2019年のNISAで668円で買っていた100株を今週800円で売った。2019年NISA分のロールオーバーに関わる話についても後の方で書いている。
5月10日に優待廃止等を発表して急落したので、売却したNISA分を買い戻した。そのことについても追記しておいた。
九州リースサービスの値動きと当初購入時の状況
九州リースサービスは、社名の通り、九州を地盤にリースを中心とした総合金融サービスを展開している会社だ。元々は福岡証券取引所に上場していたが、2016年11月に東証2部に上場し、1部に昇格、東証の市場再編後はスタンダード銘柄になっている。2022年10月には西日本フィナンシャルHDの持分法適用会社となった。
2017年3月末から株主優待制度を始めていて、100株以上を保有する株主に一律で年1回、1,000円分のQUOカードをくれる。
2017年央からの週足チャートは次の通り。
出所:株探(https://kabutan.jp/stock/chart?code=8596)
私はまず最初、2017年高値の2/3を割れてきた2018年5月に790円で100株買った。バリュー株でQOUカードの株主優待もある銘柄が安値圏に入ってきたと思ったからだ。当時はPBR 0.65倍、予想PER 8.0倍(四季報ベースで2019年3月期)、ROE 8.1%、配当利回りは少し低く1.8%だった。
四季報2018年春号の見出しは次のようになっていた。
【営業増益】商業施設や建設機械リース堅調で東京支店開設費をカバー。東証1部上場記念配2円。19年3月期はリース漸増。分譲マンションや賃貸住宅つなぎ資金のファイナンス順調。営業外の破綻更生債権売却益と不動産売却特益は剥落。税平常化。
【多様化】リースの得意先に保険や自動車メンテナンスサポートなど提案。顧客遊休土地活用したトランクルーム事業軌道化。
よくある私の買いバターンだが、下げる途中で買い始め、難平買で株数を増やしていく。この時も想定通り続落し、2018年8月に725円で100株買い増した。2018年は年末にかけて下げ足を速めたが、米中貿易摩擦激化で株式全般下げていた。他の銘柄への資金投入との兼ね合いで、この時期に買い増しはしなかった。
【営業増益】商業施設や建設機械リース堅調で東京支店開設費をカバー。東証1部上場記念配2円。19年3月期はリース漸増。分譲マンションや賃貸住宅つなぎ資金のファイナンス順調。営業外の破綻更生債権売却益と不動産売却特益は剥落。税平常化。
【多様化】リースの得意先に保険や自動車メンテナンスサポートなど提案。顧客遊休土地活用したトランクルーム事業軌道化。
よくある私の買いバターンだが、下げる途中で買い始め、難平買で株数を増やしていく。この時も想定通り続落し、2018年8月に725円で100株買い増した。2018年は年末にかけて下げ足を速めたが、米中貿易摩擦激化で株式全般下げていた。他の銘柄への資金投入との兼ね合いで、この時期に買い増しはしなかった。
2019年4月にはNISAで668円で100株買い増した。2019年のNISA枠で最後に買った銘柄だった。四季報2019年春号の見出しは【堅 調】となっていた。2019年9月にも609円で100株買い増した。
その後、コロナショックの急落を挟んでいるが、600円辺りが定位置という感じの値動きだった。
最近の状況と今回の売却
株価は今年に入りコロナショック後の高値を超えてきて、2018年前半の水準まで上げてきた。昨年、シノケン株のMBOに応じた株式売却益が入ってきて今期業績がかさ上げされているが、特益がなくなっても来期見通しは悪くなさそうである。
また、ファウンドリ企業の世界トップのTSMCの工場建設が熊本で進んでおり、関連企業の進出で九州経済が賑わい始めている。九州リースサービスは、その恩恵を受ける会社になるため、上値を追いやすい状況にある。
このような状況で、普段なら1,000円を最初の目標にして気長に待っているところだが、今年満期となる2019年NISA分の100株についてはロールオーバーもできないため早めに売ってしまおうと考えた。最初の買値790円よりは上ということで、800円で売指値をしておいたら2月7日に出来た。
今回の売却益は約1.3万円、利益率19.8%、年利換算5.2%で成績としてはぱっとしないものになった。ただ、今後の値上がりは特定口座分で享受できるし、QUOカードも引き続きもらえるので問題はない。
なお、九州リースサービスは2月9日に第3四半期決算を発表した。連結経常益は前年同期比98.2%増の52.3億円で、通期計画に対する進捗率が104.6%に達した(ただし通期計画は据え置き)。
2023年2月9日 2023年3月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕
これを好感して2月10日の株価は10.2%上げて865円で引けた。この株価でもPBR 0.52倍、予想PER 3.57倍、配当利回り2.7%だ。予想PERが極端に低く見えるのはシノケン株の売却益が入っているためだが、四季報の来期ベースでみても予想PERは7.7倍でバリュー株のままである。
2019年のNISA分はロールオーバーできない
来年から新NISAがスタートする。全体枠が1800万円と大きくなるし、非課税は期限なしになるなど非常に有利な制度となっている。ただ、制度設計の中で、新NISAは現NISAとは別物として整理された。そのため現NISAで5年目の満期となる分を新NISAにロールオーバーすることはできない。
2019年のNISA分はロールオーバーできない
来年から新NISAがスタートする。全体枠が1800万円と大きくなるし、非課税は期限なしになるなど非常に有利な制度となっている。ただ、制度設計の中で、新NISAは現NISAとは別物として整理された。そのため現NISAで5年目の満期となる分を新NISAにロールオーバーすることはできない。
2019年に投資した分は、購入時より値下がりしていても年末時点でその時点の株価を取得価格として課税口座(特定口座)に移管されてしまう。その後値上がりして当初の株価に戻しただけでも売れば譲渡益が発生し、課税されてしまう事態になる。
ロールオーバーしたいような2019年のNISA分に対して、現在考えられる対応策は以下の2つしかないと思う。
対策1:今年中に売って2023年のNISAで買い戻す
対策2:課税口座に払い出されらすぐ売って新NISAで買い戻す
いずれの対策も手数料が余分にかかる場合もあるし、同値以下で買い戻せるとは限らない。対策1は2023年枠が空いていないとできないのは当然で、5年の投資期間を活かし切れなかったことにもなる。より根本的な問題として、「他にもっとよい投資対象があるのでは?」ということはあるのだが。
このため、私は2019年のNISA分に関しては、年末に課税口座に移管されても問題ないと確実に思える分以外、利食えるチャンスがあるなら欲張らずに売ってしまおうと考えている。2019年のNISA分の中にはビジネスモデルが崩壊して急落を続けたぐるなびを難平買いした分とかもあって、悩まし過ぎるのもあるんだけど。
【2023.5.11追記】
5月10日にQUOカードの株主優待の廃止を発表した。3月末に権利確定した分が最後となった。100株で1,000円のQUOカードだったので廃止/改悪されやすいのは分かっていたことでもあった。
また、5月10日に前期決算と今期見通しも発表した。前期経常は64.4%増益で事前予想を上回ったが、今期経常は26%減益の見通しとなった。前期は上述したシノケン株の売却益が入っているため大きく見え、その分今期の減益が目立っているだけである。配当については、前期は2円増配して25.5円とし、今期も据え置き予定となっている。
上記二つの発表を受け、5月11日の株価は朝から10%を超える下げとなり、終値は101円安(-11.56%)の773円となった。お得のあった優待の廃止が効いたのだと思うが、減益は見かけ上のものなので下げ過ぎだと思った。それで、前場で777円で100株買い戻した。
熊本のTSMC工場建設による九州経済活性化への期待等もあって株価は一時1,000円台に達しており、2019年NISA分の800円での売りは少し早過ぎたかなと思っていた。そのため、売値よりも下げていたので欲張らずに買い戻しておくことにした。結果的に、2019年NISA分は微益を得た上で特定口座に移管できたことになった。