高にすればいいんだろと思ったんですけど、それでうまくいかなかった。常に悪いことが続けて起こるということがあったと言いうことを覚えておく必要がある。」