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モーニングサテライト・ウォッチ

2017.2.6 Newsモーニングサテライト

2017年02月06日 15時37分28秒 | MS
■マーケット
 
ダウ2万ドル 雇用統計を受け利上げは
選挙中の主張を、次々に実行に移すトランプ大統領。良くも悪くも、市場を動かす材料として、その存在感を日に日に増しています。金融規制緩和の大統領令は、市場が待ち望んでいた内の一つ。金利の上昇傾向も追い風で金曜日は金融株が相場を支えました。雇用統計は、非農業部門の雇用者数が市場予想を大幅に超える22万7千人。賃金の伸びは鈍ったものの、安心感のある内容でした。今週は、指標は少ない中、引き続きトランプ氏の言動に注目せざるを得ないとの声が多いようです。金曜日の株価終値です。ダウは反発、186ドル高の2万71ドル。5日ぶりに2万ドルを回復。ナスダックは最高値更新、30ポイント上昇の5,666。S&P500は3日続伸、16ポイントプラスの2,297。

【月曜恒例 米専門家インタビュー】

その雇用統計の結果について、エコノミストは、力強さを感じるとする一方、労働市場には、まだ「緩み」があると指摘します。
 
《ムーディーズ・アナリティックス/ライアン・スイート氏》
「雇用の動向には力強さを感じるが、平均時給の伸び率は前月比プラス0.1%と弱い。これは労働市場にまだ緩みがあることを示している。まだ職探し中の人やフルタイム希望なのにパートタイムで働いている人がいるということだ。しかし雇用者数が毎月15~20万人増えれば、この緩みは解消できる。完全雇用に近づいているが、達成するまで6~9ヵ月かかるだろう。」
 
また、利上げについては、今年3回との見通しは変わらないものの、実施されるのは、6月以降になると見ています。
 
「雇用者数の伸びに勢いがあり、失業率も5%を切っているが、賃金に上昇圧力がかかるほど、アメリカ経済に力強さはない。そのためFRBは利上げを急ぐ必要はない。財政政策に対する不透明感もあるためだ。利上げは6月までないと見ている。ただ年内3回はあるだろう。」
 
 

【為替見通し】注目ポイントは「日米首脳会談」
解説はクレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司氏
 
--週末のアメリカの雇用統計を受けて、為替の反応はどうだったでしょうか。

1月の雇用統計は非農業者部門の雇用者こそ市場予想を超えましたが、賃金の上昇が鈍化したために、112円31銭まで下落する場面がありました。しかしトランプ大統領が金融規制改革のドット・フランク法見直しを指示する大統領令に署名したことで、株が大幅に上昇し、結局112円台半ばで引けています。
 
--今日の予想レンジは、112.00~113.50円です。今週は何といっても日米首脳会談ですね。為替から見た注目ポイントはどこでしょうか。

はい、最近の発言から、トランプ大統領が2国間の通商協議に通貨安誘導を制限する為替条項を導入する意向を示すとの思惑や、日銀のイールドカーブコントロールなど金融政策もターゲットになるかもしれないと心配する声もあります。こうした話が会談前に出てくると、これまで強力なサポートラインだった112円を割り込んで110円が見えてくる可能性もあります。
 
--そうするとこのままズルズルとドル安に向かう可能性はあるんでしょうか。

はい、基本的にトランプ政権が打ち出してくるであろう財政政策はドル高につながりますし、テクニカル的にドル円の上昇は意外と息の長いものになる可能性を示しています。

(フリップ:中長期に強いドル/円のシグナル)
週足のチャートを見ていただきますと、26週移動平均線と52週移動平均線が2012年以来のゴールデンクロスになっておりまして、市場では中長期的な強いドル円の上昇シグナルとして、足下の動きとは別に留意する必要があると考えられています。

【日本株見通し】注目は「日銀のETF買い入れペース」
解説は岡三証券の阿部健児氏
 
--今日の予想レンジは、18900~19150円です。

前週の米国雇用統計が予想を上回り、ダウが2万ドルを回復したことを受けて、日経平均も19000円台を回復すると考えています。
 
--注目ポイントは「日銀のETF買い入れペース」です。

今年に入り先週の2日までにドル円レートが117円台から112円台となり、4.0%も円高が進行しました。それにもかかわらず日経平均は18000円台後半を維持し、下落率3.5%にとどまりました。このように日本株の円高に対する耐性が強まった理由の一つには、円高により日本株に下落圧力がかかったときに、日銀がETFの買い入れを行い、株価を支えたことがあると考えています。1月4から2月1日までトピックスの前場騰落率がマイナスになった10日間の内の9日間で、日銀は設備投資関連以外のETFを合計でおよそ6300億円買い入れました。
 
--日銀はETF買いを今後も続けられるのでしょうか。
 
(フリップ:今後、買い入れペース落ちる?)
日銀のETF買い入れ額は年6兆円を達成するのに必要なペースを2500億円程度上回っています。今後、日銀はETF買い入れペースを落とすと予想していて、実際2月2日のTOPIXの前場騰落率はマイナス0.2%でしたが買い入れを見送りました。日銀のETF買い入れペースダウンにより、今後日本株の円高耐性が若干弱まるリスクがあると考えています。
 
 

■【エマトピ】インド
ドル高で新興国懸念が台頭する中で、利上げしそうな国、利下げしそうな国と方向性が大きく違ってきています。ブラジルやロシアはインフレ懸念が後退している上、通貨安懸念が後退していることも利下げのハードルを下げている一方で、トランプ政権の政策の余波をまともに受けているメキシコは米国に歩調を併せざるを得ません。中でも、第一生命経済研究所の西濱徹氏が今一番注目すべき新興国に挙げるのは「インド」といいます。高額紙幣廃止問題で足元の消費が落ち込む中、下振れは続かないとみる西濱さんのポイントはどこにあるのでしょうか。

--今月は多くの新興国が金融政策を発表します。ご覧のようにズラーっと予定されているんですけれども、ドル高で新興国懸念が台頭する中で、利上げしそうな国・利下げしそうな国と方向性が大きく違ってきているようですね。

(フリップ1:気になる新興国の金融政策)
「そうですね。実は3日にロシアは据え置かれているんです。ただ、このところ非常に原油が上がっていること、プラス、インフレが落ち着いてきているということもあって、ちょっと利下げの余地が出てきている。そしてインフレということで言うと、インドとブラジルもちょっと前までインフレが懸念だったんですが、今はかなり落ち着いてきていて、利下げの余地が出てきた。一方でメキシコについては、トランプ政権の余波がまともに直撃して、利上げに動かざるをえないという状況になっています。」
 
--苦しい中で利上げになるわけですね。中でも西山さんが一番注目している新興国というのはどこでしょうか。
 
「今はインドです。」
 
--インドというと、去年の11月に高額紙幣廃止の影響で、今週8日にもインド準備銀行は利下げをするのではないかという観測が出ていますね。
 
「先々月、昨年の12月の会合において、この高額紙幣の影響を見定める必要がるということもあって、ちょっと据え置いたというところです。」

(フリップ2:インド高額紙幣廃止、費に影響)
ただ実際そのあとの状況を見ると、2輪車や4輪車を買うのに頭金が必要なんですけど、高額紙幣を廃止された影響で、お金が足りない、現金が足りないということでかなり消費に悪影響が出てきています。もう1つ、実はこの高額紙幣が足りなくて、消費が鈍ってしまったことによって、インフレも相当落ち着いてきています。いま3%台前半というところまで落ち着いてきていますので、そういう意味では、利下げの余地がいま出てきていると考えられます。」
 
--ただ混乱という観点から見るとあまり望ましいものではないと思うんですけど、この下振れのリスクは今後も続くのでしょうか。
 
(フリップ3:インド、今後の経済ポイント)
「短期的には現金が足りなくて、非常に下振れしているということですけれども、実は高額紙幣の廃止によって、ちょっとプラスの影響も出てきています。何かというと、新紙幣に交換するのに、銀行にとりあえず預けなくてはいけないということもあって、銀行預金が増えたんです。それによって何ができたかというと、銀行間金利が下がったということもあって、銀行のローンの金利も下がっている。今のところ市中に出回っている紙幣がまだ7割弱ぐらいしか出回っていないんですが、これが4月ぐらいになると100%にようやく行くだろうと言われています。この影響が落ち着いてくると、ローン金利も下がっていることもあって、消費が喚起されるのではないかと感じます。あとは、今月の初めに実は4月からの来年度予算が発表されたんですが、ここで歳出拡大策ということが言われています。この辺りも当然ながら景気にプラスの影響がしてくるのではないかと考えています。」
 
--さらにもディ政権は景気を吹かすといううえで、新たな政策は何かないんですか。
 
「そうですね。実は高額紙幣を廃止する中で、キャッシュレス化ということが言われています。いま一所懸命、形態のアプリケーションで決済アプリなどが相当ダウンロードが増えているということもあって、紙幣が落ち着いてくる、かつキャッシュレス化も人々の中で進んでくるということになると、これがいよいよ消費に結びついてくる可能性はあるのではないかと考えています。」
 
--安定した基盤ができるという感じですね。とは言っても高額紙幣廃止の影響・混乱があったわけで、モディ政権へのダメージというのはどうなんですか。
 
(フリップ4:インド地方選挙)
「実は今月から大きな州、特にウッタルプラデシュ州というのは市場人口が多いんですけど、この5州で州議会選挙が行われます。ここで与党インド人民党もしくはモディ政権に対する信任が確認できるかどうかが、その先のモディ政権の行方を占っていると考えています。」
 
--今は政治の安定というのは大事になっていますよね。
 
「特に世界各国で政治が非常に不安定化している。特に新興国では政治と経済は表裏一体の関係ですから、インドが落ち着いていけるかは、モディ政権の安定にかかっているのではないかと考えています。」
 
 

■【NY便り】緊急取材 揺れる自由貿易国メキシコ
アメリカのトランプ大統領は先月20日、就任と同時に「NAFTA=北米自由貿易協定を見直す」と宣言しました。トランプ氏が問題にしているのは、メキシコです。関税ゼロを背景に輸出の実に8割がアメリカ向けで、日本からも自動車関連企業など、1,000社以上が進出しています。大統領同士の首脳会談もキャンセルとなるなど両国の関係は急速に悪化、混迷の度合いが深まっています。衝撃が走るメキシコを緊急取材しました。
 
メキシコ中西部はマツダ、ホンダ、日産、トヨタが2019年の稼働を目指し新工場を建設している集積地だ。ヨロズ・メヒカーナはNAFTAが発行した1994年にこの地で生産を開始した日系の自動車部品メーカーで、約600人のメキシコ人を雇用している。ヨロズは日産向けにサスペンションの関連部品を月14万個製造している。
トランプ大統領のNAFTA見直しについて、ヨロズ・メヒカーナの吉原貴宏社長は「当社のメキシコ拠点からアメリカへ直接的に輸出しているものはありませんので、直接的影響はありません。状況はもちろん注視していく必要はありますが、喫緊の戦略見直しの必要はないと考えております。」と話した。
今のところ日産の戦略変更がないため、ヨロズも現状維持。

しかし1月に工場建設を撤回したアメリカの大手自動車メーカーの周辺では衝撃が広がっている。メキシコの中心部に位置するサンルイスボトシ、かつてスペイン統治下で金や銀を産出して栄えた歴史ある町だ。今この地域にはGM(ゼネラルモーターズ)が巨大工場を構えるほか、多くの自動車関連企業が進出し、町の経済を支えている。しかしトランプ大統領がNAFTA見直しに繰り返し言及し、メキシコで生産するアメリカ向けの自動車に35%の関税をかけると主張したのを受けて、戦略を転換したのがアメリカビッグ3の一角フォード・モーターである。フォードのフィールズECOは「メキシコの新工場建設を中止する」と発表した。フォードは16億ドル(約1800億円)を投じてこの地に工場を建設していたが、その計画を撤回したのだ。来年の生産開始に向けて工事を進めていた現場を訪れてみると、骨組みは出来上がっているが、工事は完全に止まっていた。フォードはここで小型車フィエスタなどを生産する予定だった。

《工事作業員》
「驚いたよ、急にすべてが終わってしまったんだ。ここでは多くの人が働いていたのに・・・、トランプ大統領が悪いんだ。」
次の仕事はまだ見つかっていないという。
《工業団地担当者》
「一方を耳にしたときは信じられなかった。冗談だと思った。なぜなら既に工事もだいぶ進んでいたので、フォードの部品供給会社からも断りの電話が来たよ。」
 
メキシコ市民の間でもトランプ大統領への反感が高まっている。フォードに対しては不買運動まで勃発。販売店も困惑している。
《フォード/ゴンザレスセールスマネージャー》
「これはメキシコで造っている。フュージョンもだ。メキシコで造ってアメリカに輸出している。フォードに反感を持つ人も出てきている。」

怒りが収まらないのは、税の優遇などで説教的にフォード誘致を進めてきた地元政府だ。
《サン・ルイス・ポトン州経済開発庁/ブエンテ長官》
「フォードはすべての損失を支払うことになる。直接的なものだけでなく州経済に与えた間接的な損害もすべてフォードの責任となる。」
アメリカとの自由貿易が揺らぎ始めたメキシコ、事態を好転させる手掛かりは今のところない。

取材した周辺では更なる企業の投資を見込んで、立派な高速道路が整備されていた。また企業も工場に多額の投資をし、10年以上にわたって職人を育成している。しかし現地は今それらがすべてリセットされてしまうかもしれないという府ワン間に包まれていて、今後の交渉をかたずをのんで見守っている状況である。
 
 

■【モーサテ・サーベイ】今週のマーケットを出演者が予想
マーケットや世界経済の先行きを番組のレギュラー出演者へのアンケートから独自に予想します。
(調査期間:2月3日~5日、番組出演者34人)
 
(1) 今週末の日経平均予想
予想中央値(19000円)、先週終値(18918円)

《岩井コスモ証券/林卓郎氏》
(19400円予想)
「NYダウは再び2万ドル乗せ、企業業績の上振れを背景に、売られ過ぎの修正がある。」

《SMBC日興証券/森田長太郎氏》
(18600円予想)
「日米首脳会談に向け、円高材料に敏感に反応しやすい」
 

(2) 今週末のドル円相場の予想
予想中央値(113.00円)、先週の終値(112.63円)

《双日総研/吉崎達彦氏》
(113円予想)
「日米首脳会談という材料で尽くしで、円高圧力が一服する。」
 
《三菱東京UFJ銀行/鈴木敏之氏》
(111円予想)
「日米首脳会談を控えての警戒で、ドル買いのポジションは持ちにくい」
 
 
(3) 17年度東証一部企業の経常利益(16年度比)
このところ今期の見通しの上方修正が相次いでいるが、来季2017年度はどの程度の増益を見込んでいるのか。

20%程度(4%)15%程度(8%)10%程度(36%)5%程度(40%)0%程度(12%)

一番多いのは16年度と比べ5パーセント程度の増益、そして10%程度の増益と続く。円安や海外の需要が改善すると期待が上がる一方で、為替次第では減益になる可能性を指摘する声もあった。
 
 

■【特集】 24時間営業は続けられる?
日本では有効求人倍率が25年5ヵ月ぶりの高水準に、そして失業率は今年には2%台に低下するとの見方もあり、雇用環境は改善している。それに加え、24時間営業の事業者が増えたこともあり、人手不足は深刻化し、企業でも業務の見直しが出ている。働き方改革を進める上で必要なことは?解説はニッセイ基礎研究所・矢嶋康次氏。
 
--テーマは「24時間営業は続けられるのか」、」、これは提言すべきは、雇用環境の改善ということですね。
 
「足下ではものすごく雇用は改善していて、最新の失業率3.1ぐらい、今年中に2%ということので、景気が拡大して雇用改善になるというのは非常に喜ばしいことなんですけど、ここにきて人手不足がかなりいろいろな業界で深刻になってきてます。業務の見直しをしている中で、今日のテーマですけど、24時間(営業)のところもだいぶお話が変わってきているかなと思います。」

(フリップ1:小売業者の事業所は減少だが・・・)
「小売業全体で見ると20年間店舗数は減っているんですけど、24時間(営業)の店は実は20年ぐらいの間に2倍ぐらいになっているんですよ。」
 
--それだけニーズがあったということもあるんでしょうけれどね。ただ日本ではそんな中で、賃金が上がらないと言われている中で、アルバイトの時給というのは上がってきている。
 
(フリップ2:時給は増加傾向)
「そうですね。いろんな業態のところで上がってきて、特にドライバー関係とか、介護関係も上がったんですけど、なかなかうまくいかないということが今はっきりしていて、外食産業で最近24時間見直しというのは人手不足の話もあるんですけど、聞くところによるとSNSが当たり前になってしまったので、夜ファミレスでみんなで集まって話をしないとか、ライフスタイルの変化みたいなのでもあるみたいですけど、だいぶ24時間(営業)の見直しをされる企業が増えてきているのが現状ですね。」
 
--時給の上昇が特に目立つドライバー・配送、最近では宅配業界で荷物の再配達が問題になっていますね。
 
「再配達はすごい便利でありがたいんですけど、ただ業者さんからすると人手不足に拍車がかかっていて、先月30日に決算を発表したヤマトホールディングスは、取扱量は過去最高なんだけど、営業利益は減少するということで、完全にコストがかかっているという状態がハッキリ見えてきているという状況ですね。」
 
--これは企業としても想定外ですね。
 
「そうですね。ほかの業界、さっき話にでていた介護のところだと、大学や専門学校に入る定員が遂に50%を切ってきているという状況なので、このお先もかなり人手不足で、業界としてどうなるのかという懸念も出てきているという状況ですね。」

--でもそうした中で、政府がいま働き方改革を進めていますね。急ピッチで議論しているんですけれども、それはどう関係してくるのか、矢嶋さんの提言がコチラです。
 
(フリップ3:矢嶋氏の提言)
「働き方改革と人手不足が矛盾しては、もうどうにもならないと思うんですよ。ここで2番目に出ている技術開発や規制緩和は、例えば人手不足に対応しますし、それから働き方改革でいろんな方が労働市場に入ってきてくださるというのは、人手不足解消に向けては非常にいい話だと思うんですけど、いくつか矛盾していることがあると思うんですね。特に長時間労働というのは、働くことを考えると、是正しないといけないんですけど、サラリーマンにとってみると、例えば残業代って賃金の一部と思っている方は非常に多いので、時短にしたときに賃金が減るという話では、働き方改革としては非常に人手不足に対応するには逆方向に動くんだと思うんですよ。」
 
--時間外が収入に占めるところは大きいです。そこが少なくなっていったら、やはり自由な時間ができても、どうなんだろうということに・・・。
 
「そうですね。そういう意味では、これから働き方改革をもうちょっと詰めなきゃいけないのは、労働時間を短くして、それでも生産性が上がって収益が落ちないというふうに、労働者に還元する経営者の意志であったり、アイデアを盛り込むということが絶対必要です。あとは消費者のほうの考え方、3つ目の項目ですけど、私は24時間(営業)があって本当にありがたいと思うんですけど、本当に24時間が必要なのかどうか、今までサービスフルラインをどう考えるかみたいな話は消費者サイドの考え方が変わってくると、本当に必要なものに対して対価を払うという意味で、ちょっと料金が高くなると、それは人件費が高くなるという意味で、また人が入ってくるという好循環が生まれるので、ここをどうやって仕組みとして動かすのか、というのを働き方改革の中で考えないといけないのではないかなと思います。」
 
 
 
■日経朝特急
 
化学物質審査、AIで短縮
経済産業省はAI(人工知能)を使って化学物質の安全審査にかかる期間を短くする。例えば、魚への化学物質の蓄積度を調べる試験の代わりに、コンピュータ―による仮想実験を利用する。2019年度から段階的に導入する。
 
 
身構えるマツダ・富士重
雇用や関税を巡ってのトランプ氏の発言を受け、トヨタの豊田章男社長は安倍総理大臣と会談するなど各社が対応を迫られている。特に身構えているのがマツダと富士重工だ。アメリカは日本車各社の稼ぎ頭だが、北米での現地生産比率に関してはマツダは0、富士重も約6割とトヨタなど大手に比べると低い状況だ。米国が政策変更すれば影響が大きく、先行きに神経をとがらせている。
 
 
燃料分上乗せ、4月から2倍
燃油サーチャージが大幅に引き上げられる。日本発の旅客を対象にした燃油特別付加運賃、いわゆる燃油サーチャージが4月の発券分から約2倍になる。現在は北米やヨーロッパで片道3500円の上乗せだが、7000円かかるようになる。アメリカ大統領選後の円安が進んだほか、去年11月末のOPEC石油輸出国機構による減産合意の影響が表れてきた。3月までに発券すれば、現在の上乗せ分で済むため、ゴールデンウイークなどの旅行計画を早めに練る人が増えそうだ。
 
 

■日刊モーサテジャーナル
 
米ドットフランク法の見直し、米国紙の評価分かれる
トランプ大統領がドットフランク法の抜本的な見直しを命じる大統領令を出したことについて、各紙の評価は分かれている。
ウォールストリートジャーナルは、「銀行に新たな時代が到来」という見出しで、融資に対する規制緩和などを見込んで、ウォール街はお祝いムードだ、と報じている。記事は、「政権入りしたゴールドマンサックス前社長が主導した政策である上、金融機関が自己資本を元手にリスクを取って市場で取引する自己勘定取引の規制も緩くなる見込みであることから、銀行員にとって夢のような内容だ」、と解説している。
一方、ニューヨークタイムズは、対照的に、「トランプ大統領は選挙期間中、ウォール街のエリートではなく、労働者の味方であることを売りにしていたのに」、と批判している。
 
 
米石炭業界が復活?IPO増加の見通し
トランプ大統領はアメリカの石炭業界への環境規制の緩和も表明しているが、ウォールストリートジャーナルは、「石炭業界からのIPO新規株式公開が増える見通しで、投資家にとってダイヤモンドの原石かもしれない」、と報じている。鉄生産に使われる原料の石炭価格は、最近、中国の環境規制やアメリカの生産縮小などから、供給量が減り、価格は急上昇。石炭企業のIPOへの追い風になっている。また石炭の生産過程で出た汚水を川に流すことを制限するルール廃止を先週、米議会が賛成多数で可決したことも背景にあるのでは、と記事は分析している。また記録を取り始めた1995年以降、1年間のIPOの数としてはこれまで4社が最多だったが、現在少なくとも石炭企業6社がIPOを検討中だという。
 
 
米小売の巨人メーシーズ、ついに買収対象に(ニューヨークタイムズ)
業績不振が続くアメリカの老舗百貨店大手メイシーズの買収にカナダの同業最大手のハドソン・ベイが名乗りをあげた、と報じている。
「メイシーズは、かつては小売の巨人だったのに」と凋落ぶりが浮き彫りになったとみている。カナダのハドソン・ベイはマンハッタンの5番街にあるサックス・フィフス・アベニューなどを展開していて、大胆な買収戦略で有名だ。一方、メイシーズはネット通販やディスカウント店の台頭で、1万人以上の雇用削減と約100店舗の閉鎖を発表した。
ただウォールストリートジャーナルは、「そもそも百貨店というビジネスモデルが限界にきているのに、合併しても新たな成長は見込めないだろう」、と厳しく評価している。
 

・ 「ドット・フランク法の見直し、米紙の評価分かれる」について
 
--規制緩和にも、いいものも悪いものも両方あると追うんですけど、冒頭にありました金融規制の緩和はどうですか。
 
《ニッセイ基礎研究所/矢嶋康次氏》
「私自身はリーマンショック以降かなり厳しすぎたと思っているので、そういう意味では緩めるというのはある程度はいいと思うんですけど、ただこれは政策的には難しくて、国内でアメリカを考えると、イエレン自体がいま引き締めに向かっていることに対して、今回緩和策が出ているというので、バランスをどうとるかということがあります。それから日本を考えたときに、ヨーロッパがすごい苦しんでいて、バーゼルⅢみたいな見直しがあったり、イギリスは離脱してたぶん金融セクターをもっと緩和してくると思います。そしてアメリカも緩和するということになると、日本はこのままギチギチ言っていていいのかどうか、そういう議論もしなきゃいけないと思いますね。」
 
--金融規制の緩和というのは、緩和になるということですね。
 
「そうですね。お金の回りをどんどん良くするので、FRB自体が金融引き締めをしても、なかなか引き締めができないということが起きますよね。」
 
--となるとFRBとしてはどうするかというと、今は利上げという観点がありますけど・・・。
 
「そこをトランプ政権が見えないなかで、もうちょっと引き締めをしていくのか・・・。」
 
--再投資の減少といったところも出てくるかもしれませんね。
 
 

■今週の予定
 
6日(月) 決算(トヨタ、スズキ)
7日(火) 16年12月景気動向指数、米16年12月貿易収支、米決算(ウォルト・ディズニー)
8日(水) 16年12月国際収支、日銀金融政策決定会合の主な意見(1月30日~31日)、決算(ソフトバンクG)
9日(木) 16月12日機械受注
10日(金) 日米首脳会議、中国1月貿易統計 
 
 
 
■今日の予定
 
16年12月毎月勤労統計
決算(トヨタ、スズキ)
中国1月非製造業PMI(財新)
米1月労働市場情勢指数
 
 

■ニュース
 
米控訴際 司法省の訴え退ける
アメリカの連邦地方裁判所が、イスラム圏7ヵ国に対する入国禁止令の停止を決定したことをめぐり、日本の高等裁判所にあたる連邦控訴裁は4日、決定の取り消しを求める司法省の訴えを、退けました。控訴裁は、5日以降に裁判を起こした2つの州と、司法省からそれぞれ改めて意見を聴き、最終判断するとしています。
 

イラク 米司法判断を評価
入国禁止措置が一時差し止められたことを受けて、対象国となっていたイラクの政府報道官は5日、「問題解決に向けた正しい動き」だと評価しました。一方、対抗措置としてアメリカのレスリング選手団の入国を拒否していたイランも、国内で開かれる国際大会に向け、ビザを発給するとしています。
 

東京・千代田区長選 小池知事支援の石川氏圧勝
任期満了に伴う東京都千代田区長選がきのう投開票され、小池知事が支援する無所属で現職の石川雅己氏が大差をつけて5回目の当選を果たしました。7月に行われる東京都議選の前哨戦として、注目された千代田区長選は即日開票され、現職の石川雅己氏が1万6,371票を獲得し、当選しました。投票率は53.67%で前回を10ポイント以上上回りました。石川氏は選挙戦で、保育園の待機児童ゼロなど4期16年の実績を強調し、街頭演説には、小池知事が応援に駆け付け幅広い支持を集めました。一方、自民党から推薦を受けた与謝野氏は伯父の与謝野馨元財務大臣が長年、地盤としてきた知名度を生かし切れませんでした。
 

菅官房長官 米艦載機 岩国移転へ協力要請
菅官房長官は、山口県岩国市を訪れ、在日アメリカ軍再編に伴う空母艦載機の岩国基地への移転について、知事や市長と会談し、協力を要請しました。アメリカ軍は、神奈川県の厚木基地の艦載機61機を11月から段階的に岩国基地へ移転させる計画で、周辺の住民からは、騒音問題などで反対する声もあります。こうしたことから、岩国市を訪れた菅官房長官は、山口県の村岡知事、そして、岩国市の福田市長と相次いで会談し、艦載機の移転について理解を求めました。これに対し、福田市長は、「市民の納得を得るには、課題が残っている。覚悟を持って政治判断してもらいたい。」と国に対し注文をつけました。
 
 

■【コメンテーター】ニッセイ基礎研究所/矢嶋康次氏
 
・ 日米首脳会談
 
--注目は今週10日の日米首脳会談ですけれども、矢嶋さんの注目はどこですか。
 
「安倍首相は日本としての正論をきちっと言われると思うんですけど、ただアメリカ政府当局、トランプ大統領は折れるわけは絶対にないわけで、その中で注目なのは、日本としてはたぶん包括的な話に持って行くと思うんですけども、トランプ政権としては例えば自動車であったり、為替であったり、個別の話を出して来ると思いますので、そこをどう折り合いをつけるか、というのが1つと、それを踏まえて、国内で企業さんを含めて今年円安になると期待を持っている方が多いと思うので、その一方でトランプ政権の警戒が非常に強いので、国内の世論が(会談結果を)受けてどうなるのかというのもポイントなのかなと思いますね。」
 
--非常にトランプ氏との関わりで、大きな影響を受けるとことが多い。各国の株価は明暗が分かれています。
 
「そうですね。市場で話題になったところ、中国やメキシコ等々はめちゃめちゃになりましたし、そういう意味では日本・ロシアは良いという話で、株価がアメリカのパフォーマンスより良いという状況になっていますけど、今回の首脳会談で結果として下のほうに行くということは、たぶん日本の国民はみんな嫌だといのが総意だと思うんですけど、ただ折り合いをどこらへんでつけれるか、日本としてもいうことは言うべきだと思いますので、その辺が結果として交渉の難しさというのを今回露呈するのではないかと思いますね。」
 
--ですから言うべきところは言いますけどれども、同時に手土産を持って行くのではないかと言われていますけれども、どういったところが大統領の心をくすぐるか。
 
「何もないというのもだめだと思いますし、でもいうことも言わなくてはいけないという意味で、交渉のむずかしさ、その辺が今回、安倍政権にかなり問われている。一発目が非常に大事なんじゃないかなと思いますね。」
 
 

・ 今日の経済視点 「政治の安定」
 
「いろんなニュースを見ていると、アメリカもそうですけど、日本が安定しているのは良いなと思いますよね。ただ今は皆さん海外ののニュースに関心が非常に高いですけど、国内でも共謀罪関係やテロ関係の法案とか、かなり重要な法案をやっていて、安定の中の政権で何をやるかみたいな議論って非常にいま大事なところなんですよ。だから海外だけではなくて国内のニュースもぜひみんなで見ていかないといけないのかなと思いますね。」
 
--今お話にありましたテロ対策というところで共謀罪というのがありますけれども、これに関しては矢嶋さんはどういう意見をお持ちなんですか。
 
「基本的には必要だと思うんですけど、過去、実は廃案とか見直しがずっと起こっていた経緯もあって、いろいろな議論としてはもっと深めないといけないんですけど、なかなか関心がそこに集まっていないというのが現状なんじゃないかなとちょっと危惧しています。」
 
--これは関心を高めなければいけないという背景にはオリンピックも絡んでいるわけですよね。
 
「ああ、そうですね、オリンピックがあるので、政権としてはこれを通さないとオリンピックができないという言い方を今していますけれども、そういう議論をもっとやらなきゃいけないイじゃないかと思いますね。」
 
--反対するには何らかの意見があるわけですよね。
 
「そうですね、個人の権利を奪うみたいな話ですね。」