特定非営利活動法人精神医療サポートセンター

発達障害、統合失調症、アルコール依存症、ベンゾジアゼピン系薬剤の依存等々、精神科医療についての困りごとに対応いたします。

第三者機関へ問う~隔離拘束患者  十五分に一度の巡回・観察~

2006年06月26日 | 看護論的経営論
「私の病院は、最低限15分に一度の巡回をしています」

もし、このような精神科病院があれば日本指折りの病院か恥を知らない低レベルの病院だ。まず最初に言っておくが、隔離拘束患者の15分に一度の巡回など到底不可能である。

 恥ずかしきは、日本医療機能評価機構に評価項目として設定されている(書類を手にしたことがないが、間違っていなければ)ということである。もし、“隔離拘束患者に対して最低限15分に一度の巡回を実施する”という項目が本当に存在するのであれば、その項目の提案者は、無能もしくは虚飾好きの人間だろう。また、その項目を採用した日本医療機能評価機構の存在意義もない。
 
 ある時期、他の第三者機関ともその話をしたことがある。返ってきた返事は、

「どうして不可能なのですか」

という返事だった。いずれも、患者を救済する団体であったり、職員の労働条件を保障しようとするような団体であったが、この程度の反応。現場を把握しなければならないはずの団体がこの程度の“眼”しかもたないのであれば、偽善活動と思われても仕方ない。今即刻解散するべきだ。また、それらの団体が各々の病院長などと馴れ合いになっているのであれば、私はそれも問題にする必要があると考えている(実際なっているが)。
 
 先日、日本医療機能評価機構に、“評価の際、15分に一度の巡回をどのように確認しているか”という旨のメールを送った事もあるが一向に返事がない。メールの後変わったことといえば、ホームページのトップに“自己責任原則について”という説明が付加されただけ(私の記憶では、メールを送る前はそのような項目はなかったと記憶している)の不親切且つ傲慢な対応。 
 確実に15分に一度の巡回ができているかを確認するには抜き打ちで評価をしにいくしかない。他にも、総室での身体拘束は事実上禁止されているが、これも抜き打ちで評価に行けば、ほとんどの病院は拘束を実施しているのではないだろうか。
 
 改めて第三者機関へ問う。

※隔離拘束患者の巡回に関する問題を考え直すつもりはないのか。そして、第三者機関として、それを平然と受け入れていることに恥じらいを感じはしないのか。
公平をアピールしている第三者機関の瞞着はもう許されない。見栄のみで経営している患者無視の病院経営者も自らの無能さを感じ取れ。



私は、NPOの活動を通して今後も積極的に、精神科を中心とした隔離拘束患者に対する問題に関わっていくつもりである。





最近ますます面白くない記事になってきて重症ですが、一つずつクリック願いま~す。面倒くさいのはわかってます!!でもお願いします!!!

最後までご閲覧いただきありがとうございます。拙著本「精神科看護師、謀反」も看護の参考にしていただければ幸いです。

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31 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
すっごく同意 (トシ)
2006-06-27 00:04:25
無理な上に無意味な気が。15分に一度来られたら患者さんも嫌でしょう。気づかれないぐらいの観察でよいのなら、15分との時間設定はどこから来るのか?って気がします。ようは患者さんの状態に合わせた上での密な観察ってことではないかと考えます。

巡回したときに何を見て、どう対応するかの方に力を入れようと思っていますが・・・。まぁ自信ないので、もっさんの考えと違ったら意見ください。
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Unknown (もっさん)
2006-06-27 01:20:17
こちらでは初めてですかね。



確かにそうですよ。病院によっては、15分に一度のチェック用紙のようなものがあって、そこにチェックを入れていったりしてるようですが、後でまとめ書きをしているようじゃぁしないほうがまし。



今回の記事、かなり気合を入れて書いたのですが、変なところをクリックして全部消えたので一度書き直したんです・・・・・。ちょっと手抜き文章ですが(汗)
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考えた末の基準なんでしょうが・・・ (ゆる看)
2006-06-27 01:47:17
何か物差し作らないといけなかったんでしょうね。

「15分」ていうのは、いけないと思いつつ笑ってしまいます。



ウチの病院は、5隔離室あります。

日勤では、1名の看護師が担当します。

何分おきと言うのは心がけたことはないですが、午前中などは、意図的に、それ以上患者さんの視野に入る動きをすることがあります。

呼ばれれば行くし(状態次第ですが。当然、訪室が症状増悪させるようなら控えます)、声をかけに行きます。「来るな!」と言われれば行きませんが、攻撃をされるだけなら、メゲズに行きます。

「何か用はないですかぁ?」

「今飲んでいる薬は、どうですか?」

「タバコすうなら、一緒に吸おう。」など。

すると、午後から皆さん落ち着くことが多いように思います。午後の「15分巡回」は、かえってウザがられるか、再燃させてしまうことが多いように思います。



夜勤は、隔離込みで60人前後の患者さんを2人で対応するため、「15」は無理です。しかし、勤務交代直後は、頻回に訪室することがあります。



「居る」と言うことが伝わるだけで、「休養」できることがあるので。
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Unknown (death_scythe3)
2006-06-27 11:43:56
復活(?)しました。

でも体調はまだダメです。



隔離拘束患者に対する巡回という項目、15分に一度と明記されていたかどうか、失念してしまいましたが、JCQHCのことだからきっと明文化していることでしょう。



我が家の嫁さんがふとしたことから、精神科隔離病棟での介護に就くことになりました。

その状況を見て、また色々と意見交換させていただければと思います。

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Unknown (もっさん)
2006-06-27 21:59:24
>ゆる看さん



夜勤でも15分に一度としているのに、それをそのまま巡回できていると思っている評価機構が問題でしょう。そのような、監視能力のない機関が必要あると思いますか?全否定するわけではありませんが、第三者機関として公平を称しているのであれば、そのあたりのいい加減さと、メールを無視するような傲慢さは改善すべきですよね。
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Unknown (もっさん)
2006-06-27 22:01:15
>デスさん



復活は急ぐことありません^^



奥さんが、精神科で勤務ですか!色々お話を伺いたいですねー。



私も直接的には精神科を離れてしまっているので、いろいろな情報をいただければと思います。



まぁ、ぼちぼちいきましょう!
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自己評価調査票 (ゆる看)
2006-06-28 00:50:30
「なるほど」と思うことも書いてありましたが、マニュアル作成がらみのことが多いですね。



>監視能力のない機関が必要あると思いますか?

思いません。監視は一部を除いて不可能だと思います。監視能力のある機関だったとしてもこの基準で、病院の質を決定するとなると、微妙なズレを感じます。病院機能を標準化できるとは思っているのでしょう。
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Unknown (もっさん)
2006-06-28 01:12:21
>ゆる看さん



あ、調査能力、と言った方が誤解がないですかね。チェック項目にあることをまともに調査できない機関ってことです。その低い能力であることを前提としてみた場合、機能の標準化ということに関しても、必然的に疑問を抱かざるを得ないでしょう。



たしかに、日本全国の病院機能のの底上げに役立ったことは、評価できますが、評価機構の設立の趣旨など文面で謳っている文句動きの中からはまったく見えてこないのですから、第三者機関を名乗られても不信感を抱かざるを得ませんよね。
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Unknown (ゆる看)
2006-06-28 01:48:09
「たまに見に来るけど調査できないので、病院でなにかの時に、参考資料がわりに使ってください。あとは病院と職員の意識におまかせします。患者さんの不利益にならないようにだけは気をつけてください。」ぐらいでしょうか?

自己評価調査票をまとめたことは評価するとして、存在継続理由は、今後評価機構の方の活動状況でハッキリするのでしょう。



ゆるく自己評価調査票=看護実習要綱のような感じで受け止めてます。

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Unknown (もっさん)
2006-06-28 21:45:21
>ゆる看さん



度々のレス、ありがとうございます。詳しく述べることは控えますが、ゆる看さんは、特別な立場にある方とお察しします。



もし、患者の不利益にならない程度(わかりやすく、噛み砕いて説明してくださった体と思いますが)との認識でのものであれば、それは実に的外れな機能となってしまっているように思います。直接的には、患者に不利益になっていないかもしれませんが、無駄な業務(チェックリストへの記入など)の増加で間接的に、看護の質を低下させています。さらに現場の看護師ではありえない感覚が、上層部ではまかり通ってしまい、上部と下部との患者や看護への認識の格差が広がってしまうという状況を生んでいます。

 自己評価調査票の内容に関しては、直接は存じませんが、日本医療機能評価機構という立場に対してのそれは、非常に低レベルなものと考え、私個人としては評価しがたい部分があります。

存在継続理由に関しましては、おっしゃるとおり、今後の活動状況しだいでしょうね。
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