精神疾患により医療機関にかかっている患者
数は日本中で400万人を超えている。
そして精神病床への入院患者数は約28万人、
精神病床は約34万床あり、世界の5分の1を
占めるとされる(数字は2017年時点)。
※
誓約書を強要
退院するや否や、Aさんはセンターから
「誓約書」へのサインを強要された。
① 医師の診断に従い、通院・服薬を続けること
② 実家に帰らない、家族に連絡を取らないこと
③ (センターの)カリキュラムは全参加すること
という内容だ。
誓約書の文末には下記の一文があった。
「上記ルールを守れない場合は、再度入院
する事に同意致します。」
少なくともセンター側が、身体拘束の恐怖や
強制入院の理不尽といったAさんの心身に
刻まれた精神科病院でのトラウマを、指示に
従わせる「道具」として活用しようとしたこと
は明白だ。
Aさんはその後、弁護士らの援助でセンターを
抜け出し、センターと病院の職員・医師らを
逮捕監禁罪などで刑事告訴。
別途、民事訴訟でも損害賠償を求めて争って
いる。センターの運営会社は2019年末に破産
した。
病院への刑事告訴は正式に受理されて、
現在捜査中だ。
Aさんの代理人の1人で、同センターのほか
の被害者からも相談を受けている、代々木
総合法律事務所の林治弁護士は、「被害者
たちはみな、センターの職員から言うことを
聞かないと精神科病院に入れられ、身体拘束
もされると脅されていた。
Aさんが身体拘束されておむつで排泄していた
ことはみな知っていた。
精神科病院への入院が引き出し屋によって、
いわば見せしめ的に使われている」と実情を語る。
内閣府によれば、ひきこもりの人数は15~39
歳で54万1000人(2016年発表)、
40~64歳は61万3000人(2019年発表)と
推計されている。
総数は100万人を超えるとみられている。
ひきこもりが長期化・高齢化しているとも報告
され、本人や支える家族の不安や悩みは大きい。
そうした悩みにつけこんで、「半年で自立させる」
などと甘言を用いて、両親など家族から高額な
費用を巻き上げる引き出し屋は、決してこの
センターだけではない。
病院が著名教授を提訴
こうした悪質業者の手先ともいえる役割を、
結果的に精神科病院が果たしてしまって
いることについて、当の病院側はどう考えて
いるのか。
取材に対して、病院側は「本件は現在係争中
であり、また守秘義務もありお答えできない」
としている。
ちなみに病院は、民事訴訟の準備書面に
おいて、「原告(Aさん)はあたかも被告病院
が研修センターと一蓮托生であるかのごとき
主張をするが、まったく研修センターと被告
病院とは関係はなく、連携等もおこなってい
ない」
「研修センターへの誓約書記載の入所条件に
ついては、原告と研修センターとの問題であり、
被告病院が積極的に関与したものではない」
などと主張している。
なおこの病院は昨年、ひきこもり問題の第一
人者で筑波大学教授の斎藤環医師を名誉
棄損であるとして、300万円の損害賠償を求
め提訴した。
斎藤教授がAさんの刑事告訴と民事訴訟に
関する報道を引用して、ツイッターでコメント
したことがその理由だ。
取材に応じた斎藤教授は「近年、統合失調症
への薬物治療が進んだことなどで、精神科病院
への新規入院件数は減少傾向にある。
そのため多くの病院はできるだけ多様な入院
ニーズを確保したい。
この病院が直接それにあたるかは別にして、
引き出し屋と結託すれば相応の患者数を定期
的に受け入れられると考える精神科病院があっ
ても不思議ではない」と警鐘を鳴らす。
「拷問に等しい犯罪行為」
実際、ひきこもり状態にあったところ、精神科
病院に強制入院させられたケースはAさんだ
けではない。
「身体拘束されて隔離室に入れられたときは、
閉塞感と圧迫感で絶望的な気持ちになった」。
埼玉県在住の30代男性のBさんは、精神科病
院への入院体験を振り返る。
男性はいじめによる強迫性障害が原因で、
高校1年からひきこもり状態となった。
20代後半となったある日、寝ている間に父親
と親戚など5人前後の男性に養生テープで簀
(す)巻きにされ、そのまま車で大学病院へと
搬送された。
隔離室でテープは剥がされたものの、搬送時に
口中に砂が入り服薬をためらっていると、医師に
投薬拒否と判断され、室内のベッドにそのまま
拘束された。
万歳した状態で、手足と胴の「5点拘束」され、
投薬、食事とも経鼻経管で行われた。
BさんもAさんと同じく、拘束中はトイレにも行か
せてもらえず、用便はおむつでの対応を余儀
なくされた。
「交換は1日2回と決められており、隔離室前を
通る看護師に交換をお願いしても無視され
続けた」(Bさん)
Bさんは退院後に大検に合格し、今は通信制
の大学で学び、福祉系の資格を取得して働こう
と考えている。
フルタイムで事務職のアルバイトもしている。
ただ、当時の精神科病院での体験は確実に
トラウマとなっていると振り返る。
「今でも隔離室でされたことは拷問に等しい
犯罪行為だと思っている」(Bさん)。
成人男性ですら、何年たっても深いトラウマ
として心身に刻み込まれる精神科病院での
身体拘束。
こうした行為が未成年の少女に、驚くべきほど
長期間実施されていたケースすらある。
老年症候群・老化に伴う様々な症状
老年症候群の定義
老年症候群とは、加齢に伴い高齢者に多く
みられる、
医師の診察や介護・看護を必要とする症状
・徴候の総称のことです。
老年症候群の症状・徴候は50項目以上が
存在します。
老年症候群の特徴
特徴は、複数の症状を併せ持つことです。
そのため高齢者は循環器科・消化器科・呼吸
器科・神経内科など細かく診療科が分類され
ている。
総合病院などを受診すると、複数の診療科を
受診しなければならないことがよくあります。
また、もともとは1つの病気で病院を受診してい
ても、その合併症があらわれると合併症の専門
科を受診しなければならなくなり、やはり複数の
科に受診しなければならなくなります。
老年症候群が他の病気と違う点
老年症候群には2つの状態が混在します。
生理的老化 生理的老化とは病気によるもの
ではなく、加齢により誰にでも起きる変化です。
たとえばだんだんと耳が聞こえづらくなる、夕方
になると目が見えにくくなる、就寝中のトイレの
回数が多くなる、坂道を上ると息が切れる、
小さな物忘れなどがあります。
病的老化
疾患やけがなどによりおきる症状です。
この病的老化はさらに合併症の症状として考え
られるものと多臓器疾患の影響や、社会的条件
に影響されて出現してくる二次的な症状が
あります。
老年症候群にはこの「生理的老化」と「病的
老化」が混在しています。
廃用症候群
長期療養の場合重要になるのが廃用症候群
についての理解と対策です。
比較的短期で出現する状態
褥瘡(床ずれ) 誤嚥 失禁
月単位で出現する状態
筋委縮 関節拘縮(関節が硬くなる)
年単位で出現する状態
認知機能低下
終末期に出現する状態
顔色不良 傾眠 注意力障害(呼びかけに
こたえる時間が短くなる)
見当識障害(時間や場所が分からなくなる)
飲水や食事の減少 嚥下困難
これらの症状は終末期に現れますが、他の
病気でも起こりえます。
老年症候群と関連する病気
ホルモン減少 精力低下、認知判断力の低下、
うつ、筋力低下の一部は老化に伴うホルモン
減少と関連している可能性があります。
老年症候群の危険因子と予防
いろいろな研究で日常生活動作(ADL)が低下
する原因として以下の項目が挙げられています。
情報関連機能の低下(認知機能・視力・聴力)
転倒 うつ 女性 日常生活動作が低下する危険
性が5倍に増える。
寝たきりの危険性を減らすことができる項目。
日本酒1合までの適度な飲酒 長寿教室参加
特に運動は重要な効果があり、継続して週に
1度仲間と運動している人は7年間で日常生活
活動度や運動機能にほとんど低下がみられな
かったと報告されています。
また継続的な運動は老年症候群の各項目に
対し予防的に働いていました。
海外でも運動が性ホルモンの分泌を促し、
認知症の予防にも有効であると報告されています。
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